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ニカラグアと日本のコロナ政策に思うこと
ニカラグアに住んでると言うと、よくアフリカ?と聞かれる。ニカラグアっていう国があるんだ!と言われて驚いたこともある。
(ちなみに国際法を勉強したことのある人は例外で、絶対に「あのニカラグア事件の!」と言う。そう、あのニカラグアだ。)
それくらい、大抵の日本人にとってニカラグアは遠い存在だ。そして興味もない。
だけど、ニカラグアでも日本と同じようにたくさんの人が一生懸命に毎日を生きているんである。
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地球の反対側にあるニカラグアまで、コロナウイルスはしっかりと届いている。
ニカラグア政府のコロナウイルス対策が不十分である点は、すでに国内外から批判されているのだけど、先日サンパウロ・フォーラムに参加したオルテガ大統領の発言がすごい。
曰く、現在コロナウイルスは甚大な被害を出しているが、そのうちにワクチンも生まれコントロールされるだろう。それよりも、国民の健康を脅かす諸悪の根源であるウイルスを根絶しなければならない。それは資本主義と新自由主義だ!
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オルテガ政権についてあれこれ言うのは控えておくが、何が言いたいかというと、大統領がこの調子なので、ニカラグアでは政府主導のコロナ対策というのがほとんどない。
市民は、政府が発表している感染者数も信用してないくらいだ。
かといって、ニカラグア人がなんのコロナ対策もしていないかというとそんなことはなく、むしろ「国は信用できないから自分たちがしっかりしなければ」の意識が強い。
オフィスワークの人たちはみんなテレワークしているし、スーパーに行けば検温され消毒した買い物カゴを渡される。町中の人々は皆マスクをつけている。
(ちなみに写真はニカラグアの反政府系の新聞より、自分で出来るコロナ対策について書かれた記事。家族がコロナに感染して死亡したら葬式はどうするか、ということまで書いてある。)
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日本のニュースを見ていると、日本人は(自分も日本人だけど)政府への期待値が高いなぁとつくづく思う。
政府がしっかりしていないと、民間や個人は必死に自分たちで頑張るけど、悲しきかな限界もある。他方で、政府がわりにしっかり色々やったとしても、国民が政府に求めるものが高度だと、大抵の政策は不備だらけである・・・
もちろん、どちらが良いとか悪いとかではなく、ぜんぜん違うんだなぁ。という個人的な感想だ。
ただ、今のニカラグア人たちが目指しているはずの、豊かで高度な社会保障制度を(不完全とはいえ)有する日本の人々が、ニカラグア人より幸福を感じているか?と考えたとき、うーんと唸ってしまうのも事実である。
結局、社会制度の現状よりも、「その社会が今どんな方向に向かっているか」が、社会の中の個人の幸福度に強く影響しているような気がする。
そう考えると、失われた20年のその先を生きている現代の日本人も、なかなか辛いんだよなぁ。と思ったりもする。