帰国して芸能人を知らないまま10年たった今。
私がアメリカに行った80年代後半。
当時知っていた芸能人はタモリ、さんま、ビートたけし、所ジョージなどの超一流の有名人や、歌手だと松田聖子や南野陽子、中山美穂、工藤静香を含むおニャン子メンバーなど。私はその時小学4年生でした。
日本食レストランもなく、インターネットなんてない時代、日本の情報はまず入って来ませんでした。土曜日の日本人補修校には行っていたけど、学校というよりは”日本人の子供が集まる場”のようで、現地の学校の話をしたり、英語で話してみたり、特に日本のことについての情報交換みたいなことは子どもの間ではありませんでした。
元号が昭和から平成に変わった時も、どうやら変わったらしい、くらいしか分からず、現地のニュースでもどうやら一言言っていたらしい、くらいしか残念ながら覚えていません。
親も特にそこまで日本のことを子供に教えようと積極的ではなかったように思います。どちらかと言えば向こうの生活に早く馴染ませたいという気持ちが強かったようで、アメリカ生活を楽しむことに尽力していた気がします。だから住めば住むほど日本に関してはまさにに浦島太郎状態。
完全にアメリカのことしか分からなくなり、日本がどんな国だったかを忘れてきた頃帰国した中学3年。
帰国して間もなく、ローラースケートを履いて歌うアイドル(光Genji)が目に飛び込んできました。どうやら人気らしかったけど、知らないだけに違和感…。雑誌の明星の表紙にもなっていたり、転入した学校でもなんだか盛り上がっている女子がいて、でもその文化、流行にのれない…。誰?なんでローラースケート?あの笑顔はなんだ?なんで人気なの??
10代なんて、好きなアイドルに胸キュンしてキャーキャー騒ぐ時代ですよね。
アメリカにいた時は、ビバリーヒルズ高校白書(90210)にはまっていたので、中でもteen throb (10代の心をときめかせる)Luke Perryが大好きで、ロッカーにはポスターを貼っていました。だから、気持ちは分かります。でも、文化が違うと、”良い”とされるものも違くて理解に苦しんだりします。
芸能人が分からなくて、尾崎豊が亡くなったと聞いても、誰それ?ふぅん〜…。そうなんだ。で終わってしまったのも覚えています。
高校に行き始める頃にはさすがに色々慣れてきて、smapにはまり、私の高校、大学時代はテレビに支えられ、芸能人もよくわかるようになり、友達と盛り上がるのもとっても楽しかったです。年齢的にもそういう時ですしね。
しかし就職してから比較的すぐまた海外に行き、今度帰国したのはその約10年後…。
その10年の間はさすがに海外でも日本食も流行り、日本のビデオも借りることもできました。ドラマを借りたこともありましたが、ほとんどどっぷり向こうの文化に浸かり、テレビもほぼ現地のもの、friendsやERなどにはまっていたので、また帰国した時は2度目の浦島太郎。
しかもその時は妊娠中。
帰国して比較的すぐ出産。嵐が流行っていたみたいだけど、誰が誰だかわからない。
初めての育児に追われてしまい、テレビどころではありませんでした。知りたい情報は子育て関連ばかりです。
日本のテレビに馴染めないまま子育てに追われ数年が経ちました。
近くでドラマの撮影があり、ママ友がキャーキャー騒いでいたけど、綾瀬はるかなど流行りの芸能人が分からないので”その辺にいる子”と変わらなく見えてしまい、また、へー、そうなんだ。で、どの人?状態。
家のテレビもいつもいるキッチンと繋がっていないからあまりテレビも見ないし、インターネットの普及とともにyoutubeを見るようになると、余計に芸能人に興味もなくなってしまい、敢えてテレビを見ようともしなくなりました。
海外ではテレビを持っていない人も今は珍しくなく、パソコンがあれば充分、さらに芸能人にあまり惑わされない文化だったから余計に興味も湧きませんでした。
日本に帰国して10年以上経ちましたが、今までの経験から今でもテレビにそれほど興味がなく過ごしています。たまに面白い番組に出会えると見ていますが、ハマるようなことはなくここまできてしまいました。
今でも知らない芸能人ばかりですが、歳をとればとるほどそれも気にならなくなるし、海外の考えかもしれませんが、芸能人を”一人の人”として元々見るので、どちらにせよ日本ほど芸能人の話で盛り上がらないような気もします。
オーストラリアの病院で仕事をしていた時、超有名人、または有名人のマネージャーが救急に来ることもありましたが、やはり”一人の人”として見るのと、良くも悪くも”人間らしさ”があり、人は有名でもやはり人だからなぁ、と思っていました。情けない面を見て残念に思うことや素晴らしい行動に感動することもあります。有名人でなくても、以前は〇〇だった、という、若い頃活躍されていた方も皆、病気やけがもするし歳もとる。皆、同じ人間。
自分の過去の経験と今の生活スタイルからも、芸能人があまりわからないままですが、自分の時間を見たいものに振り回されずに持てるのでそれもなかなか良いものです。
今後ライフスタイルが変わるとまたテレビを見るようになったり、芸能人に興味を持つようになるのかもしれませんが、テレビや芸能人を話題にする日本の文化はまだなんとなく慣れず、”ジャパン”らしさのようにも感じます。