MoCAを使って離れに有線ネットワークを敷設した話
近距離(100m程度)に有線ネットワークを敷設する方法の一つにMoCAがあります。
日本では認知度が低いですが、米国ではそれなりに知られた方法のようで、Amazon USでは様々なデバイスが販売されています。
今回、MoCAを使用して母屋から離れに有線ネットワークを敷設したので記事にしてみます。
MoCAとは何か
MoCAとはMultimedia over Coax Allianceの略で、同軸ケーブルを用いたネットワークの仕様を決めているコンソーシアムです。
またコンソーシアムの名前だけでなく、同軸ケーブルを用いたネットワーク自体もMoCAと言われています。
端的に言うと、テレビなどで使用する同軸ケーブル(アンテナケーブル)を利用して通信をする規格のことです。
MoCAの規格
2023年現在、MoCAは1.0から3.0までの規格が制定されています。バージョンの詳細は英語版のWikipediaを参照してただくのが早いですが、一番の違いは通信速度です。
MoCA1.0は135Mbps、MoCA2.0で1Gbps、最新のMoCA3.0は10Gbpsとなっています。
今回、私はMoCA2.5(2.5Gbps)を使用して、母屋から離れまで30mの有線ネットワークを構築しました。
MoCAのメリット
MoCAのメリットは何といっても部材が安いことです。
同軸とRJ45を変換するメディアコンバーターは1万円以下で入手できますし、屋外用の同軸ケーブル(S5CFB)は国産品であっても100円/m以下で入手できます。一方、Cat6Aの屋外用ケーブルは300円/mくらいするので、距離が長くなればなるほどコストメリットがでてきます。
またMoCAはメディアコンバーターを変更すれば10Gbpsにも対応できますし、今後規格が改訂されれば更なるスピードアップも期待できます。
使用したデバイスおよび部材
・MoCA2.5のメディアコンバーター
goCoax社製MA2500D、Amazon USから調達、2台120USD
・S5CFB 同軸ケーブル 30m
二幸電気工業製、Amazon JPから調達、2000円
実際の速度
離れのPC←→MA2500D←→S5CFB(30m)←→MA2500D←→ルーター
上記構成での速度は以下のようになりました。
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?