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666の6ヶ月検診日

「次のCT検査は6月6日でご都合どうですか?」

去年の12月、腎細胞がんの経過観察の結果を聞きに訪れた大学病院で医師にそう言われた。
わー、次回はエンジェルナンバー(ゾロ目)令和6年6月6日。
6ヶ月後の造影CT検査日は悪魔の数字だよ。
私はゲン担ぎとかそういうのはしない性格だけど、複雑な気持ちになる。

前回の検査は行く所々でつっかえてしまいとても疲れてしまった。

さてさて、今回はスムーズに事は運ぶのでしょうか。
大江千里さんの曲を聴きながら気分良く参りますよ。

***

午後の病院はとても空いている。
午前中で外来診察が終了するから、どの科も待合席に座っている人はいない。
採血室も私の前に3組ほどしかいなかった。

この度はサクッと進みました。

CT検査室ばかりは混雑していて、待合席は私が座ることで全部埋まってしまった。
受付の方が「検査は血液検査の結果がでしだい準備させていただきますので少々お時間がかかりますがよろしいですか?」と、膝をついて目線を合わせ丁寧に説明してくれた。
造影剤は腎臓に負担をかけるので、腎機能の結果が出てから使うor使わないの判断をするためだ。
造影剤を使わなくてもCT検査は出来るけど、使った方が画像は断然鮮明に出るからそちらのほうがいいよね。

席に座って待っていると「いつまで待たせるんだ!」と駄々をこねるおじいちゃまがいらっしゃった。
右腕をギブスで固め病衣を着ている。
娘さんらしき方が待合室のテレビを指さして「これ見て待っていようよ」となだめても「くだらん! つまらん!」と怒鳴る。
受付の方をつかまえて「看護婦さん、オレもう帰るわ」と言うおじいちゃまに、さっきと同じように膝をついて目線を合わせ、混雑して待たせている状況を説明して謝罪している。
「怒りんぼが出てすみません。周りの方にも不快な思いをさせてすみません」と平謝りする娘さん。

うちの父も義父も同じくらいの年齢だから、自分たちがそうだったらと重ね合わせてしまう。
切ない。

奥の事務室で何やら「大丈夫だって」「じゃあ準備するね」というやり取りが聞こえた。
もしや、私かな?
そう思っていたら処置室から名前を呼ばれた。

「血液検査の結果が出ました。造影剤が使えます。点滴の針だけ先に打たせてください」

腎機能結果オーライでした。
処置室の中に入ると「45以下だったらだめだったんですけどね~」と看護士さんが点滴の準備をしながら話してくれた。
たぶんeGFR値のことね。
なるほど、45.0が基準値だという裏話が聞けたみたいだ。

これを付けて再び待合室に戻る。状況がおかしくてつい写真を撮ってしまった。

針が体に付いているストレスを思い出した。
手術が終わってしばらく数日は4~5本も針や管に繋がれていて、いまだ感じたことがないほどのストレスだった。
傷口の痛みと人生への絶望感が大波となって襲ってきて、手術中に死んでしまえば良かったとすら感じた。
手術前の麻酔なんてまるでテレビの画面が不意に消えてしまうくらいあっけないものだったから、そちらの方が何にも知らないうちに全てが終わっているのだよなと思ってしまったのだ。

***

結果は2週間後。
大丈夫だと思う、たぶん。

病院内のLAWSONでサンドイッチとコーヒーを買った。腹を立てなくても腹は減るもんだ。

家から1時間かけて来た用事が病院だけとは味気ないから、海でも眺めて来よう。
一人の時間を満喫しに行きます。

浜の近くは学校がいっぱいあります。学生の姿がちらほら。青春だな~!
角度を変えると日本海に沈む夕日が。佐渡島も見えました。

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