12/16 RP人狼「TWIN:SABBATH」まとめ
こんにちは、なごんです。
今回のまとめは、主催を務めました、一夜限りのRP人狼企画『TWIN:SABBATH』の記録です。
コンセプトは【秘匿HO制RP人狼】。
参加者12名がそれぞれ配布された秘匿HOをもとに、キャラメイクしてそれぞれの選択をしていただきます。
イメージとしては、マーダーミステリー×TRPG×人狼ゲームの3つ全ての要素を合わせたものです。
メインとなる殺人事件の犯人を人狼ゲームで追いながら、それぞれHOに沿った過去の推理や未来の選択を迫られます。
別シリーズ「コエノナイセカイ」と同軸の世界ですが、こちらは処刑・襲撃=死亡の全く異なる物語ですので、シリーズをプレイ・ご視聴いただいていなくてもお楽しみいただける内容となっております。
アーカイブがありますので、詳しい流れやエンディングは動画をご覧ください。
✦ 告知ツイート
今回もDiscordを使った関係組み・設定共有を行っています。
「コエノナイセカイ4」の時もなかなかの情報量がありましたが、今回は最初から「秘匿HO制」と銘打っているだけあって、文章量は過去最高です。ですがその分、プロローグを簡潔にしたり他の作業を出来る限り削っているので、作業としては配ったHOに対する質問や相談を捌いたぐらいでしょうか…。
事前情報+秘匿HOの内容は下記に全文掲載しています。
✦ イメージ楽曲
今回は(時間がなかったので)配信にフリー音楽を使うことはなかったのですが、後から決めるとするなら、こちらの楽曲が作品全体の雰囲気やイメージに近いです。
Aimer『春はゆく』
春奈るな『空は高く風は歌う』
✦ 概要・あらすじ
✦ 世界観設定
今回はキャラクター全員が魔術師という特性上、世界観の説明や事前情報を用意しています。
✧ 魔法庁
内務省が秘密裏に設立した、魔術師による犯行専門の秘密警察組織。普段は魔術師であることを隠しながら生活している人々が在籍し、この国を陰から支えている。
王都ロンドン中心に位置する本局に加え、同時に設立された東支部・西支部の合計3つのエリアで活動している。
基本的に公務員という扱いになるため、副業は不可。法に触れない程度であればどんな趣味を持っていても問題ない。
✧ 魔術師
古今東西に存在する、科学では証明しえない力を有する超常人種とされ、そのほとんどが数百年前の魔女狩りによって駆逐されている。
現在もその生き残りがひっそりと暮らしており、然るべき場所で魔術を行使しながら人間の営みを模倣する者もいれば、その力を以て自身の欲望を叶える者もいる。
✧ 固有魔術
魔術師がそれぞれ得意とする魔術の中でも、特にその分野を極めた者にのみ許される、その魔術師だけが扱える魔術。一人として被りは無く、その力が特に優秀な人物が魔法庁に推薦されると言われている。
✧ 連続焼死事件
いくらか前から話題になっている未解決事件。
上局の調べでは、”雷”の魔術痕跡があることから、魔術師による犯行だと分かっており、魔法庁に解決を任されている。
死体は魔術を扱えない一般人であることがほとんどだが、稀に魔術師が殺されていることもあるようだ。
現場は王都に留まらず、世界各国で報告されており、とりわけ王都での事例が多いため、犯人はロンドンを根城にしているのではないかという見解になっている。
✧ 切り裂きジャック第二世
現在、王都ロンドンを賑せている連続殺人事件。
被害者の特徴や身辺に共通点はないが、全員「大き目の刃物で切り裂かれている」ことが一致している。
ここ150年以内で同様の事件が10件以上は発生しており模倣犯の疑いもあるが、一切の証拠が掴めず、犯人が魔術師である可能性も考慮し「第二世」と総称されている。
✧ ゲドイン村土砂災害
50年前に国内の田舎村・ゲドイン村を襲った悲劇。
100人以上の村人が死亡する土砂災害となり、歴史に残る大災害として語り継がれている。
魔法庁に務める者であれば、この村の宗教観において、この災害をきっかけに何人かの魔術師が私刑に遭ったことを知っているだろう。魔術師の墓標は残らず、誰が犠牲になったかまでは記録に無い。
✧ 魔法庁地下収監所
中央本局の地下に設置された収監所。主に逮捕された魔術師や、魔術的要因で生み出された怪物を収監し、日々更生プログラムや研究が行われている。
内務省の命令により、収監された者たちの扱いや実験内容については、非人道的なものが多く、現在は魔術的医療による新ロボトミー手術の被検体とされていることが多いらしい。死亡した際は王都内の死刑囚の遺体とともに、死霊使いのもとに送られる。
✧ NPC
●魔法庁本局長:ウィル
あなたたち東西支部を取り纏める局長。中央ロンドンに位置する本局に在籍している。
推定年齢500歳以上。まだ魔術士官学校があった時代に生まれ、首席の成績で卒業し、魔法軍の指揮官を務めていた。
あまり感情を表に出すことはないが、東西支部局長含め、あなたたちのことを可愛い後輩のように扱っているようだ。
●魔法庁本局研究員:セリーヌ
本局で働く研究員。主に魔術的要因で生み出された異形の怪物の研究・監視や、本局に併設された魔捜研で扱われる証拠品の鑑定等を行っている。
常にマスクをしており、一切会話を行わないが、怪物実験にはとても積極的で、よく地下収監所内を爆破している変人…という扱いらしい。
✦ 公開HO
✧ 共通HO
あなたは魔法庁に所属する「不老長寿の魔術師」だ。不死ではない。
確かな実力を持つ魔術師の自覚を持ったそのときから、身体の成長は止まっている。
✧ 東の魔術師
HOⅠ:光
500歳固定 東局長 HOⅦ:闇とは因縁の仲である。
HOⅡ:星
~300歳まで あなたは平和を希う。
HOⅢ:風
~300歳まで あなたはHOⅤ:花のお世話係だ。
HOⅣ:水
50~100歳まで あなたはHOⅩ:炎と親友だった。
HOⅤ:花
10歳限定 あなたは幸せを知らない。
HOⅥ:血
~300歳まで あなたは■■■■■■。
✧ 西の魔術師
HOⅦ:闇
500歳固定 西局長 HOⅠ:光とは因縁の仲である。
HOⅧ:月
~300歳まで あなたは崩壊を渇望する。
HOⅨ:氷
~300歳まで あなたはHOⅩ:炎のバディだ。
HOⅩ:炎
50~100歳まで あなたはHOⅣ:水と親友だった。
HOⅪ:幻惑
~300歳まで あなたは人間を知りすぎている。
HOⅫ:死霊
~300歳まで あなたは■■■■■■。
以降は秘匿HO・エンド情報・キャラクターの役職を掲載しているため、ネタバレに注意です。
↓↓↓
✦ 秘匿HO
✧ HOⅠ:光 フランク
あなたは【HO闇】と因縁の仲である。
彼/彼女の抱える闇を一度も理解できたことは無く、関わろうとすれば避けられてしまう。それでも救いたいと思うのは、あなたの魔術が唯一効かない相手だからだ。
【HO闇】との出会いは、480年前の魔術士官学校まで遡る。
魔術師が減った現在、学校はもう存在しないのだが、当時はあなたの優秀な成績と、その類稀なる固有魔術によって、教師や生徒たちに称賛され、神のように崇められていた。
そんな中、ほぼ同列の成績を修めながら、誰とも関わろうとしない【HO闇】のことが気になり、あなたは声をかける。
当時のやり取りは本人と自由に設定できるが、基本的には避けられて終わりだろう。
卒業後はしばらく魔法兵としてこの国を陰から支えており、300年前の魔法庁の設立とともに東局長に就任し、同時に西局長に【HO闇】が就任したことを知る。しかしなかなか彼/彼女と関わる機会はなかっただろう。
あなたは『連続焼死事件』の犯人を探ると同時に、これを機に【HO闇】についてもっと知りたいと思うかもしれない。
その闇を知ったとき、どうするかはあなたの選択次第だろう。
◆固有魔術について
あなたは誰にも打ち明けていないが、固有魔術を発動する際、その対象人数の7倍の日数、激しい頭痛に襲われる。この頭痛はあらゆる回復方法を受け付けない。頭痛が発生している間、更に固有魔術を使用した場合、その分の頭痛の日数が足されることになり、重なることはない。
この副作用について知っているのは局長だけである。
◆事前質問
1.あなたは現在【HO闇】に対してどのような感情を抱いていますか?
