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お任せ!無神経お悩み相談室

お悩み相談を受けることが多い。

コンコン

「はい、どうぞ」

「こんにちは」

「こんにちは。お悩みですか?」

「実は好きな人と上手くいっていなくて……」

「上手くいっていない?」

「はい」

「具体的には?」

「毎日電話をしているんですけど、
テスト期間に入ってお互い忙しくてできなくなって。
それにあまりLINEを返すことができていなくて。
それで少し疎遠に感じてしまって寂しくて」

出た。
お悩み相談と見せかけて実は惚気自慢の奴ぅ。

返すことができていなくて?
返してくれなくて、
ではなく返すことができていなくて?
恋愛の選択権が常に自分にあること大前提でお話しなさるのね。

コホン

「それは……テストが終わるまで待ってみてはいかがでしょう?」

「でも……」

「テストが終わればあなたの問題は解決するのではないでしょうか?」

「でも……。彼に好きな人誰なの? って聞いたら
どう思う? って返ってきて。
その好きな人とは毎日連絡取ってるって言ってて。
誰なんだろうって私すごく不安で。
彼の好きな人、誰だと思いますか?」

出た。
相手の好きな人が自分だと分かっていながらの露骨な「彼の好きな人誰なんだろう?」アピール。

「きっとあなたのことが好きだよ」待ちなんでしょう。

分かるよ、分かる。

きっと恋って不安なんだよね。
認めてほしいんだよね。

恋は盲目、なんて上手いこと言ったもんだ。

最近こういう事例多すぎますよ。
自己肯定感低いんだか何だか知らないけど。

イライラはしないわよ。
イライラはお肌に悪いんだから。

落ち着け、落ち着くのよ。
たけだなごみ。
あなたはお悩み相談室の室長を務めている人間よ。
こんなことでイライラしてちゃだめ。
自分の感情を制御できない人間は未熟者よ。

「そうですか……。でしたらもういっその事テストが終わってから、彼に気持ちを打ち明けてみるというのはいかがでしょうか?」

「もし振られたらどうするんですか!」

ブチッ

たけだ、我慢の限界。

ガタッ!
急に立ち上がるたけだ。
ビビる相談相手。

「いいですか! あなた! あなたは相談したいんですか? ただ話を聞いてほしいんですか? 相談があるのならそれなりに解決策を受け入れる体で来ていただかないと、私が困ります 」

ふぅ
言いたいこと全部言い切った。

「す、すみませんでした」

バタバタと部屋を出ていく相談者。

ああ、少し言い過ぎてしまったな。

まだまだ私も未熟者。
今夜はまた一人で反省会だなぁ。


以前はこんな感じで少々ムッとしていた私ですが、
最近は専ら「若いなぁ」と思うのです。

何だか見ていて恥ずかしいくらい。

真っ直ぐに人を好きになれるなんて若いなぁ。

私にそんな時期があったかなんて聞かれても
そんなのは昔々のお話。

彼女らのことが最近は何だか可愛らしくも思えています。

まぁ興味はありませんが。

誇張、及びほんの少しのフィクションは含みますが、
実はこれ、驚くべき実話です。

最近本当にこのような声が増えました。
女の子は誰だって主役ですので、相談くらいは乗りますが、あからさまに答えを求めていないご相談はお控え願います。

あ、現実ではお悩み相談室の室長は務めていませんよ。
あくまで私の妄想劇です。


また、「何の話?」って思ったそこのあなた。
大丈夫です、私が一番感じています。


皆様、お天道様どこ行った?っていうくらい雨が続く毎日をいかがお過ごしでしょうか。

前述の通り、私は雨、嫌いではありません。

私、耳がいいんです。
いいというか、聴力だけは秀でているらしいのです。

アレルギー性鼻炎で信用していない鼻と、
ビビってコンタクトを入れられない目はさておき、
昔から耳がよかった。

授業の時も先生の声の他に聞こえてくる音、数知れず。
中々集中できません。

その点、雨はいいですね。
その声たちを遮断してくれる。

雨自身の声も素敵です。

そんな雨ですが、
ここまで続かれるとさすがに厄介です。

今日の帰り道、ふと考え込んでしまったことがあります。

なぜ人間は傘を使うのだろう。

スマートフォンだって、ドローンだって、
ましてや宇宙エレベーターなんて
ロマンがダラダラ溢れ出てきそうな代物でさえ作ろうとしている人間がなぜ傘を使うのか?

傘って案外アナログじゃないですか。

発明された当時はきっと画期的な物だったんだろうけど
ここまでテクノロジーが発展してきたこの世の中で
人間はどうして傘を使い続けるのだろう。

別にこの問に対する討論会をしようって訳じゃありません。

ただ純粋に疑問に思っただけ。

雨に濡れることってJKにとっては死活問題。

傘だけじゃ背中の荷物、即ち教材も、
朝からバッチリ決めてきた顔面も、
両方は守りきれません。

どちらかを捨てなければいけない。

二者択一を迫られた時、私は大抵後者を差し出します。

おかげで学校からの帰り道、
傷心したドラマの主人公の如く、ズブズブに濡れながら歩きます。

全力で生きていると
なぜか不意に笑いが込み上げてくる時がありませんか?

みんなで訳もわからず全力で走った時。
馬鹿げているなと思いながらも、全力で笑った時。

今日のようにビシャビシャに濡れながら、街を駆け抜けている時。
隣にいる友達と訳もわからず笑ってしまいます。

でもいい。
それでいい、それがいい。

何だか自分、今滑稽なくらい全力で生きてるな。

そう思えた方が、何だか毎日楽しく生きていられる。

絶望的な期末試験だって、乗り切ればその後は、
みんなで飛び込む夏休み。

きっとあっという間に過ぎてしまうこの時間を、
私は大切に生きていきたいと思うのです。

最後くらい
純粋に、馬鹿正直に
楽しんでもいいと思うよ。

朝起きる気さえ吸い込まれてしまいそうな、曇天に向かって私たちは今日も笑い声を飛ばすのです。


今日も独り言に付き合って頂き、ありがとうございます。
素敵な一日をお過ごしください。




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