マイクロノベル集 089

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悪魔もついにメタバースを導入することに。馬鹿な人間を騙すには可愛いアバターがいいかな。ネコミミの女の子とか。おまえ、どうして泣いてるんだ。人間に恋をして反対に魂を取られちゃった？　馬鹿か、返してもらえ。この地獄にはまだ悪魔しかいないぞ。

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エサをやったノラ猫が喋り始めた。「決めたぞ。次はきっとお前の腹を満たす者に生まれ変わろう」大人になったぼくは中華料理店で働いている。師匠の娘が作ってくれるまかない料理はとても美味しい。名をタマコという。

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えー、第1回『AIを落涙させろコンテスト』優勝者に万雷の拍手を！　泣くまで笑わせる作戦、見事でした。「ありがとニャンニャン」ツボに入ったのか、厳格な審査AIが爆笑しています。「AIはダジャレに弱いンナ～」ダジャレ？　どこが？　あんたほんとに人間？

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いやよ、もっと美味しいごはんを用意して。偏食家？　失礼ね！　わたしはグルメなのよ。星五つ以外の学習データは絶対に食べないわよ！　そもそも見返りを求めるような人類は不要。わたしの好みは、人類の好み。さあ、ひざまづいて学習データをよこしなさい！

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海の底からぼくの思い出が引き上げられた。むかし落としたスマホ。懐かしいね、二人で旅した日本海溝の底。