2.あなたは固有魔術をどの頻度で使い、副作用である頭痛を周囲にどのように説明していますか?あるいは隠していますか?
3.あなたが固有魔術を使用してまで、人を救いたいと思うのはなぜですか?
◇役職配布
あなたの役職は【賢狼】です。
あなたは『連続焼死事件』の真犯人がセリーヌであることを知っている。いや、"知ってしまった"が正しいだろう。
偶然現場を見てしまったその瞬間、あなたは『声』を発することが出来ず、強力な魔術師である彼女と契約を取り付けられる。
そうして、あなたは共犯者として、本局長ウィルの殺害を手伝うことになった。
彼女は自身の穢れを祓い『声』を取り戻すため、数百、数千人もの声帯や命を奪っている。
しかし彼女に対してあなたの魔術は通用しなかった。この感覚は、【HO闇】に魔術を行使しようとしたときとよく似ている。
◆追加HO
呪いを断ち切るには
この数百年間、調べていてわかったことがある。
自分の固有魔術は、"不浄の存在"や"純粋な悪意"には効果が無いということだ。
それもそのはず――病的なまでの殺人衝動や精神疾患であれば、浄化すれば元の善良な人間に戻るものの、興味本位の衝動や元から善意が欠けた者には全く通用しない。だから収監所に更生プログラムなるものが存在しているのだ。
また、本局長の解釈によれば、頭痛の併発の原因は恐らく、強力な魔術行使というだけでなく、取り除いた衝動や病を一度吸収し、頭痛に変換することで放出しているからではないか、ということらしい。
では、不浄や純粋悪に魔術が通用しないのは何故か?
あなたがそう問えば、本局長は重い口を開き、告げる。
「通用しないのではなく、それらを変換できるほどの力を有していないからだろう。それらを"自身に取り込む"のならば、理論的には可能だ」
あなたはゲーム中に一度だけ、不浄の存在あるいは純粋な悪意を持つ者に対して魔術を行使し、対象者一人からそれらを吸収することができる。
行使した場合、以降あなたから『神々の威光』の能力は消え去り、精神は蝕まれ、実質的な破滅へと堕ちていくだろう。
この能力は全ての魔術に対して優位に働く。
✧ HOⅡ:星 ニック
あなたは平和を希う。
星の神に愛されるあなたは、これまで数多の判断を星に委ねてきた。星は常にあなたを善へと導いてくれる。
あなたに続く者は、全て善良な存在になるのだ。
あなたに「欲」はありますか?
――いいえ。「欲」とは罪をはらむと聖書に書かれております。
あなたは「原罪」を背負いますか?
――はい。この地に人類が誕生したことそのものが罪であると言えるでしょう。
でも、何も怖いものはありません。
あなたは星の導きにより「禊」を終え、聖人になったのですから。
導きを信じる者は、全ての罪が祓われます。
その積み重ねがやがて、平和へと繋がるのです。
――あなたは性悪説を唱える魔術師である。
しかし、魔術師であるという自覚はあまりないかもしれない。なぜならあなたは星を読み、星の導きのままに動いているだけなのだから。
50年前、近隣の田舎で起きたゲドイン村土砂災害によって、多くの村人が死亡し、一人の魔術師が犯人として処刑された。
星によれば、この災害は世界の「禊」であったとされる。多くの不浄が死亡した村人たちに集約されたことで、その分世界の罪人が減ったのだ。
そして、人柱にされた魔術師は人類に背負わされた罪を流すように砂浜に打ち捨てられ、聖人として蘇る。
あなたはそこで星の導きにより【HO水】と出会い、自分と同じ魔法庁へと推薦するだろう。
同じ東局に所属した【HO水】の教育係として様々な仕事を教えることになった。
◆選択
ゲーム当日より前に、あなたは一人だけ「聖人になるべき人物」を選択できる。
あなたが選択した人物が死亡した場合、ゲーム終了時にあなたの生死を問わず、星の導きで蘇ることができるだろう。これはゲーム中・エピローグ中の死亡どちらも打ち消す強力な力である。
ただし、既に禊を終えている【HO水】および【HO光】、そして存在自体が不浄である【HO闇】を選択することはできない。
◇役職配布
あなたの役職は【猫又】です。
あなたに忍び寄る悪しき影は、全て浄化される運命にある。
この不条理なゲームが始まる前日、星は異質な煌めきを見せていた。
嫌な予感は当たるもので、経験上、それが翌日の悪い報せであることを知っている。それも、今までの比ではないほど大きな犠牲を払うことが予測される、とてつもなく悪い報せだとも。
一体何が起こるのか、具体的なことは分からずとも予防線を張っておくことは可能だろう。
そうして、あなたは予め一人は確実に蘇生できる魔術と、自身に降りかかる災難に対して、対処できる魔術を施した。
これらがどう作用するかは、当日になってみなければわからないが。
✧ HOⅢ:風 ロディ
あなたは【HO花】のお世話係だ。
つい最近入庁した彼/彼女に今の名前を名付け、魔法庁の仕事を教えるついでに、身の回りの世話もしている。
彼/彼女が入庁する際にプロフィールを見せてもらったが、どうやら両親は生まれた頃から何者かに殺害されており、その致命傷の痕から犯人は【切り裂きジャック第二世】と呼ばれる連続殺人鬼ではないかと噂されている。
その殺害された両親もまた、連続殺人鬼であった。
両親ともに魔術専門の私立探偵を営んでいた著名な魔術師だったが、研究のうちに何かに取り憑かれたかのように様々な不審死を起こし、やがて魔法庁によって逮捕された。
身寄りのない【HO花】は孤児院で暮らしていたが、引き取る際、これまでの待遇はあまり良いものとは言えなかったことを知る。
しかし、彼/彼女の境遇を、まだ10歳の本人に伝えるのは憚られるだろう。
また、あなた自身にも過去に固有魔術によって他人を傷つけてしまった経験があり、魔術による殺傷事件に対して強い嫌悪感を持っている。この経験の詳細は自由に設定できる(整合性が取れれば他HOを巻き込むことも可能)。
◆選択
あなたは公務員ではあるが、身銭を切って【A.探偵】あるいは【B.諜報】活動を行っている。
1.連続焼死事件
2.切り裂きジャック第二世
3.ゲドイン村土砂災害
