楽屋で、幕の内。|期待を上回る Aug.12
テレビっ子である私は、バラエティー番組も大好きなのだが、ドラマも大好き。今期で最も楽しんでいるのは、やはり「半沢直樹」だ。(ほとんどの方がそうであろうが)
以前、バラエティー番組「有吉の壁」の企画がすごいという話を書いたが、ドラマ「半沢直樹」は、その対極にあるような気がしている。(バラエティーとドラマを比べるのもどうかとは思うが…)
もちろん有吉の壁は出演者のネタも面白いし、芸人さんたちも素晴らしい。一方、半沢直樹を観ていると、脚本や演出などフレームを固める方々が素晴らしいのはもちろんなのだが、力のある俳優が集まることで、おそらく脚本を大きく上回る出来となっているのではないかと感じる。
「個」の力が作品のクオリティを大きく左右するというのは、他のモノづくりでも同じではないかと思う。私の職業である編集者は、1つの特集や雑誌(冊子)ごとに、そのときの内容にあったデザイナー、カメラマン、ライターに声をかけ、即席のチームを作る。特に、東京での編集者時代はそうだった。
ドラマでいうところの「キャスティング」が、仕上がりやクオリティに関わってくるように、誌面も誰に依頼するかで変わってくると思っている。
ちょっと話は逸れるが、実は私は、15年前から堺雅人さんのファンで。今でこそ全然行けていないが、当時は舞台や映画の舞台挨拶などにも行くくらいの熱心なファン(笑)
ちなみに、今は「実力派」と言われているが、20~30代前半くらいまでは、わりと「イケメン俳優枠」に入る存在だった堺さん。私は外見が好みだったのはもちろん、あの佇まいやお芝居も好きだったので、一応、ミーハーな感じ(だった気もするがw)のファンではなかったことは弁解しておく(笑)
でも、今となっては「実力派」と言われる俳優さん。(いや、当時から実力はありましたけれども)半沢直樹を観て、やはりこれまでのキャリアの中で、常に仕事に対して真摯に向きあい、努力を重ねて力をつけてきたのだろうなと改めて思った。
いつも堺さんを見ると背筋が伸びるというか、「私も頑張らなきゃ」って思う存在で。きっと、すごく賢くて、真面目で努力家な方なんだろうなと勝手に思っていて、私も堺さんのように仕事で求められる人であり続けたいなと思う。
東京時代、入社後に右も左もわからない私に編集長が言った言葉は、今でも忘れないようにしている。「〆切より1時間でもいいから早く(企画や原稿などを)提出するとか、少しでいいから相手(依頼者や上司)の期待を上回るようにすると信頼を得られるようになるし、力もついてくるから」。
「相手の期待を上回る」ーこの言葉には、「努力や勉強を怠るな」というメッセージが込められていたのだろうなと思う。
「期待を上回る」仕事をする人が集まれば、仕上がりのクオリティも高くなるのは間違いない。「半沢直樹」は、それを改めて感じさせてくれた。
来週からは、ドラマはいよいよ後半戦。後半も、江口のりこさん、柄本明さんなど実力派ぞろいで、またまた楽しみだ。
さあ、私も仕事、頑張ろう!