夏のおにぎりは梅干し
6月も半ばにさしかかり、だいぶ日が長くなってきましたね。
もうすぐ夏至です。
毎年夏至と冬至に行われている100万人のキャンドルナイト。
「でんきを消してスローな夜を」を合言葉に、2003年に始まったこのムーブメント、今年で20年目を迎えます。
夏至直前の土曜日6月18日には、港区・増上寺にてイベントも開催されます。https://candle-night.tokyo/
気候変動や紛争、感染症など様々な問題がある中、未来の地球を守って1つになるというメッセージを込めて、キャンドルロードが作られるそうです。
イベントに行けなくても、キャンドルナイトはどこからでも参加できます。
6月21日の夏至の夜8時~10時まで、キャンドルを灯してゆっくり過ごしてみませんか?
身近な方にも、ぜひお伝えください。
今週の暦です。
一年を24に分けた二十四節気と、さらに三分割して72に分けた「七十二候」をご紹介しています。
二十四節気は、6月6日から20日まで
「芒種(ぼうしゅ)」
芒種の「芒」は「のぎ」という、稲の穂先にある針のような突起のこと。
暦便覧には、「芒(のぎ)ある穀類、稼種(かしゅ)する時なればなり」とあり、稲や麦のような穂の出る穀物の種を蒔く時期という意味です。
実際には、麦は収穫の時期で、苗を田んぼに植え付ける田植えの時期とされていますが、田植えも5月には終わって、苗がすくすく育ってきている頃ですね。
麦畑では、金色の穂がフサフサに実って、美しく輝いています。
「蟷螂生(かまきり しょうず)」
七十二候は、6月6日から10日まで芒種の初候「蟷螂生(かまきり しょうず)」、かまきりが生まれる時期。
6月11日から15日までは次候、「腐草為蛍(くされたるくさ ほたるとなる)」、蛍が飛び交い、光り出す時期。
草が蛍になると言われても、あまりピンとこないですね。
蛍には「朽草(くちくさ)」という異名があるのをご存じでしょうか。
蛍は、土の中で蛹になり、1週間ほどで羽化して枯れ草の下から出てきます。
昔の人は、その様子を見て「枯れて朽ちた草が蛍になった」と信じていたようなのです。
なんだか夢がありますね。
蛍の光り方には、「1/fゆらぎ」と呼ばれる独特のリズムがあることがわかっています。
星の瞬き、小川のせせらぎ、、そよ風、炎のゆらめきのように、自然界に存在すると同時に、心臓が拍動する間隔のように、身体の中にも存在しています。
自然に触れて癒されるのは、リズムが同調するからなのでしょうか。
1/fゆらぎを感じている時の脳波は、α派が増えるそうです。
冒頭でご紹介しました「100万人のキャンドルナイト」。
キャンドルの炎も1/fゆらぎを持っています。
夏至の夜、電気を消してゆったり過ごしてみてはいかがでしょうか。
「梅子黄(うめのみ きばむ)
6月16日から20日までは芒種の末候「梅子黄(うめのみ きばむ)」、梅の実が黄色く熟す時期です。
梅の実は、梅干しや梅酒、煮梅など、昔から保存食としても欠かせないものでした。
まだ熟していない「青梅」には、わずかに有毒物質が含まれているので、生では食べずに加工されてきたのですね。
東京都福祉保健局の有毒植物のページには、アミグダリンという成分が、酵素によって分解されて青酸を出し、頭痛・めまい・けいれんなどの中毒を起こすという記載がありますので、お気をつけください。
梅といえば、何と言ってもあの酸っぱさが特徴ですよね。
酸味の正体は、クエン酸・リンゴ酸・コハク酸などの有機酸。
この有機酸には、糖質の代謝を促す働きがあって、エネルギー代謝をスムーズにしてくれます。
疲れた時に酸っぱい物が食べたくなるのは、体に必要だからなんですね。
また、クエン酸は、殺菌・除菌効果に優れています。
昔からおにぎりやお弁当に梅干を入れるのは、この殺菌効果で食中毒を予防するためでもありました。
梅の酸っぱさを思い出すだけでも唾液が出てきてしまいますが、唾液の分泌を促して、食欲を増進させたり、消化を促進したりする効果もあります。
暑い夏に食欲が落ちてしまう方は、梅を使ったメニューを取り入れてみてはいかがでしょうか。
他にも、ビタミンAのもとになるβ-カロテンや、カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄などのミネラルも豊富で、夏バテ対策にもよさそうですね。
梅干しだけでなく、梅シロップの炭酸割りや、梅干しを作る時にできる梅酢、梅肉を使ったドレッシングもこれからの季節にはお勧めです。
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