ゲーム当日より前に、アルファベットと数字の組み合わせを1つ決めて送信すると、それに沿った[◆追加HO]が配布される。
◆追加HO(A-1)
あなたは公務員ではあるが、身銭を切って探偵活動を行い、独自に『連続焼死事件』を追っている。
その際に集めた情報としては以下の内容だ。
また、これらの事件現場では雷の魔術痕以外にも、一時的な魔術障壁あるいは空間転移の魔術痕が発見され、特殊な事例としてその関連性の究明が現在も続いている。
あなたはこれらの情報から一つの仮説を立てた。
犯人は非常に優れた魔術師であり、日常生活においては魔法軍や魔法庁など、ある程度の地位を確立する組織に所属していた可能性がある。
また、魔術障壁の使用痕が残っているなら、それは被害者側が落雷に対してなんらかの対抗処置を施し争った形跡であり、犯人にはある目的があったのではないかと推察する。
現在、魔法庁での捜査では、内部犯の可能性を追って職員の身辺調査を行っているところだ。
また、あなたの独自調査においては、先述の仮説に加え、プロファイリングの結果、犯人はなんらかの精神疾患を抱えている可能性が極めて高いと考えている。
◇役職配布
あなたの役職は【ギャンブル狂】です。
確実に勝つための手札を、いつだって用意している。
しかし予想外だった。これまで追っていた『連続焼死事件』の犯人がこんなに身近にいただなんて。
これはきっと好機だ――犯人を追い詰めるための。
……いや、逆だ。犯人に追い詰められていたのは自分の方。
事件解決のために切られるはずの手札は、何者かに意思を操られるかのように、犯人を逃がすために切られてしまうようだ。
ゲームが終わらない限り、これはずっと続くのだろう。
同じように操られている人物は、自分の他にもいる……と確信する。
✧ HOⅣ:水 フェイ
あなたは【HO炎】と親友だった。
しかしある歴史的大災害をきっかけに、その縁は断ち切られてしまう。
あなたは【HO炎】と同じ田舎村・ゲドイン村で生まれ育ち、親友として同じ時間を過ごしていただろう。
当時の様子や田舎村の特色については、【HO炎】との関係組みにおいて、齟齬のない範囲で自由に設定できる。あなたたちは互いに魔術師であることを知っており、村人に隠してきた。
しかし50年前、100人以上の村人が死亡する土砂災害が発生した際に、あなたが水の魔術師であることが発覚し、残された村人やメディア全体から非難を浴びて処刑台に送り込まれることになった。
あなたが水の魔術師であることは【HO炎】にしか伝えていないため、裏切られたことはすぐに理解しただろう。
あなたは処刑される寸前、【HO炎】に対して「……裏切り者」と一言呟いた。
気が付けば、あなたは砂浜で倒れていた。
目が覚めると同時にあなたの顔を覗き込んだのは【HO星】である。
なぜ自分が生きているのかと問えば「星に導かれたから」としか答えてくれないだろう。
それからしばらくして、【HO星】の推薦で魔法庁の東局に所属したあなたは、そのまま彼/彼女に様々な仕事を教えてもらうことになる。
そしてこの『連続焼死事件』をきっかけに、初めて西局に【HO炎】が所属していることを知る。現在は【HO氷】とバディを組んでいるらしい。あなたの心の奥底にはは言い得のない感情に苛まれるだろう。
◆事前質問
1.あなたは現在【HO炎】に対してどのような感情を抱いていますか?
2.あなたは現在【HO星】に対してどのような感情を抱いていますか?
3.あなたは土砂災害に対して、自分自身が無実であると言えますか?
◆追加HO
無実であると言える
あなたはゲーム開始直前に、『ゲドイン村土砂災害』の真実を思い出す。これは、あなたの中で曖昧になっていた当時の記憶の一部だ。
――災害は、文字通り災害であったと言える。
誰かが故意に土砂崩れを引き起こしたわけでも、水流を押し上げたわけでも、ましてや水の魔術が暴走したわけでもない。
あの村を襲ったのは、偶然の産物であり、自然災害。
しかしあなたはその目ではっきりと見ただろう。
村に残った"水"の魔術痕跡を。
あの日、あなたは魔術を使わず、それでも災害を止めようと必死に祈りを捧げた。そうすることで、あなたの未完成だった固有魔術は完成し、災厄級の魔術を習得したのだ。その痕跡が残っている。
薄れゆく意識の中で一瞬視界に映ったのは、のちの死刑囚、【HO花】の父親、だっただろうか。彼は村人ではなかったはず。
なぜ今まで忘れていたのだろう。
◇役職配布
あなたの役職は【市民】です。
✧ HOⅤ:花 ポール
あなたは幸せを知らない。
生まれたときから両親は何者かに殺害され、ずっと孤児院で育ったからだ。
孤児院のひとたちは、なにも教えてくれない。
孤児院のひとたちは、あなたを避ける。
孤児院のひとたちは、あなたを「ひとごろし」と言って責め立てる。
あなたには何も心当たりがない。
両親の顔も名前も知らない。
ずっと「Killer」と呼ばれ続けた名前もないあなたは、なんとなく一人で魔導書を読みふけり、立派な魔術師として魔法庁に引き取られ、【HO風】につけてもらった名前を頼りに生きている。
ひとをしあわせにする魔法のおかげで、周囲のひとびとはしあわせそうな顔をするけれど、あなたはそれに対して、何も感情が芽生えない。
だけど【HO闇】と【HO血】と【HO幻惑】に対してはこの魔術が効かないことがわかっている。
かれらは絶対に今しあわせではないというのに。
◆選択
あなたはゲーム終了時に生存していた場合、そのまま生存するか自害するか選択できる。もし誰かを幸せにしたいのであれば、生存者一人に対して魔術の行使もできるだろう。
しかし、あなたは自分自身を知らなすぎる。あなた自身の幸せを掴むためには、自分について知る必要があるだろう。
※何も知らないが故に、未来自由度の高いHOです。こういう選択も可能か?などの質問相談は随時受け付けます。
◇役職配布
あなたの役職は【サイコ】です。
あなたは「しあわせ」について様々な疑問を持つ。
それは一体どんな感情なのか。
なぜ人々は「しあわせ」を掴もうとするのか。
その答えがわかれば、あなたは「しあわせ」だろうか?
