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悩み事は、洗濯物を畳むように

洗濯物が溜まってしまうと、憂鬱になる。

ソファーの横に山積みになった洋服たちは
ぎりぎりのバランスを保って
なんとか山にしがみついているように見える。


雨の日が続くと
ベランダの物干し竿に
乾くのを待つ洗濯物が列を作る。

そうなると、
乾いた洗濯物の山は大きくなる。


大きな山を見ると
ちょっとため息がでる。


こんなにたくさん、畳みたくないなぁ。
めんどうだなぁ。


でもやらないと、あとで余計な苦労をする。
例えば、3歳の次男が
「きいろの電車の靴下がいい!」と怒り出したときに
片方が見つからなくて困るのは私。


だから、大きな山の麓に腰を下ろして
頂上から少しずつ山を解体していく。


小さな靴下が片方しか見つからず
山を掘るように探してみると
バランスを崩した洗濯物が倒れた。
畳み終えた洗濯物の上に。
あぁ。やりなおし。


そうそう、「悩み」は洗濯物みたい。
畳みながら思う。


溜め込むと大きな山になって
重なって
からまって


ひとつひとつ
上から順番に畳んでいけば
きっちりキレイに仕分けができるし
あるべき場所へしまうことができるのに


山の中から
何かひとつ探そうとすると
とたんにバランスが崩れてしまったり
他の問題が起きて
探したかったものは見つからなくなる。


表面に見えている悩みは
表面だけのものではなくて
他の問題もからんでいて
絶妙なバランスでそこにある。


表面だけを綺麗にしようとしたり
無理に中を探そうとすると
うまく片付かない。


ひとつひとつ丁寧に
上から順番に畳んでいく。


洗濯物も、悩みも、そう。


いちばん上にある悩みはこれ、
その下に見えている原因はこれ、
でもその下には実はこれがあって、
さらにその下には違う悩みがある。


うえからひとつずつ
畳んでいくと見えるもの。


そうやって、
ひとつひとつ綺麗に片づけていけば
山を作る問題が全てなくなって
ソファーのよこはスッキリする。


最近、やっと私の心の洗濯物が
少しスッキリした。


春に小学生になった長男が
宿題をしない、とか。
学校にひとりで行けない、とか。
ひとりで行くのは寂しくて玄関で泣く、とか。
そんなにーにを見ていた次男も
ぼくも保育園に行きたくないと言う、とか。


心はいつも雨が降っていて
乾かない洗濯物が列をつくり、
山を作った洗濯物の中から
その日必要なものを探して
その場しのぎをしていたから
問題は根本からは解決していなかった。


おさまったと思ったらまた起きて、
解決したと思ったらぶり返して、
何度も繰り返して、
何度も山を崩して、
畳み直して、
やっと10月。
少し風通しが良くなったような気がする。

天気をコントロールすることはできない。
だから、雨の日に洗濯物が乾かなくて
洗濯物が山積みになっても
仕方ない、と思うしかない。


でも、心のお天気は
少し気を配れば
雨の日を減らすことができる。


心のお天気が
“晴れの日”ばかりじゃなくてもいいから
“雨が降らない日”が増えるように
心のお天気レーザーを調整してみたらいい。


そうすればきっと
心の洗濯物は山積みにはならなくて
いつもスッキリして風通しが良くなる。


そうできない日があったとしても


雨の日が増えて
心の洗濯物が溜まっても
上からひとつひとつ
順番に畳んでいけばいい。


焦らずひとつずつ畳んでいけば
ちゃんとキレイに片づけられるから
だいじょうぶ。



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