451 だから南雲さん、アンタは理解が遅すぎる

……悟りが遅すぎたと、俺は自分を恥じていた。

いや、気付けただけマシなのか。

ローペースとはいえ、三年以上投稿してきてこのザマという現実に。

俺は今後の方針を決めかねていた。


気付けば、簡単な話だった。俺は小説を信じていた。

「良いものを書けば。普通の小説でも読まれて評価される」

「きちんと書けてさえいれば、読む人はいる」

傲慢だった。過信だった。俺も、俺の実力を過信していた。

読まれたこともあるから、多少はあるんだろうけど。「多少」でしかない。

覆すには、足りなかったのだ。


結論から言えば。パクることは出来るし、後から編集することも出来る。

noteというサイトもあれば、同人即売会だってある。

なにも最初から、「小説としての文章」に拘る必要はない。

一度腰を据えて学習し、ベクトルを合わせるということは出来るのだ。


思えば俺は、「書けないことはない人間」だった。

紙の本に文章を学んだ。

WEB小説が個人サイト中心だった時代にも、創作を志したことがある。

あまり自分を持ち上げたくはないが、そういう驕りが。

自分の目を狭めていたのだろう。


先程パクると書いたが、パクるのは骨子だけだ。

中身までパクったら当然、創作者として死ぬ。

最初からスロットルを上げ、読者の楽しみを引っ張っていく。

そういう創作ができるようになれば、きっとまた変わってくるのだと思う。

創作とはかくも難しいのね。

おわれ


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南雲麗
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