伊勢の戦略 【旅日記】
私が生まれ育った地区には、「お札当番」という習わしがあった。
当番が、お伊勢さん(伊勢神宮)のお札(神宮大麻)を、代表でもらいに行くのである。何年かに一回当番が回ってくる、輪番制だ。我が家の祖父・曾祖父も参拝していた、と思うが、記憶は薄い。
昭和の終わる頃までは、残っていた風習だと思う。ただ、神社仏閣も、歴史も、大人の行動にも、興味の無かった未成年時代、いつしか私自身の記憶からも消え去り、社会人となっていた。
ひょんなことで、思い出すまでは・・・
爺さんよ・・
◇◇
前回、「淡路島が世界の中心なのだ」
という話をさせて頂いた。
見づらい写真を何度もすいません。
そうなれば、次に紹介するのは
「神宮」こと 伊勢神宮ですよね!
淡路島(沼島)を生んだ、夫婦神は、次々と日本列島(大八州)を生んで、日本を完成!
そして、最後に、天照大神(アマテラスオオミカミ)を始めとした、神々を生んだ。
その神道の主神(天照大神)を祀る伊勢神宮が、淡路島(沼島)の真東に建立されている。
どうやって、真東を計測したのか、「ふ・し・ぎ」
行ってみたくなりましたか?
なぐツー はじまるよ! (ちびまる子ちゃん風に♪)
◇◇
ところで、伊勢神宮には、参拝順序があるのを、ご存知だろうか?
伊勢神宮には、100余の社宮があるのだが、ざっくり外宮チームと内宮チームがあり、外宮地区からお参りするのが習わしである。
はーい!
もちろん、我々は歩きますよ!
本日は「古市参宮街道」を巡るタビへと、
ご案内しま~す。(サザエさん風に♪)
◇◇
外宮から内宮までは、この「古市参宮街道」を通るコースで5km。外宮を参拝して、途中、色々寄り道してから内宮参拝まで済ませると、3時間くらいのコースだ。
まずは、
近鉄伊勢市駅へ集合!
スニーカーと、お茶くらいがあればOK! クマよけ鈴は、いりません(笑)
近鉄伊勢市駅から外宮へは、すぐ
10分程度で到着
参拝を済ませ、外宮を出ると
そこからは、参宮街道の幟がたっている道沿いを歩こう。各戸の玄関にも小旗がたっている。少し曲がりくねった道だが、迷ったらこれらを目印にして歩こう。
閑静な街並みの中、まずは古市芝居小屋跡、油屋跡碑などを目印にしよう。
しばいごや?
◇◇
え~ 言い忘れていました。 実は・・・
本日のなぐツー(なぐなぐツーリスト)は、お子様の参加は、ご遠慮いただいております・・・
日本三大〇〇
日本三大渓谷、三大温泉、祭り、庭園、夜景、そして「がっかり」まで・・・日本人は、三大〇〇が大好きな国民だと思う。
実は、ここ「古市」は、三大遊郭のひとつ(ベスト3に入れてもらえない場合もあり、五大遊郭と呼ばれることもある)
え?
外宮と内宮の間に?
最盛期には、70軒、遊女1000人との記録も残る。
(Wikiペディア:『古市(伊勢市)』より)
このあたりを歩くと、そんな面影は全くない。閑静な住宅街だ。
1軒の宿に面影を残して、、
もちろん、現在では「普通」の旅館だ。
一度泊ってみたい宿のひとつ。風情があるのだ。
そして、「伊勢古市参宮街道資料館」にも訪れてみよう。
伊勢歌舞伎、古市妓楼など、当時の写真、記録が残っている。
◇◇
当時の写真を見ると、最盛期の賑わいが垣間見える。
神聖な場所を歩こうとやってきたのに、外宮から内宮への参道がこんなことになっている事に、驚きを禁じ得なかった。
は~ん
そこで、はじめて「お札当番」の意味を知ったのだ。
「爺さん お前も悪よのう」
私の幼少期、当時どこまでの風習が残っていたのか、今では知る由もない。
◇◇
興味のある方、調べてみよう
「お札当番」、正確には『伊勢講』と呼ばれています。実家でもそうやって読んでいたのか記憶は・・・、あくまでも、私の記憶は「お札当番」
そして、外宮と内宮の間にあるのですが
正確には、内宮を訪れた後『精進落とし』として、遊郭を訪れたらしい。
(Wikiペディア:精進落とし 調べてみよう)
まず、外宮 から 内宮 へ参拝(神聖な結界エリア)
そして、内宮 から 古市遊郭 へ戻り、精進落とし(現世に戻る)
◇◇
タビは、織物。
経糸は、歴史文化。緯糸は、地理気候。これが紡ぐ織物は、現地に行かないと触れない。
ピーンと空気の張った神聖な境内と、俗世間でにぎわう「おかげ横丁」がミックスした街。これが、東海道中膝栗毛にも記述された「古市遊郭」の賑わいを継承しつつ、時代の変化に合わせて、300年以上も生き残ってきた伊勢の戦略なのだ。
◇◇
それでは最後に、途中のお食事所を紹介して、お別れしましょう!
資料館を出てしばらくすると、さらに閑静な住宅街になる(正直歩いて面白い景色は少ない・・)
が、のんびり食事をするなら ココ!
少しお高めですが、気持ちが豊かになれるお店です。お酒も飲めるよ!
色んな意味で、お腹いっぱいになりながら
目指せ! 内宮!
(おしまい)
- Special Thanks -
ながたさんの記事をきっかけに、この記憶を思い出しました・・・伊勢神宮に行くキッカケに・・・なるかなぁ・・
※ 訪問したのは、2015年5月現在の情報です。
(情報が古くてすいません。)