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花巻旅行記 二日目

2024年9月19日

宿・朝食

 前回から「花巻旅行記」っていうタイトルで書いていたけど前回は正確には花巻じゃない話がほとんどだった。まあいいか。今回は本当に花巻の話だ。

 朝は7時大浴場まで行くのがちょい面倒だったので部屋でささっとシャワーを浴びてホテルで朝ごはんを食べた。写真は取り忘れました。サラダとかパンとかそういうのを食べた気がする。岩泉ヨーグルトというヨーグルトがねっちりしていてとてもおいしかった。ホテルメイドのイチゴジャムもおいしい。

 食べ終わったらバスの時間まで郵便局に行って手紙を出したりして、出発。

宮沢賢治記念館

 これが今回の旅行の主目的。バスと徒歩で40分くらい?割と歩いた。
 この時点で10時前だったので、途中の花巻博物館(ジブリとアニメージュ展というのをやっていた)にいくかどうか迷う。結局やめて、時間が余ったら夕方に行くことにしました。

 あとこれ回避可能なルートがあったのか謎なんですけど三百何十段かある階段がキツかった!なんこれ⁈⁈聞いてないが⁈
 階段の横に雨ニモ負ケズが一文字ずつ貼ってあったけど読む余裕なし。

階段の入り口

 なんか建物の裏手みたいなところに出て不安になりつつ、山猫軒を過ぎて無事到着。よだかの星のレリーフみたいなのがあった。
 で、この段階で入り口のとこに中学校の校外学習らしき集団がいる。おっと……?
 一旦それが全員入るまでよだかの星の前でやり過ごして、恐る恐る入る。学生なので入館料は250円。安っっっす。
 ほんで展示室に入ったのだが案の定、中学生の集団が、いる。そしてなんなら小学校の校外学習までやってきてガチモンのカオスになり始める。ウワーー。想像を遥かに超える人口密度だ。

 2024年は『注文の多い料理店』『心象スケッチ 春と修羅』の二冊の刊行百周年なので特別展をやっていた。これが見たかったのでとりあえず小中学生がたまっている常設展をすっ飛ばし奥まで進んで特別展へ。

おわーーーー。
 すごいぞ。本物の原稿、注文の多い料理店の広告、春と修羅初版本。これが見たかったんですよ。そうそうこれこれ。

しかし!
小学生が、うるせーーーー!

 いや、いいんですよ元気なのは。てかそりゃそうよ校外学習でそんな文字ばっかのとこに連れてこられても、ねえ。最近の小学生はタブレット端末みたいなのを持ってるんですね。すんげー連写するじゃん。わかるわー。私も小学生の頃それ持ってたら絶対それやってた〜。

 にしても気が散るどころの騒ぎではないので小学生が興味なさそうな奥のほうに避難して、ざっくり1時間ほど一周。

 途中で諦めて先に昼ごはんを食べることにした。

 展示室を出ると入り口の脇に売店。なんと!そこで!直筆原稿の精密複製が買える!!
 『春と修羅』『敗れし少年の歌へる』、それから『宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の原稿のすべて』という冊子型のものを買いました。これ本当に謎で、春と修羅とかはわかるのだけどなぜここのレパートリーに敗れし少年が……? もしかして私の知らないところで実は有名なの……? (後から、何やら関連したラノベがあるらしいと聞いた。ここに入っていたことに関係あるのかは不明)
 私は『敗れし少年の歌へる』と、その元になった口語詩『暁穹への嫉妬』がとても好きなので嬉しかったです。なんで? とは思ったけど。落書きが面白いからかしら。羽がついてて舌をベローンって出してる猫のバケモンみたいなのが描いてある……。あとお魚さん。


昼食(山猫軒)

 お昼ご飯はもちろん山猫軒へ。お土産屋さんも併設されている。
 特に混んでいなくてサクッと入れた。
 
 ビーフカレーとレモンスカッシュを注文。カレーが分かれてるタイプだった。レモンスカッシュにカットレモンと赤いさくらんぼが入っていて最高だ。おいし。

カレー🍛
レモンスカッシュ🍋

 あと、今回の旅行で唯一不足していたハンドタオルを買ったよ。お土産にもなって一石二鳥〜。

宮沢賢治記念館(再び)

