10/16 上辺ばかり見ているこんな世の中じゃ(ポイズンではない)
見た目。それは世界でもかなり重要視されるもの。見た目が良くないと信用を欠き、見た目が良ければ多少のマイナスは許されたりもする。これがいわゆる『イケメンは正義』とか『カワイイは正義』と言われるブツである。
俺は個人的にはこの言葉が好きではない。そりゃそうだ。恩恵に預かっていない者にとって、この言葉ほど許し難いものはないだろう。俺もそうだ。カワイイだけ、イケメンなだけで許されるのは平等に反する。
ただ。イケメンを保つ、カワイイを保つ。そのために行われる努力と資金の量はいかばかりであろうか? 顔を整え、服を探して、化粧を施し。性格も陽キャな振る舞いのために努力する。俺には正直想像がつかない。マジで。
ただ、これを神絵師の作品やWEB小説の高評価作品になぞらえるとどうなるか。見た目素晴らしい作品。ポイントや評価がたくさん放り込まれ、話の筋にも口を挟む余地のない作品。だが、そこに隠されたものは非常に多い。
構図や下書き。技術、根気の要る仕上げ。作業量は非常に多い。プロットの練り込み、場面や文章の選択。細かい単語に読み上げた時のリズム。考えることは非常に多い。
つまり。我々が見て憧れ、目指す外面は氷山の一角で。そこには血が滲むような努力や経験(本人は楽しんでいたかもしれないけど)、年期が隠されている。
いわゆる依頼仕事の金銭で揉める原因は、この努力を考慮せずに支払いを決めるからであろう。我々が不必要にも関わらず創作の様々な事象に苦しむのも、この『氷山の水面下部分』を見ていないからであろう。
一足飛びに上を目指そうだの処女作で大作を目論もうとするだの、というのも恐らくそうだ。上辺ばかり見ているからそうなる。
実際問題、俺も見ていなかった。見ていなかったからこそ、創作に対して斜めに構え、知った風な口ばかり聞いて真っ直ぐに向き合わなかった。ツイッターやSNSにおぼれ、そのままなにもせず愚痴と憧れと恨み言だけを吐いて死ぬところだった。
だが俺はすんでのところで気付いた。気付かせてくれる人がいた。俺は今、少しずつだが自分の行動を見直しつつある。より長く書けるように、より多く書く行為と向き合えるように。正解は分からない。分からないけど、それでも一歩ずつ進んでいく。
気付けたし人生80年ならまだ約50年ある。だから俺はツイている。
おわれ
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