8/18(水) 午後3時
午後3時。おやつの時間だ。
甘い飲み物を買うために、同僚と会社の近くのスーパーへ向かった。
その帰り道、天気雨が降ってきた。今日2回目。
太陽が薄雲に隠れ、やわらかく霞んだ空気にシャラシャラと落ちてくる雨粒が、頭を、顔を、体を打つ。
だんだん雨は強くなる。けれど、私たちの歩みはゆっくりのまま。
「水たまりを見ると、意外と雨、降ってるんだなって思うよね」
「意外と降ってるって思うのに、私たち急がないよね」
1回目の天気雨が作った水たまりと、現在進行形で降り注ぐ雨粒が作り出す波紋を見ながら私たちは笑った。
会社とスーパーの間に、凹凸が多く水はけの悪い砂利道がある。
雨が降ると、すぐに凹んだ部分に水が溜まってしまう。さらに車がよく通るので、水たまりが濁る、濁る。
今日も今日とて濁っていた水たまりは、少し強い風にあおられて鱗のような波紋を描き、仄かに薄暗くきらめいていた。
「なんだかこの水たまりもオーロラみたいに見えるね」
そう言って水たまりを大股で飛び越えた同僚の感性は、けっこう素敵だと思う。