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ホームビジットにはどんな楽しみがあるの?経験者が語るホームビジットの魅力

こんにちは。NAGOMI VISITです。今回はホスト経験者がホームビジットの楽しみ方と魅力をご紹介します。

この記事を書いた人:浅羽 杏/An 
NAGOMI VISITにインターン中の大学生。小学生の頃から家族と一緒にNAGOMI VISITホストとして、計18ケ国、31組のゲストを受け入れてきました。本記事では、ホームビジットの魅力について自身の経験談を交えてご紹介します。

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NAGOMI VISITではホームビジットというプログラムを運営しています。ホームビジットとは、世界中から日本にやってくる旅行者を我が家に招き、普段のおうちごはんを一緒に食べながら2~3時間交流をするプログラムです。

このホームビジットは、「すべての人がグローバル市民として暮らす日本社会」というビジョンのもとに運営されています。

「グローバル市民って何?」と疑問を持たれた方はぜひ上部のリンクから公式HPをご覧いただけたらと思いますが、NAGOMI VISITが考えるグローバル市民の理想像の1つに、「文化が異なる相手とお互いに尊重し認め合う関係性を作れる人」という項目があります。

文化の異なる相手に対して相手の立場に立って接するには、異文化を知識として知っている(概念的理解)だけでは足りません。実際に相手からお話を聞かないとわからないことが沢山あります。

同時に、こちらの文化について話すことで新たな発見が生まれ、お互いに異文化理解が深まる、そんな経験が大事です。

NAGOMI VISITで食事を共にしながら沢山お話しすることで、短時間でもお互いに共感的理解を実現しやすくなります。

この記事では、このような異文化を持つ相手との実際の交流を経て異文化理解が深まる、そんな経験をご紹介します。

ホームビジットの楽しみ方

ここからは、NAGOMI VISITのホストの皆さんがどんな楽しみ方をしているのか、私の経験もふまえながらご紹介しますね。

料理を一緒に作ることで生まれる一体感

NAGOMI VISITでは食事と会話を楽しむのが醍醐味です。基本は、ホストが食事を用意するのですが、ゲストと一緒に料理を作ってみるのも楽しいですよ。お料理を作る過程もまた、充実した時間になります。
 
そこで、ゲストと一緒に作ると楽しいメニューをご紹介しますね。

・たこ焼き
たこ焼きは皆で竹串でひっくり返しながら一緒に作業をすることで、英語が苦手な人でも自然とコミュニケーションが取れ、食卓に笑顔が広がります。

An's コメント
たこ焼き器から転げ落ちそうになったたこ焼きを、みんなが必死で支えて危機一髪を乗り越えたときに、自然と同じ気持ちになり、みんなが笑顔になりました!

・かき氷
夏はかき氷を作るのもいいですね。ゲストの方は、私たちホスト側がかき氷を削るのを見るだけでも写真や動画を取って楽しんでくれます。また、ゲストの方に実際に削ってもらうとユニークな体験になりさらに喜んでくれるかと思います。

An's コメント
かき氷を削るのって予想以上に力がいるんですね。ゲストの方は実際に削るとき、「待って硬い!」と言いながら力を込めた表情をするんです。それを見た私はかき氷機の土台を押さえたり、かき氷がこぼれたらお皿の位置をずらしたりするんですね。そのとき、「もう少しだよ!がんばれ!」と、応援したくなるんです。まるで文化祭の準備のように楽しかったです!

・お寿司
海外でとても人気のある日本食はやはりお寿司ではないでしょうか。提供するだけで喜んでくれますが、手巻き寿司にして皆でお寿司を作ったり、実際にお寿司を握ったりと工夫することで、自分の手で作ったお寿司を食べるというとっても素敵な経験をして頂けるかと思います。ただし、魚介類が苦手なゲストもいますのでプロフィールでゲストの苦手なものをしっかりチェックしておくことをお勧めします。

An's コメント
家の家族は「寿司ドーナツ」というものを作っていました。ドーナツは国関係なくたくさんの人が食べていますね。また形も特徴的です。そんなドーナツと、代表的な和食、お寿司に変えてしまうことで自然と親近感がわくんです。そして、私もお寿司が作れるんだ!と喜んでくれました!家にドーナツの型がある人は、自国に帰っても寿司ドーナツを作ってくれていると嬉しいですね。

わが家でのゲスト受け入れの様子。たこ焼きをゲストと協力して作っています。
家でとても簡単に作れる寿司ドーナツです。

お子さんと一緒におもてなし

お子さんのいるご家庭は、是非お子さんならではのおもてなしを取り入れてみてください。英語が上手くしゃべれず会話に入りにくいお子さんでも、自分に役割があると積極的に参加しやすくなります。「頑張った」「みんな喜んでくれて楽しかった」と思えると、「またゲストを受け入れたい!」という気持ちになりやすいです。