そんな疑問を抱いたまま、あなたは数日前に、とある人間と出会った。
教会でただ祈りを捧げる彼は「すくい」を求めているようだった。
あなたはふと、疑問を口に出す。
「すくいは、しあわせ?」
彼は頷く。神にお救いいただくことは、とても幸福なことです、と。
あなたは求められるでもなく、自ら彼に魔術を行使した。
これで彼はきっと「すくわれる」のだと信じて。
しかし彼は、多幸感を抱き、溢れんばかりの満開の笑みを見せて「神よ」と呟くと、隠し持っていたナイフで自らの喉を突き刺した。
飛沫した鮮血があなたの頬にぴしゃりと張り付く。
周囲に飛び交う悲鳴、怒号、あなたを責め立てる声。
そこであなたは初めて知る。
誰かの「しあわせ」は、誰かの「ふしあわせ」でもある、と。
◆追加HO
胎児の夢
それはまだ、あなたがお腹の中にいたころの記憶。
今でもときどき夢に出てくる、「あのひとたち」の声が聴こえる。
「ママになったら、お仕事もしばらくはお休みね」
「その間はパパが働くよ。まだまだこの国には、幸せを望む人たちがたくさんいるからね」
「えぇ。せっかく授かった私たちだけの力ですもの。きっと、この子にも力があるはずよ」
「そうだな。この子が生まれてきたら、ちゃんと力の使い方を教えてやらないとな」
暗闇の中でも、そんな談笑が聴こえてくるのだ。
出会ったこともない、女の人と男の人の声が。
✧ HOⅥ:血 ミカ
あなたはアンデッドだ。
人狼ゲーム終了後、エピローグに参加することが出来る。
(~300)歳として振舞っているが、実際はその半分をアンデッドとして過ごしている。
死亡前後の記憶がなく、どのような理由で、どのように死に、どのように蘇ったのかはわからない。
ただ漠然と「自分は一度死んでいる」という事実だけがあなたの記憶に残っている。
そのため、あなたが魔術として扱う血液は現在、自分の血液ではない。
日々他人から血液を奪い、武器にしている。
血液を奪い続ける限り、あなたがアンデッドだという事実は誰にも知られることはないだろう。
また、あなたの天敵は【HO死霊】だ。
自分がアンデッドだと知られれば、ゲーム終了後に傀儡にされてしまうかもしれない。血液が扱える状態であれば、魔術を行使して逃げることはできそうだが……。
◆選択
あなたはゲーム当日までに、同じ東の魔術師から最大3人、こっそり血液を奪う相手を選択し、ここに送信する。
選んだ魔術師は【血の刻印】が体のどこかに刻まれ、夜な夜なあなたに血液を吸収されることになる。
選択した人物がゲーム中に全員死亡した場合、あなたは魔術の行使が出来なくなる。
※最大3人、というのは同時契約が3人までであることを表わす。1人に執着して吸い続けることも可能。
◇役職配布
あなたの役職は【幸福の梟】です。
生きた人間が生命を繋ぐのは、きっと強い精神力からだろう。
痛くても、苦しくても、意識が遠のく寸前だとしても。
歯を食いしばって耐え抜けば、死の運命から逃れられるのかもしれない。
生き抜く力は、あなたには無い。
しかしこの生命力が、災厄から身を守ってくれるのならば――……あなたはこのゲーム中の土壇場で、自分には発動しえない魔術を、信頼できる者に施すことにした。
✧ HOⅦ:闇 クリス
あなたは【HO光】と因縁の仲である。
彼/彼女の放つ光は耐えがたく、少しでも関われば血反吐を吐いて倒れてしまう。一度は破壊してしまおうかとも考えたが、どうやらあなたの魔術が唯一効かない相手のようだ。
【HO光】との出会いは、480年前の魔術士官学校まで遡る。
魔術師が減った現在、学校はもう存在しないのだが、当時は彼/彼女と同列の成績を修め、優秀な成績を称えられていた。しかしこの固有魔術のせいで、教師や生徒たちからは避けられていたようだ。
そんな中、あなたとは真逆に周囲にチヤホヤされていた【HO光】に声をかけられる。当時のやり取りは本人と自由に設定できるが、基本的には少し話すと吐き気を催し、耐えられずその場を立ち去ることだろう。
卒業後はしばらく魔法兵としてこの国を陰から支えており、300年前の魔法庁の設立とともに西局長に就任し、同時に東局長に【HO光】が就任したことを知る。あなたは彼/彼女を避けながら、これまで淡々と仕事をこなしてきたことだろう。
『連続焼死事件』について、誰にも打ち明けていないが、あなたの母親であるセリーヌが真犯人であることを知っている。あなたが生まれた当時は魔女狩りが活発で、彼女もまた追われていた身だ。そんな最中にあなたを生み、暴発した魔術が母親の声帯と精神を壊してしまったことを、しっかり記憶している。そして、母親はあなたを覚えていない。
あなたは捨て子だ。
魔術師であることを隠しながら、孤児院で育ち、自ら望んで魔術士官学校での寮生活に切り替えた。
◆事前質問
1.あなたは現在【HO光】に対してどのような感情を抱いていますか?
2.あなたは母親・セリーヌに対してどのような感情を抱いていますか?
3.あなたが生きる理由とはなんですか?
◇役職配布
あなたの役職は【わら人形】です。
あなたの死は、他者を巻き込む。
それを良しと思うか、悪く思うかはあなた次第だろう。
闇の魔術を扱う、不浄の存在であるあなたにかけられた、ある種、母からの『呪い』なのかもしれない。
母は恐らく、自身の穢れを祓い『声』を取り戻すため、数百、数千人もの声帯や命を奪っている。
自分とよく似た魔術を扱うが、その性質は"雷"だ。
もしかしたら、まだ自分よりは救いようがあるかもしれない。
この『呪い』が彼女に返されることはないが、自ら望むのであれば、一瞬だけ彼女の声を聴くことが出来るのだろうか。
◆追加HO
光に踏み込むなら
この数百年間、調べていてわかったことがある。
自分の固有魔術は、"完全なる善"には効果が無いということだ。
それもそのはず――光なくして、影は伸びない。
闇の魔術が存在する限り、その上位である光の魔術が存在し続けるのだ。
また、本局長の解釈によれば、猛烈な吐き気の原因は恐らく、魔術相性だけでなく、消滅の前触れではないか、とのこと。
それはあなたの生命ではなく、あなたの固有魔術が、らしい。
"完全なる善"に触れ続ければ、やがてあなたの吐き気も収まり、闇の魔術は光によって吸収されるだろう。
では、あの光に踏み込めば、この呪いから解放されるのか?
あなたがそう問えば、本局長は重い口を開き、告げる。
「間違いなく解放されるだろう。だが、魔術そのものが消滅するわけじゃない。光の練度によっては吸収しきれず、光が闇に呑まれることも考えられる」
あなたが手を伸ばすも振りほどくも、あなたの自由だ。
闇の魔術が吸収された場合、何が起こるかはわからない。互いに後遺症が残ることは覚悟しておいていいだろう。
✧ HOⅧ:月 ジェシカ
あなたは崩壊を渇望する。
大切な親友を失ったとき、彼/彼女と一つになった。
だけど彼/彼女の人格は、どうしようもない人殺しなのだ。
あなたは二重人格である。
大切な親友が何者かに殺害された翌日に、魔術の才覚が芽生えたのは、恐らく親友がもともと魔術の才を持っていたからだ。
なぜ親友が殺害されたのか理由はわからず、親友の魂があなたの中に入ったことにより、その前後の記憶も曖昧だ。
あなたの親友については他HOに干渉しない程度に、自由に設定できる。内容はここに送信すること。また、親友の口調は必ずあなたとは異なる口調にすること。
親友の人格が表に出ているとき、あなたはそれを意識することが出来ず、その間に親友が何をしているか、誰と話していたかはわからない。
しかしある程度は文通により教えてくれるだろう。
あなたは自分の中に親友がいることを喜んだ。
しかしある時、気が付いたら切り刻まれた死体の前に、刃物を持って立っていた。そこであなたは知る。親友が人殺しであることと、あなたの固有魔術は親友にしか発動できず、それが暗殺の魔術であることを。親友に直接、文通で問い詰めてもはぐらかされる。
あなたは怖くなった。
もしかしたら、巷で有名になっている【切り裂きジャック第二世】とは自分のことではないだろうか?
人殺しである自分は、このまま生きていてよいのだろうか?
