447 南雲のストーリー

南雲は、どこを向いているのか。自分でもはっきりしていない。確かに、物語をばらまきたい。だが、ばらまいてどうしたい? それが薄い。

弁護に回るとすれば、ばらまいた時点で大きな野望だろう。ただし、ネットの大海にアップロードした時点で。既にばらまいたとも言えてしまう。

バラ撒いても、手に取られない。それはただの自己満足でしかない。「読め!」と押し付ける? そんなのは傲慢だ。

ならば。今のアプローチでは違うのだろう。広げようとし過ぎて、なにかを失っているのかもしれない。

思い付いたものを全て書こうとし過ぎて、書けるものを見失っているのかもしれない。

それは危険を排除して、結果面白みがなくなってしまった遊具のような。無難な評価にとどまる、トゲのない作品のような。

つまり、ルートが違った。奇抜な発想や特異な文体、常識の斜め上なんてことはできないのだから、愚直に俺に書けるものを押せばよかったのだ。

一人に深く突き刺して。ワンチャンそれを広めてもらう。こっちから手を広げ過ぎれば、それは当然ブレになるのだ。

ただ……やっぱり振り回されやすいのが玉に瑕なのよなあ。ゴールの設定の仕方が、甘いんですかね。

今日のところはここまで。

おわれ

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南雲麗
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