交雑する人類 【読書感想文】
最近乱読しているジャンルの本がある、キーワードは
「進化論」
難しそう、ちょっと待って! 少しお付き合いください。
そう、あのダーウィンの進化論。実は最近、その進化論が進化しているのだ! その一躍を担っているのが「ゲノム」そう、遺伝子の解析。
科学好きのあなた!必見。(もうご存知かもしれませんが・・) 苦手な方も、概要くらい知っていても損はない。常識を覆す大発見が続々と発表されている、数年後の教科書が変わるはずだ(多分)。
科学に興味の無い方のために、面白かったトピックをつまみ食いでご紹介しよう。
◇◇
ネアンデルタール人は賢かった
DNAから分かったネアンデルタール人は、昔読んだ復元図のような前かがみの猿人に近い存在ではない、もっと我々に近い。スーツを着て電車に乗っていても違和感がないレベルだそうだ。しかも脳の容積は、我々ホモサピエンスよりも大きかった。なぜ、滅んだのか・・・
樹木図は間違い
進化論の図は、太い幹から枝、枝から小枝に分かれてどんどん細くなっていく、その先端が人類。こんな感じですよね。ところが、人類に関してはこれが誤りだとわかってきた。
わかってきた人類進化の図は、「あみだくじ」。色んな人類がそれぞれ進化しつつ途中で交わり、また分かれて進化、そしてまた交わり・・ これを繰り返して、我々が今いるのがあみだくじの「当たり」の位置なのだ。このあみだくじは永遠に続く。
ちなみに、交雑と交配の違い
交配は同一種に対して使用する。交雑は別種との交配を意味する。
人種の概念も・・・
アフリカから出発した人類が、世界を移動しながら枝分かれして色んな人種に分かれた、というのが従来の定説。しかし、DNA解析の結果は違う。「色んな人類」のひとつとして「我々人類」の祖先がアフリカを出発した。ここまでは同じ。その後、何万年にもわたる「各地域の人類」との攻防や交雑を繰り返した結果、我々がいるというのだ。
例として、ヨーロッパの「金髪、青い目、白い肌」の方々を挙げよう。
DNA解析によると、北方ロシアから金髪の人種が移住して(攻めて)きた。狩猟民族として先住していた青い目、濃い肌、黒髪の人種。さらに、東方からも、農耕民族として移住して(攻めて)きたのは、肌の色が明るく、暗い髪、茶色の目の人種。
その後、定住混血が進んだ経過が、金髪青目白肌の北ヨーロッパの方々というわけだ。
◇◇
何万年もかけた壮大な話でした。
もっと詳細を知りたい方は、本書をどうぞ!
読んだ後、人種ってなんだろう、と考えた。色んな人の大移動がウルトラマンのオープニング映像の渦のように起きる。(古い表現でスイマセン、おじさんしか分からないかな 汗)
結果ではなく途中経過。いわばスクリーンショット。
DNAから見た人類の移動の歴史から見ると、人種というのは「たまたま」現在の状態を表しているに過ぎない。それを、今の我々が勝手に区別して優劣をつけたがっている、DNAからみると同じなのに。
交雑と攻防で彩られた人類の歴史、私がエロなのは、生き残りとしてやむを得ないのかも知れない。(言い訳すんな!)
(おしまい)