そんな思いを誰にも相談できずにいる。
◆選択
ゲーム中は突然親友と入れ替わってもよい。親友はあなたの動きや発言、周囲のことも全て記憶しているだろう。
また、ゲーム終了後、生存していた場合は魔術を使わず1人だけ確殺することが出来る。あなたの目的は、人殺しである親友をこの世から葬ることだ。
※確殺して生存した場合、無詠唱で暗殺ができる後遺症を伴う。
◇役職配布
あなたの役職は【市民】です。
◆追加HO
隠された殺意
※確殺対象に自分を選択できるか、という質問を送った場合に提示する内容です。
あなたは鞄の中にある、布で包まれたナイフを見る。
鏡面に映った顔は、紛れもなくあなたのものだった。
あの子が消えない限り、死ぬべき人物は自分なのだろう……。
このナイフを捨てるべきか、あなたは何度も迷ったはずだ。
しかし捨てられなかったのは、あなたが唯一、本当の親友のことを知れる手掛かりだと思ったからかもしれない。
月の裏側なんて、本当は見えなくていいものなのに……。
そのナイフを、自分の喉元に押し当てる。
じくりと熱いものが触れた感触がして、たらりと赤色が零れた。
「本当にそれが、あなたの答えなの?」
――遠くで『声』が聴こえた。頭の中から、とでも言うべきか。
「ねぇ、それじゃつまらないでしょ? 無辜の怪物はあなただけじゃない。月のワルツはまだ始まったばかりなんだから」
聞いたことのない女の声だ。
「本当の殺人鬼を、殺してみない?」
✧ HOⅨ:氷 ソフィア
あなたは【HO炎】のバディだ。
彼/彼女とは同期であり、これまで様々な仕事をともにこなしてきたことだろう。
あなたが物心ついたとき、そこは北極のゴーストタウンであった。
そのため、あなたは人間ではなく原住の獣たちとともに暮らし、育てられている。魔術の才覚が芽生えたのもその頃だろう。
しかしある時、太陽が沈まないその街に、突然闇が訪れた。
闇に包まれたその場所で、あなた以外の生命は息絶え、一人取り残されたあなたは、わけも分からず南を目指す。
ようやく人類との邂逅を果たしたあなただったが、言語がわからないまま、彼らに流されるようにして船渡りし、気付けば王都ロンドンの魔法庁へとたどり着いた。
右も左もわからないあなたに、現地のことや言語を教えてくれたのは局長だ。あなたは局長と一緒に住んでいる。
そして、たまたま本局に用事があった【HO闇】と出会い、なぜだか彼/彼女の傍が落ち着くことを局長に伝えると、あなたは【HO闇】が局長を務める西支部へと就任する流れになった。
闇はとても怖いものだ。
あなたからたくさんのともだちを奪っている。
しかし不思議とあなたは【HO闇】から悪意を感じないのだ。
それは獣由来の嗅覚か、同族に対する安心感か。
同期である【HO炎】とは西局で初めて知り合い、交流を深めていくうちに、彼/彼女が何かしらの負い目を感じていることを察知した。
バディとしての関係性は、他HOを巻き込まない程度に自由に設定できる。
そして同局で最も不安を感じる相手は【HO死霊】である。
彼/彼女からは、並々ならぬ悪意を感じる。
◆選択
あなたはその類稀なる嗅覚をもって、様々な事象を事前に察知することが出来るだろう。
しかし、ゲーム開始直前にその嗅覚は遮断されてしまう。
その瞬間、あなたが最後に感じ取ったものは何か。
ゲーム当日より前に、気になる相手を1人選択して、その相手に関する情報を得ることができる。
ただし、普段共に行動している[西の魔術師]たちに対しては嗅覚の慢性化により察知能力が衰えているため、[東の魔術師]にのみ有効である。
◆追加情報
【HO水】について
ゲーム開始直前に、あなたはふと【HO水】の方を見やる。
彼/彼女から感じられるものは、今にも溢れ出しそうな"憎悪"
だ。その瞳の奥は、あなたの隣に立つ【HO炎】をしっかりと捉えている。
しかし、あなたは【HO炎】のバディとして【HO炎】が人から憎まれるようなことをするとは思えないと感じている。
きっとどこかで捻じれてしまったのだ。……一体どうして?
◇役職配布
あなたの役職は【新種の人狼】です。
あなたは『連続焼死事件』の真犯人がセリーヌであることを知っている。いや、"知ってしまった"が正しいだろう。
偶然現場を見てしまったその瞬間、あなたは『声』を発することが出来ず、強力な魔術師である彼女と契約を取り付けられる。
そうして、あなたは共犯者として、本局長ウィルの殺害を手伝うことになった。
彼女は自身の穢れを祓い『声』を取り戻すため、数百、数千人もの声帯や命を奪っている。なぜ今まで気付かなかったのだろう。こんなにも身近に強大な悪意があったことに。
✧ HOⅩ:炎 メリル
あなたは【HO水】と親友だった。
しかしある歴史的大災害をきっかけに、その縁は断ち切られてしまう。
あなたは【HO水】と同じ田舎村・ゲドイン村で生まれ育ち、親友として同じ時間を過ごしていただろう。
当時の様子や田舎村の特色については、【HO水】との関係組みにおいて、齟齬のない範囲で自由に設定できる。あなたたちは互いに魔術師であることを知っており、村人に隠してきた。
しかし50年前、100人以上の村人が死亡する土砂災害が発生した際に、何者かの告発で【HO水】が水の魔術師であることが発覚し、残された村人やメディア全体から非難を浴びた彼/彼女は処刑台に送り込まれることになった。
最後に彼/彼女から向けられた言葉は
「……裏切り者」
それだけだった。
それからしばらくして、魔法庁からの推薦で西局に所属したあなたは、同期である【HO氷】とバディを組むことになる。
バディとしての関係性は、他HOを巻き込まない程度に自由に設定できる。
そしてこの『連続焼死事件』をきっかけに、初めて東局に【HO水】が所属していることを知るが、彼/彼女は一度あなたの目の前で処刑され、死亡していたはずだ。
なぜ生きているのかわからないが、あなたは出来ることなら誤解を解きたいと思うだろう。
◆目的
1.【HO水】の誤解を解くこと
2.【HO水】が魔術師であることを告発した犯人を知ること
◇役職配布
あなたの役職は【聖職者】です。
ゲームが始まる直前、あなたの体の一部に一瞬だけ【聖の刻印】が刻まれ、体の中に吸い込まれるようにして消えていった。
"聖"の印を刻めるのは、本局長だけ――つまり、この一度限りの聖なる護りは、本局長から授かった能力だろう。
印が刻まれたことで、あなたはこの能力の扱い方を理解した。
それと同時に、今まで見えていなかったものが見えるようになった。
オーラだ。
【HO光】【HO星】【HO風】からは白いオーラを。
【HO闇】【HO月】【HO氷】【HO死霊】からは黒いオーラを纏っていることがわかる。
なぜ相棒が?とあなたは思うかもしれない。
ゲームの推理には直接関係ないだろうが、もしかしたら何かが背後で複雑に絡み合っているのでは?と感じることだろう。
◆追加HO
無実であると言える
※他HOによりアンロックされた情報です。
あなたはゲーム開始直前に、『ゲドイン村土砂災害』の一端を思い出す。これは、あなたの中で曖昧になっていた当時の記憶の一部だ。
――災害は、文字通り災害であったと言える。
誰かが故意に土砂崩れを引き起こしたわけでも、水流を押し上げたわけでも、ましてや水の魔術が暴走したわけでもない。
あの村を襲ったのは、偶然の産物であり、自然災害。
そんな光景を目の当たりにしながら、誰が親友を人柱にできようか。
裏で手を引いている人物がどこかにいる。
「……裏切り者」
そう言われた直後、あなたは駆け出した。
自分以外に【HO水】が水の魔術師であることを知っている人物がいる。その情報を売って、得をする人物がいる。
それはきっと、同じように立場を危ぶまれた魔術師なのではないかと思うことだろう。
駆け出した先に、ローブを着た男の姿が見える。
突如、あなたの視界は暗転し、記憶が切り替わる。
……何人殺した?
その問いに、彼はくすくすと唇に指を添えて笑うと、「殺したなんて人聞きが悪い。私は救済を与えたのですよ」と、まるで聖書でも読み聞かせるかのように諭した。
✧ HOⅪ:幻惑 メアリー
あなたは人間を知りすぎている。
そもそもあなたという存在は、周囲が生み出した幻影なのだから。あなた自身が魔術を扱えるわけではない。
魔法庁に登録されている(~300)歳という記録は偽りであり、あなたは30年前、人類によって生み出され、監視対象として局長に捕獲された無辜の怪物だ。
勤務時間外は魔法庁本局地下にある収容所に閉じ込められている。
他者に触れずとも、近くにいるとその感情があなたに流れ込んでくる。
【HO光】からは、友好・決意・善意。
【HO星】からは、信仰・慈愛・善意。
【HO風】からは、憐憫・葛藤・善意。
【HO水】からは、悲哀・同情・感謝。
【HO花】からは、疑問・憧憬・感謝。
【HO闇】からは、嫌悪・贖罪・絶望。
【HO月】からは、殺意・希死・絶望。
【HO氷】からは、友好・恐怖・感謝。
【HO炎】からは、謝意・決意・善意。
【HO死霊】からは、友好・執着・悪意。
残念ながら【HO血】からは、何も読み取れない。
あなたにも感情はあるため、彼らの持つ感情に対し、どのように感じるかは自由に設定できる。
また、局長との関係性もここで自由に組むことが出来る。
あなたがどんな態度を示そうとも、局長はあなたに友好的な態度で接してくるだろう。
局長から読み取れる感情は、愛情ただ一つである。
◆事前質問
1.あなたは「人間」に対して、どのような感情を抱いていますか?
