不自由こそが海外生活の醍醐味 〜ニジェールが教えてくれたこと〜|私たちのAnother sky #6
言葉の壁、異なる文化、気候の違い。海外生活には『不自由さ』がつきものです。その不自由さが故に、海外渡航をハードルの高いものだと思いがちです。しかし、不自由さを体験することこそが豊かな日本に住む私たちには必要なのかもしれません。
SHElikesの海外コミュニティ初代プランナーを務めたちずさん。*SHEメイトさんの中には、彼女の作り上げるコミュニティに癒されて、魅了された方も多いのではないでしょうか。
ちずさんは海外在住経験がなかった中、突然ご主人が海外赴任になり、アフリカの西部の国ニジェールに行くことになりました。
彼女がニジェールで経験したこと、そこから感じた不自由さの中で何を得たのか。今回は彼女の芯の強さに迫っていきたいと思います。
*SHEメイト=SHElikesの受講生
海外在住経験ゼロから突然のニジェール行き宣告
Q1. これまで海外経験がなかった中、ご主人のお仕事の都合でニジェールに行かれていますが、そもそも海外への興味はあったんですか?
大学時代は西洋美術史を専攻していて、海外の文化には興味がありました。友人は留学をしたり、海外旅行に行ったりしていましたが、私は渡航することには全く興味がありませんでした。
しかし、27歳の時に販売業を辞めたのをきっかけに何か新しいことに挑戦しようと思い、初めてパスポートを取得して、タイへ旅行に行きました。その時、現地の人の働く姿を見て、働く事についての概念が少し変わりました。
そこから少しずつ、海外に行くことにも興味を持つようになっていきました。海外志向の強い今の夫と知り合ってからは、海外旅行にもよく行くようになり、だんだんと海外に対する関心が育まれていっていったように思います。
Q2. 日本からはあまり馴染みのないニジェール。渡航を決めるのに戸惑いはなかったんですか?
夫からニジェールに行くかもしれないと聞かされたのが、結婚して5ヶ月くらいの時でした。日本とはあまり縁のない国で、ニジェールという国の情報がなかったし、ネットで検索するとあまりいい情報がなくて、正直行くのは戸惑いました。
しかし、彼の中で単身赴任で行くという選択肢はなく、彼の国際協力への情熱を日頃からよく知っていたので、決断を尊重し、一緒に行く事に決めました。
だんだんと愛おしくなった、ニジェールの生活
Q3. 始まったニジェールでの生活。苦労も多かったのでは?
まず、気候の違いに慣れるのが大変でした。治安の問題から一人で徒歩で出歩くことはなるべく控えるようにしていて、半年くらいは一人で外出することができませんでした。日本のような娯楽を外に求めることができなかったのは、とても辛かったです。
Q4. 生活に慣れてきて、ちずさんにとってニジェールはどのように変化していきましたか?
一人で買い物に行けるようになってからは、現地の人と接することが多くなってきて、フランス語の語学学校にも通い始めました。言葉が少しずつ聞き取れるようになってくると、現地の人の優しさに触れることが多くなっていきました。ニジェールに来たばかりのころ、不自由なことばかりで疲弊していましたが、その不自由さを受け入れていくことで、自分の小さな成長を感じることができるようになりました。
自分で何もできなかったから、小さな事にも感謝できるようになっていきました。そういう自分が好きになっていきました。
私はニジェールに来たからこそ、自分自身を好きになれた。そういう意味もあって、ニジェールが私にとって、とっても愛おしい国になりました。
SHElikes入会! アフリカ在住SHEメイトに
Q5. SHElikes入会のきっかけを教えてください。
夫の会社の規定で、私自身の就労は禁止されていました。働くことができない状態に不安を覚え、将来のために今のうちにスキルを貯めておきたいと思ったのが入会のきっかけでした。SHEはコミュニティが活発だったのも入会の決め手になりました。
Q6. SHElikesのコミュニティにも積極的に参加していたんですか?
入会二日目に初めて交流会に参加して、それからも積極的に参加していきました。夫以外の日本人とはほとんど関わりのない生活をしている中で、SHEのコミュニティは心の拠り所になってきました。時差がある中でもしっかりコミュニティの一員になれているという実感を得ることができました。
Q7. それから6期、いわゆる海外コミュニティの『初代コミュニティプランナー(以下 CP)』に就任されていますが、志望の動機を教えてください。
ニジェールに渡航してから、毎日が本当に小さな挑戦の連続でした。そのおかげで、チャレンジ精神が少しずつ養われていきました。できることに挑戦していきたいという思いもあって、思い切って応募することができたと思います。コース受講で得たスキルをアウトプットするいい機会にもなると思ったのと、人とのつながり作りの種まきをしていきたいという下心もありました。
ちょうどSHEの運営の方でも新しいコミュニティを作ろうとしていたタイミングだったんです。それで語学のコミュニティを作りたいと思って応募したら、語学に限らず、広く「海外」をテーマに扱うSHE海外コミュニティの新設につながりました。
Q8. 初代ということでゼロから作り上げたコミュニティ。苦労も多かったのでは?
ニーズ探りが大変でした。当時はまだコロナ禍で渡航の規制がかかっていることもあり、海外コミュニティへのニーズがどこにあるのかわからなくて手探りでした。集まってくれたサポートのメンバーも海外在住の方が多くて、時差の関係で全体でミーティングを行うのが難しかったので、工夫してテキストで話をまとめていました。
Q9.大変な役割も多いCP活動だと思いますが、おすすめしたいと思いますか?
私は特に海外在住のSHEメイトさんにこそCPをおすすめしたいと思っています。海外在住なのに日本在住の方とたくさん繋がれるというのは魅力的でした。人と関わることを濃密に行えた期間だったので、自分の強みも発見できました。
そして、CPを務めるというのは自己効力感が高まる経験だと思います。海外にいるとできることが極端に減ってしまうので、そういう焦りや不安から解放されました。だからこそ、私は海外在住のSHEメイトさんにこそCPになってほしいと思います。
海外生活は不自由さこそが肝!受け入れてみたら変わる景色がある
Q10. 最後にoverSHEメイトさんへメッセージをお願いします。
海外生活においては、不自由なことが多い。でも不自由さこそが肝だと思っています。不自由さを受け入れて、成長していく自分。たくましく成長できた自分を私は好きになることができました。
だから、今海外にいる人やこれから海外に行く人には、不自由さを受け入れて、新しくできるようになることが増えていくその体験こそを大事にしていってほしいと思います。そういう自分の成長を見つめていけたら、より充実した海外生活を送れるようになるんじゃないかと思います。
何もできない自分を受け入れて、そこから成長する楽しさを存分に味わってください!
【あとがき】不自由さこそが成長のカギである
長い海外生活を送ってきた筆者は、日本はあらゆる面で洗練されていて、豊かな国だと思っています。だからこそ、私たちは周りの環境に慣れすぎていて、物事を改善したり成長したりすることを怠りがちになっているのかもしれないと思いました。日本に暮らしてると見えてこない景色があります。
「不自由な環境こそが人間を成長させてくれる場所なのかもしれない」ということを、ちずさんのお話を聞いていて感じました。
今海外にいなくても、何かの不自由さに直面している方がいたら、「不自由さこそが成長のカギ」というちずさんのお言葉を、お伝えしたいと思う時間でした。
この記事がどなたかの力になっていたら嬉しく思います。
SHElikesの10期コミュニティプランナー募集期限まであとわずか!この記事を読んでCPに挑戦してみたいと思った方は下記よりぜひ応募してみてください!
*現役SHElikes受講生限定の募集です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?