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楽屋で、幕の内。|二度としたくない「後悔」 Nov.5

気づけばもう11月。今年も終わりに近づいた。

昨年末~年始は息子のノロ(疑惑)で帰省できず、「次のGWに帰ればいいよね」と軽く考えていたが、まさか、当面帰ることができなくなってしまうとは思ってもみなかった。

私の実家はうちから車で1時間半くらいのところと比較的近いのだが、今年は例年のようには帰省できていない。高齢の母を思うと、なかなか帰れない日が続いた。先日の母の誕生日もタイミングが合わずに帰れず、お祝いをどうしようかなと考えた挙句、ちょうど今年70歳なので古希のお祝い(本当は数えでお祝いするので昨年すべきだったのだろうが…)として、近場の旅館に宿泊することにした。

母とは東京時代に箱根や熱海へ、福岡に帰ってきてからは黒川温泉へとちょこちょこ旅行してきたが、意外にも孫(私の子)とは旅行に行ったことないなと思い、夫には申し訳なかったが、母と子供2人を連れて4人で行くことに。

他の孫も含め、孫とは旅行などしたことなかったので、母も子供達もとても楽しんでくれ、孫と初めて一緒に入るお風呂も色とりどりの夕食もとても喜んでくれた。夜、寝ながらたくさん話もしたし、私も大満足だった。

夫からしてみると、「わりと頻繁に母親と旅行に行くな」と思われているかもしれないけれど、これには私なりの理由があって。

2歳下の妹が双子で母が育児に追われて大変だったので、小さい頃から近所にある祖父母宅によく預けられていた私は、半分祖母に育てられたようなものだった。だから、成長しても祖母に対する想いは特別なものがあり、社会人になってお金を稼げるようになったら、絶対に祖母を旅行に連れていくんだと心に誓っていた。

なのに、社会人になる直前の大学3年のとき、具合が悪いと入院してたった2カ月でこの世を去ってしまった。胆管がんだった。胆管がんは見つかりにくいそうで、気づいたときにはもう手遅れのことが多いというが、祖母もそうだった。

正直、数年前に亡くなった実父のときより、泣いた。

これから、ばあちゃん孝行しようと思っていたのに。「社会人になって」なんて言わず、バイト代を貯めて旅行に連れて行ってあげていればよかった。ありがとうってちゃんと言えなかった。挙げるとキリがないけれど、とにかく後悔しかなかった。

そんなことがあったから、せめて母とは沢山の思い出を作りたいし、今まで母が経験したことがないことを私が体験させてあげたいという想いが強いのだと思う。

破天荒な父(については、いつか書こうと思います)に振り回されて生きてきた母は、独身時代は旅行が好きであちこち行っていたというのに、結婚後はまったく旅行に行けてなかったし(うちは家族旅行に行ったことがなかった)、楽しいことが少なかったのではないかと思っている。

ちなみに写真は福岡市東区にある志賀島の海。週末、息子のサッカー練習試合の合間に、同じチームのママが下の娘と私を連れ出してくれたときに撮影したもの。久しぶりに見た海はきれいだったな。いつも兄のサッカーに連れていかれて退屈な娘は、久しぶりにおおはしゃぎ。見ていた私もとても嬉しくなり、たまにはこんな気分転換もいいなと思った。

子供達とも、後悔のない日々を過ごしていきたいと思う今日この頃だ。




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