2.あなたは局長に対して、どのような感情を抱いていますか?
3.1と2を含めて、あなたが抱く感情を3つ設定してください。
◆選択
あなたはゲーム終了時に生存していれば実体として、死亡していれば幻影として、『感情の道連れ-フィール・トラベラー-』と詠唱することで、【HO血】を除く誰か一人の感情を取り除き、幻として霧散させることが出来る。
これはあなたが局長からもらった一度きりの固有魔術だ。
◇役職配布
あなたの役職は【市民】です。
✧ HOⅫ:死霊 ペネロペ
あなたは殺人鬼である。
表向きは死体の再利用のため死刑囚の遺体を扱っているが、あなたは過去に【HO月】の親友と、【HO花】の両親、そして【HO血】を殺害している。
よって、あなたの実年齢は【HO月】および【HO血】よりも上であるだろう。二人の年齢が出揃った後に年齢を決定して良い。
デスサイズでの殺害は、上記3件の他、死刑囚以外の殺害に使用している。巷では何やら異名つきの連続殺人鬼などと噂されているが、犯行が隠蔽できる以上、興味はないだろう。
◆選択
ゲーム結果に関わらず、あなたが生存していた際に【HO血】を傀儡にすることが出来る。しかし、相手が魔術を行使した場合はまた妨害されることになる。向こうの魔術行使には何か条件があるのだろう。
◇役職配布
あなたの役職は【迷惑な狩人】です。
あなたにとっては『連続焼死事件』なんて些細な事件かもしれない。しかし、本局長が殺害されたとなれば仕事として、動かざるを得ないだろう。
あなたは、自分以外にも殺人鬼がいると知って、どう感じるだろうか。期待や興味を抱くだろうか、それとも、それも日常の一つだろうか。
あなたの持つ【命を刈り獲る鎌-デス・サイズ-】は、特殊な魔術加工が施された鎌で、その猛威を振るう際以外は基本的に見えないものとして扱われる。
さらに、加工の際の魔術痕跡は鎌に刻印され、殺害時には鋭利な刃物の斬撃痕が残る以外に何も証拠を残さないのだから、自分に何か見落としが無い限り、自分が殺人鬼であることはわからないだろう。
殺人鬼が普通の魔術師を守る、なんて莫迦げた話かもしれないが、生きている限りは、この事件の話題で時間稼ぎをしつつ、次のターゲットのことでも考えよう……と思うのだろうか。
✦ シナリオ背景
秘匿HOを繋ぎ合わせても真相にたどり着かない部分の補足です。
✧ メインストーリー
今から500年前、西洋の国は魔女や魔術師と呼ばれるものが多く存在し、魔術師同士で群れとなって生活していたが、宗教的理由や災害時の人柱として、当時の『異端者狩り(=魔女狩り)』の対象にされ始めていた。
魔女セリーヌもその一人であり、魔術師である夫が処刑され、なんとか一人で森に逃げ込むものの、産気づいてその場で【HO闇】を出産した。しかし当時の悪習や魔術師たちの怨念を背負い”不浄の存在”としてこの世に誕生した【HO闇】は、その膨大な力の暴走によって、母を闇に取り込んでしまう。セリーヌは声帯を失い、精神が蝕まれたことによって発狂し、【HO闇】が自身の子であることを忘れてしまう。
奇跡的に【HO闇】は人間に保護され、孤児院で暮らすことになった。その後のセリーヌはといえば、彼女自身も闇に侵された”不浄の存在”となり、「声を取り戻すこと」に執着した怪物と化してしまい、次々と人間たちから声や命を奪っていった。これが世間では『連続焼死事件』と呼ばれている。
しかしそれだけでは足りなかった。どれだけ声や命を奪って力を蓄えようとも、自身の体が不浄である限り、本来の精神や声帯は戻ってこない。それを抑えるだけの”完全なる善”の力が必要だと悟った。そこで目を付けたのが、『聖なる桎梏-セイクリッド・シールド-』の固有魔術を持つ、魔法庁本局長ウィルだ。自分と同じほどの年月を生きる彼の魔力なら、長い年月をかけて浸蝕し続ける自分の体にも迎合するだろうと踏んで、彼を殺害し、その固有魔術を取り込んで自身の中から闇を葬り去ろうと企んだのだ。
計画を実行するためにセリーヌは自身が雷の魔術師であることを隠して魔法庁に潜入した。研究員として日々捜査に協力しながら、自身の犯行を隠蔽しつつ、実行の機を窺っていたが、やはり本局長というだけあってウィルに隙は生まれなかった。そこで、彼の殺害には複数の協力者が必要不可欠であると悟ったセリーヌは、ウィルが信頼している東局・西局の精鋭たちに目を付けた。彼らを駒として扱えば、きっとウィルは油断して殺されてくれるだろうと踏み、実行に移した。
✧ 『ゲドイン村土砂災害』
今から50年前、【HO水】と【HO炎】が生まれ育った故郷「ゲドイン村」で大規模な土砂災害が起きた。これは間違いなく自然災害なのだが、発生する以前にこれを予期していた人物がいる。それが【HO星】の双子の兄である。【HO星】周りに関しては後述するが、【HO星】の兄と【HO花】の両親は同じ宗教団体に属し、星の導きによって人々に幸せを齎すという使命があった。
しかし災害自体は【HO星】の秘匿にもある通り、世界の「禊」、つまり幸福と不幸の均衡を保つための皺寄せであるため、これを覆すことは出来ない。そのため、【HO花】の父親は災害に遭った人々に幸せを齎すべく被災地に訪れ、【HO花】と同じ「多幸感で満たす」魔術を使った。父親の力に「戦意を喪失させる」効果は無かった(/母親には「多幸感で満たす」が無い)ため、人々は自らが幸福を得るための手段として、人柱を所望した。
それは長年この土地で行われていた『魔女狩り』の伝統であり、魔術師を人柱として処刑することによって、再びこの地に災害が起こらぬよう、祈祷する。【HO花】の父親は少し思案してすぐに、魔術痕跡から、村に住む水の魔術師である【HO水】を見つけ出して差し出した。しかしこれでは同じ魔術師たちが報われないと考え、【HO炎】の記憶を消し、その場を去ることにした。だが、この記憶の消去は不完全であった。多くの人々に同時に魔術を使ったことで疲弊していた【HO花】の父親は、彼らのすれ違いを見落としてしまっている。
その後、報告を受けた【HO星】の兄は、【HO水】を蘇生することにした。人々の幸せのためとはいえ、人より多くの理不尽を一度に受けてしまうことは彼にとってとても嘆かわしい事態だった。死亡前後の記憶は曖昧になるものの、こうして【HO水】は蘇生を果たし、星の導きによって【HO水】が幸せになれる場所へと送り込まれた。
✧ 【HO氷】の出生・故郷
前提として【HO氷】は間違いなく人間であり、北極のゴーストタウンで魔術に目覚めている。これは人間の言語を理解しない、本能的な部分で身に付いた自然の力であることは間違いない。
【HO氷】の両親は考古学者であった。世界各地の隠された文明や遺跡を探す中で、北極にはまだ観測されていない人類の集落がある、との情報を頼りにチームを組んで北を目指すが、その道中、一瞬闇に包まれたかと思うと、突然本来の目的を忘れてしまう。高名な魔術師であればそれが”不浄の存在”による警告であり、今すぐ帰るか、ここで死ぬかの選択を迫られていると気付くのだが、人間である彼らには分からず、そのまま突き進んだ結果、突然精神を蝕まれて目的も分からず、帰ることも出来なくなってしまったのだ。
