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手術室に連れていったもの〈後編〉@入院中
「背骨の間に麻酔の針を刺すので、横向きのままグッと体育座りして、背中を付き出してください」
いよいよ処置が始まるのね。
まずは局所麻酔。
これは普通の注射(部位は背中だけど)なので、想定内の痛み。
次、どのタイミングで背骨の間に針が入るのかとても怖かった。
抱っこしているあーちゃんをにぎにぎするとかなり落ち着く。
胸の鼓動に合わせて、心電図モニターがピーピー鳴っている。
人によってはド緊張して、目覚ましのアラーム並みに鳴ることもあるとかないとか。
あーちゃんのおかげで鼓動は安定している様子。
先生は首の辺りから腰にかけて、一本一本背骨をなぞっていく。
良さげな背骨の隙間を見つけると「しるし付けさせてくださいね」と、何かしらペンで書いていた。
ただのペン先が背中に触れるたび、ビクビクする私。
まだ針は入らんのか~(泣)
この時間が怖いのだよ。
「針入れますけど、押される感じがしますよ~」
「痛い!」
「『痛い』そうです」
身体を優しくさすってくれる看護師さんが、私の声を麻酔科の先生に伝達してくれる。
「これは? まだ痛い?」
「大丈夫です」
「『大丈夫』だそうです」
今度は押される感じ、というのがきた。
痛くはないけど、体験したことのない違和感と不快感。
あーちゃんをにぎにぎして、自分を落ち着つかせる。
御守りあーちゃん、すごく安心する!!
無事、硬膜外麻酔完了。
手術前の一番の山を越えた。
「麻酔を少し流します。気持ち悪くないですか?」
「大丈夫です」
もう痛い処置は終わったので、次は全身麻酔の効果を待つばかりです。
今回大活躍のあーちゃんのご紹介!
豆柴あーちゃん、抱き枕と同じ大きさです。
![](https://assets.st-note.com/img/1643851911238-i4BzrxqqST.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1643851910798-QRCqUIpmcc.jpg?width=1200)
「……田さん」
あっ、しまった。
麻酔の途中で寝ちゃった。
「土田さん、終わりましたよ」
えっ!?
気付いた時には、病院の廊下をガラガラゴロゴロとベッドで移動していました。
「予定通り、無事終わりましたよ」
手術は5時間かかったそうです。
目は開かないけど、御守りあーちゃんは私の隣にいます。
おわり