花巻旅行記 一日目
2024年9月18日
東京駅
大体10時過ぎくらいの新幹線に乗って、まずは一ノ関駅へ向かいました。
家を出るのが思ったよりギリギリになってしまい、謎の半ギレをかましながら天むす弁当を入手、東北新幹線に乗車。名前は忘れました。
この旅は人生で初めての一人旅です。普通の旅行や外出のときって、前日に絶対「ダルすぎる……もうやめよう……」タイムが訪れるものですが、今回は皆無。幸先の良いスタートです。いや、いつだってそういうの行けば楽しいんだよ絶対。分かってるんだよ。でもダルいんだよ。
隣の席には親と同じくらいの年代のご夫婦の、男性の方が最初座りかけてたのだけど女性の方と交代してそのまま最後まで行きました。昨今色々とあるものね……。ありがとう、優しさ……。溢れる安心感……。その気遣いができるご夫婦の男性だったら隣でもなんら不安はないというこのジレンマ……。多分本を読んだり色々とSNSを見たりお弁当を食べたりしていたら結構あっという間につきました。
一ノ関駅
目的地は、「石と賢治のミュージアム」。新幹線の一ノ関駅から電車に乗り換えて一時間弱くらい?だった気がします。
しかし。
電車が、止まっていたんですねぇ~~~。
整備かなにかの関係で16時くらいまで電車が動いておらず、(閉館時間は17時、)詰みました。とてもじゃないがキャリーケース持って歩ける距離ではなく、タクシーを拾って往復数千円かけて行くか、このままぼんやり駅周りをウロチョロするしかないか……と思い、とりあえずあてもなく駅周りを彷徨ってみる。見事に誰もいない。かろうじてタクシーは一台いる。でも往復いくらかかるんだと思うとだいぶひるむ。
結局、北上まで進むことにしました。新花巻までの特急券を払い戻してもらい、自由席で移動。
日本現代詩歌文学館
北上駅に到着し、新たな目的地は「日本現代詩歌文学館」。ここは研究室の先生に教えていただき、行先候補に入っていたのですが今回は断念しようとしていた場所のひとつ。
徒歩で移動。涼しくて気持ちいい。文学館前の公園の芝が物凄く綺麗だった。
何があるのかよくわからないまま行ったのですが「インテリアと詩歌」という展示をやっていました。
広く「インテリア」に関する詩歌が展示されていて、短冊に言葉を書いてクローゼットのようなところに吊るせる体験型の展示もあって面白かったです。石垣りんの『島』という作品が好きでした。真理亜(所属劇団でこの前までやってた演劇の登場人物)みたいだなって思った。あと、葛原妙子の短歌はやっぱりじっとりと不穏で良い。直筆の出品作品だと、徳道かづみさんという方の川柳がユーモラスで好きだった。
Web展示室で見られるみたい。
ここは常設展が期間で入れ替わるスタイルなので展示期間が結構長く、これも来年の三月までやってるみたいです。
なんと入場無料でした。併設のカフェもあって落ち着いて過ごせる静かで心地よい空間。人はちらほらって感じ。
で、この展示自体は休憩も入れつつぐるっと歩いて多分一時間弱?くらいで見終わったのですが、ここには書庫と閲覧室があり、ここがすごかった。
閲覧室の書架にある本はかなり限られているのですが、受付の方にお願いすると書庫からすぐに本を出してきてもらえます。
私はここで千草創一の歌集『砂丘律』『千夜曳獏』、詩集『イギ』を読みました。いずれも初版。砂丘律はちくま文庫のを持っているけど、やっぱり装丁の美しさからして別物だ。
パンフレットを見て見ると、この館は明治以降の詩歌に関する資料をとても幅広く収集していて、私自身はそこまで詳しいわけではないのですがその道の人にとってみたら宝の山だと思います。
詩集とかって、小説なんかと比べたらきっとそこまで多くの部数が出るわけじゃないし、時機を逃すと全然手に入らなくなっちゃったりしがちだと思います。だからそれをとにかく全部集めて保管しよう!という場所があるのは素晴らしいなと思いました。
そんなこんなで閲覧室にいたらいつの間にかチェックインの時間が迫っていて、バスの時間は思いっきり逃したのでまた歩いて北上駅に向かいました。
宿・夕食
泊ったのはホテルグランシェール花巻。超駅チカで大変便利、かつ快適で綺麗。とりあえずチェックインを済ませて部屋でぼんやりしていたのですが、ぼんやりしているうちに近隣の飲食店が軒並み閉まって周囲が真っ暗になってました。
食べログとか色々見て、まずその辺にあったイオン?だったかなんだかに行って翌日の飲み物と行動食を入手しました。マジで道暗くて怖かった。大したもの買わなかったので駅のNew Daysで済ませるべきだった。
結局駅前で謎にオシャレな空気を放っているクラフトビールのお店に入ってビールとピザとサラダを食べました。美味しい。ビール飲めるようになってて良かった。ここだけ本当に異様にオシャレで陰キャオタクの私的にはちょっと怖かったです。店員さんもギャル(多分)(偏見)だし。朝は一階でベーグルサンドとかが食べられるらしい。
ホテルに帰って手紙を少し書いて、大浴場に行った。
ここで気が付いたこと。今まで、「大浴場に置いてあるドライヤーって性能いいやつ多いな~」と思っていたのだが、よく考えたらそれはドライヤーの性能の違いではなくて空間の広さの違いだ。家の狭い洗面所よりも湿気の逃げ場が多いから早く乾くのだ。なんでこんな簡単なことに今まで気づかなかったんだ……。大浴場、すっごく広いわけじゃないけど空いてて綺麗で静かでとても良かった。
気楽だ、一人旅。予期しない事態に陥っても、知らない道を適当に歩いても、夕食を食べる場所を全然調べてなくても、自分以外の誰にも迷惑をかけない、文句も言われない。最高だ。と思いながら寝た。
二日目に続く。