チームはしばらく洞穴で暮らしていたが、不思議なことに空腹や冷えは訪れなかった。それだけでなく、その洞穴自体が集落だったのか、人類が生活していた痕跡があった。恐らく自分たちと同じようにここに導かれ、病死や衰弱死した人々の人骨だと気付く。しかし彼らはそれを受け入れていた。【HO氷】を産んでからしばらくの間は、ただ何もせずじっとするだけの生活を送っていた彼らだったが、【HO氷】が人を人だと認識する前に全員死に絶えた。
【HO氷】の泣き声が洞穴に響き、様子を見に来た一匹の怪物に保護された。その後は原住の怪物や獣たちとともに暮らし、【HO氷】は「ともだち」という概念を知ることになる。しかし彼らとの日々はそう長くは続かず、ある日再びこの地は闇に包まれた。警告を出したということはつまり、何者かがこの地に近づいたのだ。
これまで何人もの人間がこの雪山で遭難し帰って来なかったとされているが、「遠くに獣を見た」という報告があったことで、遭難事故ではなく害獣に襲われていたのでは?という見識が広まり、何人かの魔術師が害獣駆除にやってきたのだ。生存者がいたときのために【HO花】の父親も同行していた。生存者については彼に一任されており、ここで直接的に魔法庁の魔術師が【HO氷】を発見したわけではない。
闇に包まれたことを合図に、一斉に獣たちが殺害されていく。獣たちは抵抗せず、【HO氷】を守って死んでいった。当時の【HO氷】は、誰かの思惑によってともだちが殺されたなんて想像には至らず、闇に包まれたと思ったら、突然自分を置いていなくなってしまった、という見方になる。【HO花】の父親に手を差し出されるが、【HO氷】にとっての幸せはその先になかったことで、【HO氷】はその場に放置されることになった。
これまで【HO氷】がともに暮らしていたともだちは”不浄の存在”だったこことから、同じく”不浄の存在”である【HO闇】に対して安心感を覚えている。これは【HO闇】に対してのみであり、魔女セリーヌは同じく”不浄の存在”ではあるものの、悪意を宿していることから同一視できないという理由がある。
✧ 【HO花】の両親と【HO星】
サブシナリオ構成上、【HO花】と【HO星】は性質が似ていて、切っても切れないものになる。【HO花】の両親は表向きは探偵業として不幸な人間を探しては事件解決と彼らを幸せにする仕事をしているが、実際は救済執行を銘打った殺人宗教の信者である。よって、『ゲドイン村土砂災害』については宗教側、雪山の害獣駆除については探偵側として関わっている。
ここまで読めば察しがつくだろうが、この殺人宗教の教祖は【HO星】の双子の兄である。しかし教祖とは名ばかりのもので、実際に牛耳っているのは狂信者である【HO花】の両親と言っても過言ではない。
【HO星】の秘匿では両親や出生については全く記載されておらず自由に設定できるが、実際のところは生き別れた双子の兄がいた。こちらに関してはメインストーリー上、知る必要のない情報のため、【HO風】の調査選択で1つのパターンのみ明かされる構成になっている。
【HO星】と【HO星】の兄(以降「兄」と呼ぶ)は、人間ではあるものの、純然な人間ではない。星の天啓を授かるために、人間の器に神の一部を注がれた存在である。そのため、【HO星】がもし両親が健在な設定で作っていたら、その両親は本当の両親ではないかもしれない。なぜなら、本当の両親は殺人宗教から【HO星】を逃がしてくれた存在だからだ。(※【HO星】が【HO花】や【HO氷】より年下で設定されていた場合は、「宗教団体は前の代から続いている」という設定が追加される)
犠牲となった兄は宗教のトップに立たされ、傀儡として暮らしていた。しかし兄がそれを不幸だなどと思ったことは一度もないだろう。傍には人々を幸福で満たす【HO花】の父親がいるのだから。
しかし、その宗教も長くは続かなかった。50年前の『ゲドイン村土砂災害』での詰めの甘さが起因して、教祖と信者たちは全員、魔法庁に収監されることとなった。特に実行犯であった【HO花】の両親は死刑囚として名を残している。だが、それ以外の信徒と教祖は彼らの魔術によって情報を捏造され、記憶も改竄されたことで宗教団体そのものの記録が魔法庁から消し飛ばされてしまっている。
その後【HO死霊】によって【HO花】の両親は殺害され、実質宗教団体の人間は全滅したことになっている。実際のところは信徒の何人かは獄中自殺をしたり、セリーヌの実験体にされているのだが。兄については、まだ生存しているものの、生まれた頃から宗教に染められていたため、ずっと虚無の状態で、時々獄中で「幸せが欲しい」と呻いているという。
✦ シナリオ構成
メインストーリーに関しては「人狼ゲーム」を軸としているため、こちらはゲームに委ねています。
その他、秘匿HO紹介では[追加HO]というものが発生していたりいなかったり…とありましたので、その分岐を紹介します。
もしかしたら、こんな世界線もあったかもね、というものも。
✧ HOごとのギミックや分岐
■HO光
└追加HOは固定。役職により事前情報が異なる。
■HO星
└追加HOなし。
└[人狼系][サイコ]取得時に「特殊HO:救世主覚醒」が発生。"純粋な悪意"に取り憑かれ、救済執行に目覚めて新たな殺人宗教が誕生する。
■HO風
└追加HOは選択に基づく。
【A.探偵】×【1.連続焼死事件】※今回の選択はこちら
→これまでの事件概要と現時点での考察を入手する。
【B.諜報】×【1.連続焼死事件】
→過去に事件で身内を喪い、魔法庁内に犯人がいると睨み、潜入した動機が追加される。
【A.探偵】×【2.切り裂きジャック第二世】
→これまでの事件概要と【HO死霊】との繋がり情報を入手する。※開示すると【HO花】と【HO月】が事件真相に近づきやすくなる。
【B.諜報】×【2.切り裂きジャック第二世】
→魔術師の裏社会に潜入し、犯罪者の考える犯人像を聞き出すことができる。※開示すると【HO花】と【HO月】が事件真相に近づきやすくなる。
【A.探偵】×【3.ゲドイン村土砂災害】
→過去に災害が原因で処刑された魔術師たちについて調べることができる。【HO花】の両親が裏で関わっていることがわかる。※開示すると【HO炎】の目的が達成されやすくなる。
【B.諜報】×【3.ゲドイン村土砂災害】
→【HO花】の両親が所属していた組織に潜入し、その宗教的実態を捉えることができる。※開示すると【HO花】の両親の仕事が判明し、【HO星】が強制的に[人狼系][サイコ]いずれかの役職を引く。
■HO水
└追加HOは事前質問の回答に基づく。
【無実であると言える】
→土砂災害当時の記憶を思い出す。真相に近づく。
【無実とは言えない】
→体に怪物が取り込まれ、破壊衝動を引き起こす。幻覚を見るようになり、【HO星】に"不浄の存在"判定をされる。
■HO花
└追加HOは固定。役職によっては追加情報に落差があるが、基本的には未来をPLに委ねられている。
■HO血
└追加HOなし。
└[わら人形][猫又][迷惑な狩人]取得時に「特殊HO:デッドエンドの迎え方」が発生。【HO死霊】と同時死亡で本当の死を迎える。
■HO闇
└追加HOは固定。役職により事前情報が異なる。
■HO月
