帰国日和 【旅日記】
「オレ、あの時マジ死んだかと思った・・」
家族で昔話に花を咲かせている時、息子がボソリと言った。それは、約20年前のこと、息子が5歳の時に行った「パラオ」での出来事である。
あれ?
どこかで聞いた話ですか?
そうなんです、あれから1年2ヶ月ついに帰ってきました「パラオ」
帰ってきたウルトラマンじゃなくパラオ、続編のはじまり〜はじまり〜♪
◇◇
1年前は、7月下旬での滞在であったが、今回は9月訪問に決めた。ところが台風シーズン、前日の9月10日まで東海地方に台風が接近しており、飛行機が欠航していた。
「どこか行って!」
妻の祈り(脅し?)が通じたのか、すんでのところで台風も過ぎ去り無事離陸。同じところに2年連続で訪れる事が少ない我が家なのだが、実は、もともとパラオに行ってみたいと思ったきっかけの場所に、昨年行きそびれていたのだ。
その場所とは?
「ジェリーフィッシュレイク〜♪」 (ドラえもんの口調で)
ジュエリー(宝石)なフィッシュじゃないのだ、ジェリー(ゼリー)なフィッシュである。そう「く・ら・げ・湖」なのだ。くらげ満載の湖で潜ることができるのだ。
◇◇
今回も、JAL直行便を利用。待望の「くらげさん」と泳げる! 機内では、くらげと遊ぶ夢を見ながらスヤスヤと眠っていた Zzz。。。 ところが、寝ている間に色々事件が起きていたのだ!(チャチャ チャーン♪ チャチャ チャーン ! )
着陸入国後、ホテルに着くなり手荒な歓迎が・・
「とりあえず部屋に入って下さい」
「今、それどころじゃないので、、」
え?
それどころじゃないって、どういう事?
我々、お客様なんだけど、、
◇◇
深夜のフライトだったので、眠い・・
本日は、2001年9月12日・・ さあ何しよう
未就学児を海外に連れ回している理由のひとつに、視野を広げて欲しいなと、思っているからだ。テレビで見る世界はリアルじゃない、実際に肌で感じて欲しい。幼少期の経験は、はっきり記憶には残らないと思う。それでも何か、脳みそに刺激を与えることができればいいな。知識として教えると、親の私自身の考え、バイアスが入る。そうではなく、自分で何かを感じて欲しい。くだらない差別偏見を持たない人に育ってほしいのだ。
なんで、こんなカッコイイ話をしているのか?
隣にCAさんがいるんですよ。。(^。^)
◇◇
「だいじょうぶでしたか?」
美女達から突然話しかけられ、ドギマギ えっ? 機内で私が爆睡していた時、ひとつめの事件が起きていた。妻が、用を足しに行った際、軽い立ちくらみで倒れていたのだ。
介抱して頂いたCAさんが、妻の顔を覚えていたのだ。
その後、何度もCAさん達一行に出会った。えっ? なんで、CAさんがパラオに滞在しているのかって?
そうこれが、前日2001年9月11日に発生した事件のふたつめ。
事件の全貌が判明するまで、飛行機が飛ばせなくなったのだ。
◇◇
◇◇
なんくるないさ~
じたばたしてもしょうがない、天命を待つしかない。開き直って、パラオで遊びほうけている、本日は、念願のジェリーフィッシュレイクなのだ。
昨年、はじめて出会ったミクロネシアの方々に、目をまんまるに見開いて驚いていた息子も、今年は慣れたもの。異世界に馴染んでいた。よしよし
その息子が、馴染めなかったのが、くらげ湖。泳げないにも関わらず、浮き輪いっちょで、クラゲだらけの湖に連れてこられたのだ。それが、恐怖体験となり、冒頭のセリフに繋がる。
この時の記憶だけが、20年経った今も残っているらしい。それ以外のきれいなCAさんも、美味しい料理も、こんな素敵なビーチもいっさい覚えていない。
◇◇
最後の夜は、サンセットクルーズに出かけた。いや最後になってほしい。まだ飛行機が飛ぶかわからないのだ。一緒に参加していたカップルは、我々が入国した日に出国する予定だったとの事。以来、ホテルに缶詰め、連絡がありしだい出国する準備をしていたが、5日目にもなると外出禁止も辛くなり、抜け出して来たらしい。
さて、いよいよ出国予定の朝
荷造りをして、電話を待つ。ドキドキの一瞬だ。
「ぷーぷー」
部屋電話が鳴る。
予定通り飛行機が飛びます! やった!
◇◇
飛行機に乗ると、例のカップルも乗っていた。目が合うとガッツポーズでたたえあう。
離陸した
安心したら眠くなり、4時間のフライト、ぐっすり寝ているうちに・・
アナウンスが・・
「本機は・・・
予定より15分遅れて、到着しましたことをお詫び申し上げます。」
「いいよ!いいよ! 5日も待ったんだから!」
後方、声の主は、あの男性であった。
―参考情報―
いい写真が撮れなかったので、写真を見たい方こちら
(おしまい)
25年前のパラオは
慰問の地であった
パラオ以外の、家族タビにも興味がある方。
拙作どうぞ、