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中堅看護師、3ヶ月の修行を終えて

 実は、転職云々言っている間に病棟から離れて「心臓カテーテル室」という部署に3ヶ月間修行に行って参りました。

看護師の仕事は「診療の補助」「療養上の世話」と法令で規定されています。病棟看護師8年目、「療養上の世話」に重きを置いてきた看護師人生です。心臓カテーテル室(通称カテ室)で業務は「診療の補助」がメイン。私は一人一人にじっくり寄り添いたいタイプなので、自分に合っているのかsスピード感についていけるのか、やりがいを感じられるのか不安でした。

ところがどっこいです。

3ヶ月終えてみて、

楽しかったー!!神様からのご褒美のような時間でした。


研修報告としてカテ室の主任さん、師長さん、1番フォローしてくれたS先輩、(もともといる部署の)病棟師長さんで座談会がありました。3分スピーチということで準備した文章で、読んでもらう用ではないのですが、記録として残そうと思います。

カテ室の修行で学んだこと

 カテーテル室でどんなことが行われているのか、薬は何が使用されているのか、どんなリスクがあるのか各職種はどんな役割を果たしているのか、何一つ知らないままここにきました。ほぼ0の知識だったため、学んだことはここでしていることの全てですがその中でも学んだこと感じたこと3つのことを話したいと思います。

1つ目、カテ室の看護について

 カテーテル検査治療を受ける患者がいつからいつまでカテを意識するかという話をオリエンテーションで説明を受けました。その答えはカテをするために入院が必要と言われた日からカテが終わり退院して次の外来までです。その時、「継続看護」という言葉が浮かび、カテにおいてその視点が今までなかったことに気がつきました。病棟ではカテのパス入院ならプライマリーはつかず、入院をとった人・カテ当日の受け持ち・退院日の受け持ちと途切れ途切れの看護になってしまいがちです。その人がどんな思いでカテーテルにのぞむのか、初めてなら緊張しているのか、以前に体験しているならどんな体験だったのか、またカテーテルを終えた人は何を感じているのか、、、寄り添えていなかったことに気がついた初日でした。
 そんな中、私は本当にたくさんの方にフォローをしていただきたくさんの看護観に触れました。カテ室にくるまではカテ室の看護は検査治療が円滑に行われるための「診療の補助」だと思っていました。しかしカテ室において「円滑」であることの意味はとても深く、早く終わることが患者さんにとって大切なことだと学びました。カテ室を安心安全安楽な場にするために抜けがないように情報収集し、起こりうるリスクに備え、多職種と声を掛け合い、医師の手技を止めないように医師に声をかけるタイミングまで考慮し、その姿がプロフェッショナルで素敵だと感じました。患者さんに対しても、初回なのかそうじゃないのかを確認し、初回であれば緊張が強いことも考慮して声かけをこまめにしたり、カテ中の体勢が安楽かどうか既往歴からも推測したり、局所麻酔の時は側で声をかけ時にはタッチングをしたり、、、私も普段から入院生活が安心安全安楽に過ごせることを意識しています。形は違えど、ここでも同じ目的の看護に出会えたことに感動し、安心安全安楽は看護において世界共通用語だと感じ嬉しく思いました。

2つ目、チーム医療について

 多職種(医師・看護師・看護助手・臨床検査技師・放射線技師)で声を掛け合い、お互いの役割・力を信頼し尊重し協力して進めていくことの達成感を病棟では体験したことがなく、カテ室に来てよかったと思う大きな理由でもあります。8時半に多職種で集まり情報共有し、KYTの復唱で今日もチームで頑張ろうと毎日思うことができました。ちなみに、「わからないことは何度でも聞こう」と「助け合い早く帰ろう」は心の荷が軽くなりとても好きです。

3つ目、指導・育成について

  病棟では教える立場になることが多く、どうフォローすべきかを悩んでいましたが、ここでは教えてもらう立場になり、自分が学ぶ身としてどうありたいかを久しぶりに考える機会となりました。
教えてもらう立場として嬉しかったのは、
・業務をこなすことより進行が遅くてもいいから理解することを優先して時間をかけてくれたこと
・早起きして毎日予習していましたがその努力に気づいてくれたこと
・病棟での経験を尊重しながら教えてくれたこと
・カテーテルの種類や造影剤の種類などマニアックだけど興味深い話をしてくれたことです
「こう言ってもらえると嬉しいな」という経験がたくさんあり、フォローする側になった時に実践に活かしたいと思います。

 この3ヶ月の経験から今後私が取り組みたいことは「継続看護」です。
カテ前ではマニュアルのオリエンテーションではなく、その人の不安の軽減になるような説明であったりカテ室で必要となることの情報収集、。
カテ後ではカテーテル中のことから起こりうる合併症を考えた看護。
治療をした人ならカテ後が1番生活を見直すのにいい機会ではないかと思うので、カテーテルの「継続看護」として指導も大切にしていきたいと思います。

学び多き時間をありがとうございました。恩返しできるように精進します。


以上。


修行の最終日に、お世話になっていた先輩(強くたくましく、でも育てることに愛情を注げる優しいママナース)にどんな報告会だったのか聞かれたので、このスピーチ原稿を渡しました。
「伝えたかったことが全部伝わってる」と。涙ぐんでるようにも見えました。渡すつもりではなかったのですがスピーチ原稿を大事に持ち帰ってくださいました。嬉しい。

バチェロレッテ風にいうと「心が動いた瞬間」でした。

最後に語った、この場に置いての「恩返し」とは何か、考えていかないといけないなと思います。

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