たった1人の、真白な少女のお話。
少女はまるで鏡を見るように
向き合い、語り合い、触れ合います。
いまだかつてない程の熱量で、
互いに互いを感じ合います。
生まれる前から隠し続けた産声を、
この瞬間に、初めて上げるのです。
生みの母に対する敬意のような。
罪を知る君に向ける赦しのような。
全てを愛されることのないこの世界への祝福のような。
しかし驚いた事は、
少女は1人ではありませんでした。
それはちょうど、青の世界の星々のように
あちらこちらにたくさんいたのでした。
全部一緒で、全部違う。
けれど、そのひとつひとつが、眩しいほどに
輝きを放つのでした。
音・温度・空気・言葉・質感・色味・動き
その全てが交わっても、
白は白であり続けました。
まるで三原色の真ん中のように、
それはそれは、鮮やかな白でした。
少女たちはふと考えます。
もしわがままをひとつ、聞いてもらえるのなら、
たくさんの人に、この美しい世界の、
目撃者になってもらいたい。
と同時に、そんな世界を生きる、
共犯者であってほしい、と。
変わり続ける、変わらない世界は
これからもずっと続きます。
日々、私を支えてくださる全てへ
心から、ありがとう、ありがとう、ありがとう。
また一緒に、夢を見ることができたなら。
2019/02/20
Nagoho
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