おれたちがラブデスターを読む時がきた
復刻連載完結により、全話無料公開中。読むといい。
よくきたな。おれはバンデラス・デ・サザンクラウドだ。おれは毎日ものすごい量のインプットとアウトプットをこなしているが、だれにも見せる気はない。つもりだったが、きょうは南雲のこしぬけにコロナと5000円札で頼みこまれたのでとくべつに筆をとることにした。
こいつはタフなマンガだ
まずひとつだけ言っておく……。このラブデスターはサメ映画・B級パニック映画のノリをたようする。すなわち人はいっぱいしぬし、ガバガバな描写もいくつかある。しかしそれはラブデスターの一そく面でしかなく、仕込まれた針がおまえを射止めるのだ。
無論、仕込まれていた針にたどり着くまでには時間がかかる。ラブデスターの場合、90分映画だとして最後の15分ぐらい……つまり最終章で一気に開花するからなおさらだ。だが、相性さえあっていれば。そこに至るまでじゅうぶん読みすすめられるポテンシアルはあるとおれは主張する。
つまりだ。このラブデスターというマンガは山もオチもないうらなりではなく、めんみつに練り上げられたタフなシュワルツネッガーなのだ。タフな筋肉が物理法則をつらぬくように、ラブデスターもまたじょうしきという壁をうちやぶるのだ。
ラブデスターをいろどるワードとあらすじ
おれはここまでまず、ラブデスターの魅力についてかたってきた。だが、おまえたちはまだラブデスターのあらすじすら掴んでいないのかもしれない。
おまえたちは最近、ネットの海でこのような単語を見かけたことはないか?
ベンゼンメガネペラペラ之助
坂で滑って死んだデブ
ボランティア死
新選組がノーベル賞を取る
おどろくな。これらは全てラブデスターで実際におきた出来事だ。作者が公式でワード化したり、フリークが非公式でワードにしてたりする(作者はツイッターアーをよく見てるという説もあるのですでに知っているかもしれない)。
そんなパワーワードはともかく、あらすじはこうだ。
中学生140人が宇宙人の実験として月へ拉致された。地球へ帰るためには『真実の愛』を告白し、受理されなければならないのだが、ある事情により恋愛を極度に否定する主人公はそれに反発し、告白に拠らない帰還方法を模索する……。
一見死者が出ないようにみえるあらすじだが……。問題点が2つあった。
・告白に失敗すると爆死
・期限内に告白できなくても死ぬ
・『真実の愛』でなくても爆死
……3つだ!
おまえを最終章へみちびくブシェミたち
そして主人公のかよう中学にも問題があった。B級パニック映画特有の愚かなモブが大量にいるのである。
つまり『イケメンは死なない』と言わんばかりに人気者に告白したり、かんたんに扇動されて主人公チームにけんかを売ったり、公開処刑よろしくいじめの標的に公開告白をやらせたりする。ついでにいうと主人公チームが諸事情で姿をけしている間に勝手にバトルオワイヤルをして大量にしんだりする。
そしてもう一つの問題が主人公を襲う。『ラブデスター怪人』の存在だ。ラブデスター怪人という単語自体は非公式ワァードだが、実際怪人と言わんばかりのキャラとパワをはっきする。
彼等と愚かなモブとの違いはだいたいこうだ。
・ルールを自分のいいように曲解する
・突然沸いて出て『超』強烈なキャラで光った後、因果応報でしぬ
要はパニックゾンビ映画などによくいる『偶然食料など、生殺与奪権が手に入るものを入手して主人公たちに向かってイキるキャラ』と考えrwばいいだろう。
基本的には最終章までは運営宇宙人及びこれら怪人との対決(?)がメインであり、その過程で文武両道の美少年が心身ともにズタズタにされたりする。
だが、そこまでの布石をともなって展開される最終章は、『真実の愛』の極致であるとおれは書く。そこには単なる異性愛ではなく、さまざまな愛があるからだ。
笑って。笑って。時に脱落して。そこまでの思いにこたえる最終章がそこにある。
さあ、そのグッグルはなんのためにある。今こそ、タフなラブデスターを、嫁。