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とてつもない無能か、稀代の策士か〜寿都町・神恵内村の放射能廃棄物処分場問題について〜
今、北海道を揺るがせているのが寿都町と神恵内村が発表した放射能廃棄物処分場建設問題。
当然周囲の自治体&住民は猛反発。
何が問題かって、特に寿都町の隣にあるのが黒松内町・蘭越町という酪農と農業が盛んな町があり、島牧村、岩内町という漁業が盛んな町がある、ということ。
何かあった場合は取り返しがつかない事態になるのは容易に想像がつきます。
それを無関係な人が引っ被るという、福島第一原発の時に何度も耳にした悲劇が繰り返されるかと思うと、もうね…。
もっというと、寿都町も神恵内村も奇岩が多いところ。
地質学的には「奇岩が多い場所は地盤が弱い」というのは定説らしいですね。
実際、寿都町の隣の島牧村では第二白糸トンネルが崩落した後、復旧までに約2年を要し、神恵内村に至っては積丹半島を1周させるトンネルを作るのに、わずか7kmのトンネル区間に28年の歳月を要する難工事だったのです。
「地盤が硬くて掘れない」のではなくて、「地盤が柔らかすぎて掘れなかった」と。
何が凄いって、これ、平成に入ってからの話ですよ…。
よくこんなとこで放射能廃棄物処分場を建てるって思いつくな…と、当時の情報を改めて思い出しながら書いてます。
ただ…kinaは思うところがあるのです。
寿都町も神恵内村も、ここまで地盤が弱いのですから、放射能廃棄物処分場の文献調査で「建設不可」と却下される可能性は十分にあるかと思います。
寿都町の町長も神恵内村の村長も、最初からそれを分かっていて却下されること前提で処分場建設に手を挙げて国からカネだけ巻き上げるつもりだったとしたら大したタマだな、と。
両首長の思惑はともかく、寿都町には何度か行ったことがありますが、とても良い町です。
漁師町だけあって魚は美味しいし、江戸末期から昭和初期にかけてニシン漁が盛んで北海道の中でも歴史が古い街で、義経弁慶伝説も残されていて、鰊御殿なんかもいくつも見ることができて、詳しく知れば知る程、興味深い話や面白いものが次々に発見できる街です。
弁慶岬の風景も忘れ難いものがあります。
そんな寿都町の良さが「放射能廃棄物処分場」という言葉でかき消されるのは本当にもったいないことだと思ってます。
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