 ご飯を食べ終わって再入場したら、中学生と小学生が全員いなくなっていて急にめちゃくちゃ空いていました。静かだ……
 
 賢治作品の手入れ改稿については新校本宮沢賢治全集に全部載ってはいるのだけど、元はやっぱり一枚の原稿用紙に重ねて書いてるものなのでそれが見られると新校本の言ってることが急にわかりやすくなる感じがした。藤原嘉藤治旧蔵本の解説もあって、出版された後も書入れを行っていた様子がわかり改めて賢治作品の特異性を感じた。この執拗とすら思えるくらい繰り返される手入れは一体全体どういう衝動なんだろう。
 常設の展示室のほうも一通り見て、映像展示も興味あるとこ見て、人が少なかったので写真とかメモとかもがっつりとりながら行ったり来たりして満喫できました。来館者ノートも書いたよ。
 受付でお願いすると企画展の解説冊子がもらえました。

宮沢賢治イーハトーブ館

 13時半くらいに、もう一つくらい行けそうだな〜と思い、宮沢賢治イーハトーブ館というところに移動しました。
 そこへ至る道はすんごい急な坂に綺麗な花壇があって途中に日時計とかもあって楽しかった。賢治が設計したやつ、とかだったっけ?

 宮沢賢治イーハトーブ館では「1924年の春ー『春と修羅』『注文の多い料理店』刊行100年ー」という展示をやってました。こっちはもっとがっつり学術研究!って感じのパネル展示で、密度がすごい。
 流石に疲れてきたので喫茶コーナーでコーヒーフロートを食べた。ここにすんごい姿勢がいい真っ白いワンピースのお姉さんがいて、もしかしたら幻だったかもしれない。

 ここでコーヒーフロートを食べながら休憩がてらXを見てると、なんと!!

 【速報】走行中に分離か?東北新幹線で連結車両が分離した状態で停車 東京ー新青森間で運転見合わせ 再開見込み立たず

 嘘やん。どういうこっちゃねん。
 え??帰れないってこと????

 と思い、むっちゃ焦ったんだけどさらに調べたら普通に再開してました。移動日じゃなくて良かった。後から分かったことだけど、帰った翌日にも新幹線が止まっていたらしく無事に行って帰ってこられたのはかなりラッキーだったのでした。

 安心したので展示室に戻り、展示を見る。春と修羅の構想段階から宮沢家本までの構成の変化をまとめた映像が面白かった。

 ここには二階に図書コーナーがあるので、さっき見たものとメモと新校本を見比べる。途中分からないところがあって館の方に手伝っていただいたりダメ元のお願いを叶えていただいて猛然とメモをとったりしていたら、あっという間に閉館時間だった。ここで紹介していただいた宮沢賢治で卒論・修論を書きたい人向けのオンラインセミナーにも参加したのだけどこれもとても良かったです。

 これ、閉館時間までいてしまうと帰りの電車まで駅で30分以上待つことになるのでちょっと早めに出ようとか思ってたんだけど全然ダメでしたね。大人しく駅の待合室で待ちました。無人駅ってシステム間違えてないか心配になる。

宿・夕食

 一泊目に引き続きホテルグランシェール花巻に泊まる。
 この日は疲れてすべてのやる気をなくすことが目に見えていたので前日にホテルのお弁当を頼んであった。部屋にあった見本の写真がだいぶ正体不明だったのでやや不安だったのだけど豪華なとんかつ弁当だったよ。おいしい。これを吸い込んで大浴場にもちゃんと行って、就寝~。


部屋にあった案内(マジでこれ何?)
実際のお弁当(美味しい)

 この日は人生でほぼ初めてと言ってもいい「もう字読めねえ!」という状態になった。普段常に文字を読んでいないと落ち着かない活字依存症なのに……そのくらい膨大な情報を取り込んで大満足でした。
 

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