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とにかくチャンシルさんがチャーミング
『チャンシルさんには福が多いね』
映画プロデューサーのチャンシルさん。
長くプロデューサーとして支えてきた映画監督の急死で人生が急にギアチェンジ。
アラフォー(映画では40歳と言っていたかた「アラ」ではないか・・)で、仕事一筋に生きてきたチャンシルさんが仕事をなくし、自信をなくしてからの物語。
この映画の監督は長く、ホン・サンス監督のプロデューサーを活動してきたキム・チョヒ。
自らの体験をもとにしている映画とも言われているそう。
何はともあれ、チャンシルさんがとにかくチャーミング。
なんとも絶妙なキャスティングだと思う。
小津安二郎をけなされて、ムキになるチャンシルさんも可愛いいし。
美人ではないが、可愛らしい笑顔のチャンシルさんがスクリーンと現実をぐっと近づけてくれる。
自分のやりたかったこと、できること、これまで犠牲にしてきたこと、そんなことがぐるぐると頭の中をかけめぐる中、チャンシルさんに恋の予感が・・
そんな彼女に寄り添ってくれるレスリー・チャンと言い張る幽霊、大家のおばあさん、年下の女優、気になる男性、周りもとにかくかなりいい味を出している。とくにあの幽霊がいい。
なんどもでてくる、坂を上るシーン、玄関をくぐるシーン、そんな場面の対比が彼女の心情が映している。悲しさ、さみしさ、うれしさ。
そんなチャンシルさんの日々をじわじわくる笑いと、切ない思いでつつみ込み、優しい目線で描いた、あたたかな気持ちになる映画。