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小説「私の隣はいつも空席」

【あらすじ】
大学生の坂見悠乃はいつも自分の右側の席に誰も座らないという不思議を体験していた。 ある日、彼女の隣に老紳士が座る。それは偶然ではなく、明らかに彼女に用事があったのだ。 その紳士から明かされた秘密に、彼女は自分の遠い記憶と再会することになる。 これは日常の不思議から思わぬ展開へと至る、ささやかで切ないミステリ。

【備考】
・本作はエブリスタの超・妄想コンテスト「あの日の約束」に応募しています。
・コンテスト期間終了後、作品が非公開になる場合があります。
・本作は以前投稿した「わたしの隣はいつも空席」に加筆・修正したものです。

【作品データ】
文字数:約8000字
バージョン:1.2
公開日:2022.9.6(オリジナル:2019.4.7)
更新日:2022.9.6

【リンク】
エブリスタ

【作品冒頭】

 ふと気づくとバスの車内で自分の隣の席だけ人が座っていない。そういう偶然の時間が訪れることがある。
 わたしは誰もがその「空席の時間」について体験するものだと思っていたけれど、流石に満員になったバスの車内で誰も隣に座ってこない、なんてことはあり得ないと二週間ぶりに電話した母親に笑われてしまった。
 今まで当たり前だと思っていたことが、自分にとってだけの当たり前で、それはおかしいよと言われるとやはり気になるもので、わたしはぼんやりと、まだ眠気の残る頭で考えながら大学の門を潜る。
#小説 #短編 #ミステリ #日常の不思議 #切ない

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