（連載）青森の地酒とグルメのペアリング旅〜三八エリア編〜 vol.7「にんにくバルよしだ家（八戸）
青森県八戸市を中心とする‟三八（さんぱち）エリア”を巡り、エリア内の地酒と食とのペアリングを体験する旅、第7弾。
〇澤内醸造ペアリング
八戸市にある澤内醸造は、八戸市南郷地区で収穫されたブドウを使った「八戸ワイン」から、南部町産、山形県高畠町産のブドウを使った「日本ワイン」、県南りんごとフルーツを使った「mixシードル」など、20種類ほどのワインの製造をしています。
2017年の醸造当初から亜硫酸無添加のナチュラルワインにこだわり、ブドウ本来のもつ力でワイン造りを続けている醸造所です。
インカント アランチャ 2022（オレンジワイン） × ガーリックトマト煮込み
今回は、屋台村の「にんにくバル よしだ家」さんにお邪魔しました。みろく横丁で、店内外のあちこちにニンニクのモチーフが飾られた、ガーリックのネオンの文字が光るお店です。
2024年の春、みろく横丁の26店舗のうち13 店舗が入れ替わり、大規模なリニューアルがありました。そのタイミングでみろく横丁にオープンした1店舗が「にんにくバルよしだ家」。
三戸町でブランドにんにく「福地ホワイト六片にんにく」を生産する農業生産法人株式会社よしだや。県外の催事等にも積極的に出展しており、「にんにくと言えばよしだ家」のイメージが定着しつつあるなか、観光地である八戸市みろく横丁を拠点に「よしだ家のにんにく」をさらに発信するべく始めたのがこちらの飲食店。
「よしだやの畑では、にんにくだけを徹底して栽培しています。生産者だからこそ、自社農場から産地直送のにんにくを贅沢に提供できるのが魅力」だと店長さんは話します。
今回 ペアリングでご提案していただいたのは、澤内醸造のオレンジワイン「インカントアランチャ」と「ガーリックトマト煮込み」。
ガーリックトマト煮込みは、有機肥料をたっぷりと使って土作りからこだわって栽培した糖度の高いにんにくを、自家製のトマトソースと大豆ミートで煮込んだメニューです。みろく横丁では外国人観光客が多いため、本物の肉を使うのではなく大豆ミートを使用しているそう。食べてみると、言わなければ本物のお肉と勘違いしてしまうような肉感と満足感があり、お肉と遜色ない味わい。刻んだにんにくがたっぷりと入っていて、一口食べるだけで元気になりそうです。付属のバケットにガーリックとトマトソースをたっぷりと乗せて食べるのがおすすめですよ。ちなみに化学調味料も不使用だそう。
オレンジワインとは、赤ワインと同じ製法で作られた白ワインのこと。通常白ワインを作る時は、潰した後に果物のブドウの皮や種を取り除くそうですが、皮や種を取り除かずにタンクで発酵させ、ワインだけ抜き取ったものがオレンジワインになります。果物のオレンジを使用しているのではなく、あくまで白ぶどうを使用したワインです。澤内醸造のオレンジワインは八戸市南郷地区で獲れた白ぶどうを使用して作られています。よしだ家ではニンニクに合うオレンジワインを常時メニューとして扱っており、グラスワインが楽しめます。
メニューを見るだけでも元気になりそう。
有機肥料や栽培方法にこだわって作られた最高品質のよしだ屋のにんにくと、同じく栽培方法 や製造方法にこだわって添加物のない状態で作られた澤内醸造のオレンジワイン。どちらも身体に優しくありながらも、しっかりと味にパンチを残してくれるペアリングです。
また、定番メニューとして「ローストガーリック」がおすすめ。剥きにんにくを素揚げして焦げ目をつけるようにローストした、見た目にもインパクトのあるメニューです。素揚げのにんにくは他のお店にもありますが、にんにく丸ごと1玉をローストしたメニューは珍しく、インパクトがありますよね。
食べる時は爪楊枝を刺して持ち上げると一片ずつ外れるので食べやすいです。ジャガイモのようなホクホクとした食感と、にんにくの素材そのものの味を味わえるのはこの調理方法ならではです。
各座席の前にはよしだ屋で製造・販売しているにんにくを使ったにんにく味噌などの調味料が数種類置いてあり 全て試食することができます。味見して気に入った方は店内で購入も可能ですよ。
またよしだ家オリジナルのガーリックなドリンクは、この店ならでは。ガーリックビール、ガーリックハイボール…気になった方はぜひ挑戦してみてくださいね！
【Info】
店名：にんにくバル よしだ家
住所：八戸市三日町25 八戸屋台村みろく横丁内
TEL：080-9526-0234
営業時間：17:30～00:00（L.O.23:30）
定休日：日曜日
URL：https://www.instagram.com/garlicbar_yoshidaya/
https://www.yoshidaya-garlic.com/
記事
鈴木 麻理奈 プロフィール
グラフラボ ライター・編集者
https://graphlab.blue/
青森県出身。2013年よりライター業を開始。
官公庁や県内企業が発行する行政資料や観光パンフレット、広報誌・ウェブメディア等の冊子編集・ライティングを行っています。伝統文化や観光情報、地産品の紹介など、青森県内で活躍している人・もの・ことを幅広く取材。時には畑へ行き、漁船に乗り、工場見学にも伺います！これまで300名以上の方のインタビュー実績あり。