お子さんの好きなことや得意なことを活かしたおもてなしのヒントをご紹介します。

 ・折り紙
折り紙が好きなお子さんには、ウェルカムボードや箸置き、メニュー表などの飾りを作ってもらいましょう。また、ゲストへお土産として渡すのも良いですね

An's コメント
私は貝の折り紙にメニューを挟んだり、ハートのブレスレットでナプキンを止めたりしていました。ウェルカムボードにはゲストの国の国旗を描くと、ゲストも目につきやすいですし、旅行に来て自分の国が登場するととてもびっくりします。
また、食事が終わった時、折り紙に興味を示してくれた人は一緒に折ったり、マジシャンの人が来たときに「だまし船」を披露したりました。マジシャンにマジックを披露するのは緊張しますが、だまされてくれたとき、私もマジシャンになれた気がしました!

・ゲームやエンターテインメント
ホストの中にはけん玉、カードゲーム、ボードゲームなどを一緒にやった方もいるそうです。案外、日本特有の物に捉われすぎなくてもいいのが特徴だと思います。

An's コメント
例えば、UNOやトランプという世界中で楽しまれているゲームでもゲストの国とルールの違いがあり、自分達が知っているルールを英語で説明する機会を通して、ゲームを楽しみながら、言語の壁を越えたコミュニケーションが生まれます。

折り紙のハートのブレスレットをナプキンホルダーとして使用
カナダの国旗を描いたウェルカムボードでゲストをお出迎えしました。

ゲストとの会話を通じて英語力アップ!

ホームビジットでは、ホストとゲストは基本的に英語でコミュニケーションを取ります。ただの「サービスを提供する人」と「サービスを受ける人」ではなく、対等な立場でつながります。

ゲストの多くは英語話者や英語教育が盛んな国から来ており、普段の自然なスピードや声のトーンで会話が進みます。学校や教材で習うフォーマルな英語とは異なり、実際の会話では口語的でフランクな言葉遣いが一般的です。まるで英語が公用語の国で話しているかのような感覚を味わえます。

ゲストとの会話を通じて、日常で使えるフレーズや質問の仕方を学ぶことで、会話の幅が広がります。さらに個々人が持っている文化背景や習慣によって異なる答えが返ってくるのも、新たな発見があってとても楽しいですよ。

ゲストの家族にも子供がいると、より頑張って英語を話そうという気になりました。
ゲストの英語を沢山聞いて、段々聞き取れるようになると会話も楽しくなってきますよ。

An's コメント
私が子どもの時は、親が会話の中心となり、私は聞く方が多かったのですが、楽しく会話をしながら英語を聞いているうちに、リスニング力が鍛えられました。英語がどんどん聞き取れるようになると嬉しくなってきますよね!

授業で習う英語はフォーマルな表現が多いですが、実際の会話ではより口語的でフランクです。例えば、“I’m fine, thank you.”といった表現は実際の会話ではほとんど聞かれませんでした。大学生になった今振り返ると、実際には誰も“I’m fine, thank you.”と言わなかったなと思います。これが、英語の教科書や塾で学ぶ英語とは違う、自然な英語の使い方ではないかと思います。

日本の文化を体験してもらう

日本に来て名所を観光するのはもちろん楽しいですが、それだけではもったいない!ゲストには、是非もう一歩踏み込んで日本文化を体験して欲しいと願うホストは多くいらっしゃいます。

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身近の日本文化として、日本では食事前に「いただきます」といいますね。ところが私たちが「いただきます」をすると、ゲストの方が私たちを不思議そうに見ながら見様見真似で手を合わせていました。その時、ゲストの国では必ずしも食事前に決まった言葉があるわけではないのだなと気付きました。次の受け入れからは、父が「日本では、食事前に手を合わせて『いただきます』というんだよ。」と言う説明をし、みんなで「いただきます」という言葉を練習しました。当時小学3年生の私にはとても不思議な感覚でした。

折り紙や華道、茶道、着物等、日本的な趣味をお持ちのホストの皆さんには、食事以外の時間を使ってそれぞれ自由におもてなしをしていただいています。ゲストは日本的な文化体験を通して「現地に来た!」という実感がわき、喜んでいただけますよ。

なお、文化体験に対する金銭のやり取りは発生せず、純粋に「ゲストに喜んでほしい」というホストのご厚意です。だからこそ、ゲストとホストとが友達のようにつながる。そんな交流が多く生まれています。