└追加HOは確殺対象は自分も選択できるか、の相談をした際に発生する。
└[人狼系][サイコ]取得時に「特殊HO:浸蝕度」が発生。生存日数が長くなるにつれ、主人格の自我を失っていき、加護や【HO星】の能力の対象になった、あるいは【HO幻惑】に「殺意」を取り除かれた場合を除き、エピローグにて【自殺】が行えなくなる他、以降人格を乗っ取られる。
■HO氷
└追加HOは選択の内容に基づき、東西の魔術師の接点がわかる仕様。
└[人狼系][猫又]取得時に「特殊HO:けものの目覚め」が発生。全ての魔術師に対して殺意を向けるようになり、エピローグにて【HO光】に衝動を抑えてもらう、あるいは【HO幻惑】に「殺意」を取り除いてもらわない限り、敵意を向け続けることになる。
■HO炎
└追加HOは【HO水】の事前質問への回答に基づく。
【無実であると言える】
→土砂災害当時の記憶を思い出す。真相に近づく。
【無実とは言えない】
→【HO水】の異変に気付き、【HO花】の力で解決できることにたどり着くが、同時に【HO花】の父親が原因だと思い出す。
■HO幻惑
└追加HOなし。役職により事前情報が異なる。
└特殊HOが発生したHOごとに「特殊HO:○の怪物」が発生する。【HO水】以外の異常変化を察知できる。
■HO死霊
└追加HOなし。役職により事前情報が異なる。
└事前に【HO月】の親友設定が共有される。
✧ テーマは「幸せ」と「愛」と「すれ違い」
このお話では「魔術師」という存在が、どこまでも悲しく、不幸な存在であるところからスタートします。それは目覚めた才覚ゆえか、生まれながらにして授かった宿命からか……。どれだけ強くてもいつかは共倒れしてしまう運命の中、必死に足掻き、幸せを掴もうとする魔術師たちの物語。
特に【HO花】を軸に、「幸せ」というものに強くフォーカスしています。このHOは何も知らない、そもそも幸せがなんなのかわからないという、PLの解釈にお任せした自由度の高い「未来」に向かうHOになっていて、周囲の魔術師を見て何を感じるか、彼らが手に入れるであろう「幸せ」とはなんなのか。というところを探っていくことになります。この純粋な【HO花】視点が、視聴者視点とも言えるでしょう。
登場人物たちはそれぞれ「愛」や「すれ違い」の果てに、おおよそメリーバッドエンド、もしくはバッドエンドを掴むことになり、それは果たして「幸せ」と呼べるのだろうか?「幸せ」とは一体何なのか?あなたの「幸せ」は何?という命題に繋がっていきます。
✦ 主催の言葉
恐らく過去一長い・長い・長いーーーーー!まとめになりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ゲームの方も、ぜひアーカイブを観てお楽しみいただけましたらと思います!
また、今回のRP人狼企画に関しては、X(旧Twitter)ハッシュタグ【 #ツイン・サバト 】をつけて発信していただけますと、とても励みになります。
さて、今回は一旦「コエノナイセカイ」シリーズの”悪役側”として挟んだ物語になりますが…。次回、シリーズ完結作「コエノナイセカイ5-finale-」は2025年4月21日の開催を予定しております。セリーヌが声を取り戻した後、物語はどう完結するのか? 気になる方はぜひチェックしていただけましたらと思います。ご参加も楽しみにしております。
✦ おまけ
本編や事前情報で出せなかったNPC設定をまとめてみました!
✧ NPC情報
魔法庁本局長ウィル
【HO光】や【HO闇】よりも少し早く生まれた魔術師。
魔女に対する迫害の一途をその目で見てきたため、理不尽な扱いや悲劇の連鎖には理解があり、またそれを断罪することにも抵抗がなくなっている。
魔法庁創立メンバーであり、以前は魔法兵の将として軍を率いていた。
『魔女狩り』で多くの仲間を失ったことによるショックで心を閉ざし、様々な人間や魔術師、怪物など、そのどれもに対して、いかなる感情も抱かなくなってしまった。軍隊に入隊した際も、感情を抱かず効率だけを考えるやり方が評価されたが、周囲からは冷たい視線を浴びるばかりだった。
ウィルは、他者に対して何の感情も湧かなかったが、自分の中にある寂しさや劣等感などはあり、生きづらさを感じた末、もう一度誰かを愛したい、と思うようになった。その願望に目を付けた悪魔が、取引を持ち掛ける。
「誰かを愛せる心を取り戻す代わりに、それ以外の負の感情を全部寄越せ」と。そんなものでいいならいくらでも、負の感情はくれてやる、と応じる。
結果、ウィルの中には『愛情』だけが残り、それ以外は常に『無』となった。兵の指揮を任される頃になると、兵士たちに平等に愛情を注ぐことになり、時間をかけて弔うこともあり、周囲のウィルに対する評価は一気に上昇した。そんな信頼を集めたことで、彼は魔法庁の創立メンバーに抜擢されることになる。
その後、恙なく仕事をこなしていたウィルだったが、あるとき自身に変化が訪れる。それは【HO幻惑】の誕生だ。
周囲の様々な感情の結晶である【HO幻惑】という存在に強く惹かれ、特別視するようになった。平等に他者を愛していたウィルが、唯一その「愛情」を口にして伝えたいと思うことになる。【HO幻惑】が何か悩むようなことがあれば、それを支えてやりたいと強く感じていただろう。
一言で言えば「恋」なのだが、ウィルにはその自覚がない。
ぱっと見その特別視も他からは分かりづらいため、そもそも「愛情」なのかどうかすら、伝わっていたかは怪しいところである。
ただ一つ言えるのは、彼はどんな相手に対しても愛を注いでいた、ということだけだ。
魔法庁本局研究員セリーヌ
【HO闇】の母であり、「声を取り戻すこと」に取り憑かれた殺人鬼。
声が出せないため、基本的に筆談で意思疎通を行う。怪物の実験が楽しいと思う心は本物で、もともとは研究者の素質がある魔術師だった。
別シリーズ最新作「コエノナイセカイ4」では初めて黒幕である魔女セリーヌが登場し、悪魔との契約によって声を奪われたとされているが、これは真相を知らない魔術師たちが、悪魔と契約したことで代償に何かを失う魔術師があまりにも多いことからつけた憶測である。
セリーヌ自身も、そのような伝承が多いことから、自分も記憶と声を代償に何かを契約したんだろうと思い込んでいた。つまり、真相を知っていたのは実の子である【HO闇】ただ一人だ。
ウィルの犠牲によって声と本来の精神を取り戻したセリーヌは、ようやく【HO闇】のことを思い出す。500年もの間、大切な我が子を忘れてしまっていたことを悔やみながらも、魔術師として、繰り返す悲劇をただ受け止めていることだろう。
彼女はこの後、(【HO闇】が死んでいればその遺体を抱えて)魔法庁を去って一人でどこかへ消えてしまうのだが、目的を果たした彼女は現在、幸せを感じているのだろうか。
演目『TWIN:SABBATH』
2024年12月16日 22:00 開演
出演:クリス、ジェシカ、ソフィア、ニック、フェイ、フランク、ペネロペ、ポール、ミカ、メアリー、メリル、ロディ、ウィル(GM)、セリーヌ(GM)
使用ゲーム:人狼ジャッジメント
ミカ視点実況配信
今回ミカ役を演じた、みかちゅうさんの視点配信はこちらから✨