楽屋で、幕の内。|行くべきか行かざるべきか Oct.21
偶然だが、立て続けに知り合い(店舗経営者)2人が同じことを言った。
「新しい店舗を出すことになって、今忙しくて」
どちらの言葉にもびっくりしたが、「やっぱり、出来る経営者は何歩も先を見据えているのだな」と納得もした。
この未曾有の状況下では「コロナで売り上げが下がっているから、今は耐えるとき」と考える経営者も多いのではないかと思う。だけど、一方で「今だから動かなきゃ」と考える人もいるのだなと、刺激になった。
ピンチのときにどう考えるか。
今回のコロナ禍では経営者でなくとも、さまざまな人が今までにない難しい判断を求められているのではないかと思う。ちっぽけな我が家でも、過去最大に難しい判断を迫られた。
実は、息子が今年4月にスペインで開催されるサッカー大会に行くことになっていたのだが、コロナで中止となった。しかし、先日「また来春に開催予定なので参加しませんか?」と担当者さんから連絡をいただいた。
今、スペインは第2波真っ只中。夫は「無理やろ」とバッサリ一言。確かに現在の状況では、とても行かせられないとは思う。大げさかもしれないが、これについては下手したら生死に関わる。
でも、本当に「無理やろ」の一言で諦めさせてもいいのか…?
もし中学高校とサッカーを続けるならば、海外に行きたくても(今、学生で増えているという海外留学などをしたくても)難しいだろう。大学までサッカーを続ければ、さらに。
世界中の小学生が集う大会なので、きっと彼より何百倍も上手な子達に出会い刺激を受けるだろう。サッカー以外でも、初海外での体験は貴重なものだろう。
コロナで中止になったと知らされたときの、息子の号泣を思い出す。最悪、人生の幕を閉じるときに後悔するレベルかもしれない。
…そんなことを色々と考え、連絡を受けてから返事の〆切だった一週間後、私が出した答えは、「参加」。ただし、キャンセルできる2月までギリギリ粘って、それでもコロナの状況が改善されていなければ(海外に行く環境が改善されていなければ)諦める…という条件付き。夫にも説明して(しぶしぶだろうが)理解を得た。
「キャンセルできる2月」といっても、その時点でキャンセルするとなると、私達にとっては高額なキャンセル料を支払わなければいけない。コロナ禍で私の収入が激減した我が家にとっては、キャンセル料はけっこうイタイ。
でも、10月に判断するより、2月に判断すべきだという「判断」をした。
可能性は低いけれど、コロナが落ち着くかもしれない。来年7月にオリンピックを開催すると言っているので、来年春ならもう少し状況が改善されているかもしれない。
そんな考え、数カ月後には“甘かった”となるかもしれないが、万一、今「行かない」という判断をした後に「行ける」状況になった場合の落胆よりは、キャンセル料を払う落胆のほう(もちろん行ければ落胆はないが)を選ぶことにした。
さあ、この判断で正しかったのか。まずは2月に結論が出る。
ちなみに、あと数日後までに「私も同行するか」の判断を迫られている。さあ、私は行くべきか(笑)
ちなみに、私も「行く」といってその後キャンセルしたら、キャンセル料は息子同様にかかるので、これまた頭の痛い問題だ。