An's コメント
以前、ゲストに浴衣を着付けてあげたらとても喜ばれました。旅行先の国の伝統的衣装を着ると、一気に現地の世界観に入り込める気がしますよね。またゲストは、まさかホームビジットで浴衣の体験をできるとは思っていなかったようです。想定外の驚き、嬉しいと喜ぶ姿を見て、私たちもより「ゲストに喜んでほしい」という純粋な気持ちが湧き、色々な体験型のおもてなしアイディアを膨らましていくきっかけになりました。

ゲストに浴衣を着て、日本文化を体験してもらいました。とても喜んでくれました。

An's コメント
ホームビットに参加するゲストは「日本の人のことを知りたい、関わりたい」という気持ちが前提としてあり、「受け入れてくれてありがとう」「お互いに楽しもう。歩み寄ろう。」という姿勢が見られます。ゲストがきて、食卓を囲んでみんなでお話をしているときは驚いたり、笑ったりととても盛り上がります。
その後、和室に移動し、茶道を体験してもらうと、抹茶を点てる音しか聞こえないほど静かな空間ができ、先ほどの食卓でのにぎやかさと対照的な空気にゲストの方も思わず圧倒されて黙り込んでしまうのです。日本人の私達でもしゃべっちゃいけない時間は緊張感が走りますよね。茶道が初めてのゲストでも「静かにすることが重要である」という茶道特有の雰囲気を感じ取り、面白い経験だったのではないかと思いました。

ゲストに茶道を体験してもらいました。

世界中に友達が増える

NAGOMI VISITの楽しみは、受け入れ当日の数時間だけにはとどまりません。その数時間に仲良くなることによって受入れ後もやり取りが続き、自然な流れで一生の友達が出来ることもあります。

 私達がNAGOMI VISITではゲストとホストがお互いにSNS等の連絡先を交換し、直接連絡を取り合います。ホームビジット開催後でも友人として連絡を取り合うことも多々あります。ゲストが再び日本を訪れる際に再会したというお話もチラホラ伺います。反対に、ゲストが「今度はぜひうちにも来てください」と仰ることもあり、実際にゲストの国へ会いに行くホストもいらっしゃいます。海外旅行は勇気がいる人も多いかと思いますが、現地に知り合いがいるだけでとても安心感があり楽しめると思います。

ホームビジット後のつながりは必ずしも継続するかは人によりますが、実際に友人としての交流を楽むホストも多くいらっしゃいます。

An's コメント
ロシアからのゲストを受け入れた際は、とても仲良くなり家族でお金を貯めて数年後、私が中学二年生の時にロシアへ行きました。ゲストが空港まで迎えにきてくれて、その後の旅も積極的に予定を合わせてロシアの街並みを案内してくれました!

 オランダ人の家族のゲストは日本が好きで定期的に日本に来ていたので、今までに3回ほど家に来てくれました!オランダでは18歳が特別な年齢とのことで、「ぜひおいで」と言ってくれました。そこで、大学1年生の夏休みにオランダへひとりで訪れ、10日間ホームステイさせてもらいました!

行事にプレゼントやカードを贈り合うのも、素敵なつながり方です。クリスマスや新年にカードやメール、年賀状やプレゼントを贈るホストやゲストもいらっしゃいます。

An's コメント
とあるゲストがイースターの時期にお菓子を送ってくれたことがあります。日本でイースターは、「ゲストにとってはイースターがとても大事な行事なんだ」と理解が深まり、ゲストの文化をそうやって知れることが嬉しかったですし、私達家族もお返しに何かを贈りたくなりました。

ホームビジット後にもやり取りし合うゲストは全員ではありませんが、ご厚意でつながって、プレゼントを受け取ってとっても嬉しかったので、私たちも抹茶のお菓子を沢山探してきてプレゼントしたりしていました!

SNSでつながることも嬉しいですが、実際に再会したゲストとはより深い友達になっています!

デンマークのゲストがクリスマスに伝統的なハートの飾り、「ユーレヤータ」を送ってくれました。日本にはない文化で、その贈り物から文化の違いが伝わってきて感動しました!
このように沢山のバリエーションがあるそうです。

まだまだホームビジットの魅力はたくさんあります!充実した文化のふれあいを楽しんでください!


NAGOMI VISITが目指す社会

「世界中の旅人と食卓を囲むホームビジット」を運営する私たちNPO法人NAGOMI VISITは、「すべての人がグローバル市民として暮らす日本社会」を目指しています。詳しくはこちらのページでご覧いただけます。

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