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-原理を理解してリフや滝雲を撮る-なぜその風向きで吹くの⁇《気圧傾度•コリオリ》



リフレクションのために無風を狙う時、滝雲のために程々の風を狙う時、花火のために風上側を探す時…風向きは、写真を撮る時に大きな影響を与えます。

今回は、風向きはどうやって決まるのか⁇を、まとめていこうと思います。

天気図からの風の強さの読み方はこちらの記事へ↓





風向きは、風がどの方向から吹いてくるかを表しています。
風が吹く方向は、主に次の3つの要因によって決まります。

•気圧傾度力(気圧差)
•コリオリ力
•地形や摩擦



1. 気圧傾度力(気圧差)


空気は「高気圧」から「低気圧」へと流れます。

イメージとして、
高気圧:空気がぎゅっと詰まっていて、重くて押し出される力が強い場所。
低気圧:空気が少なく、軽い場所。
という感じです。

高気圧のところで空気が押し出され、低気圧の方に流れていきます。これが風の始まりです。



2. コリオリ力


地球は自転(東から西へ回転)しているため、まっすぐ吹くはずの風が曲がってしまいます。この現象を「コリオリ力」といいます。

北半球:風は右に曲がります。
南半球:風は左に曲がります。

例えば、回転しているメリーゴーランドの上でボールをまっすぐ投げても、外から見ると曲がっているように見えるのと同じです。

北半球と南半球で向きが違うのは、地球の自転の方向の影響です。



気圧傾度力とコリオリ力によって決まる風は、windyのアニメーションで見るとわかりやすいです。

H:高気圧
L:低気圧
薄白い線が風です。

北半球では、
高気圧(時計回りで渦を巻きながら)から低気圧(反時計回りで渦を巻きながら)に風が流れているのがわかります。

高気圧から低気圧への動き→気圧差(気圧傾度力)
高気圧は時計回り、低気圧は反時計回りの動き→コリオリ力
です。

※南半球では、高気圧と低気圧の渦方向が逆になります。


最初は慣れないかもしれませんが、
windyを眺めているうちに、動かないただの天気図でも、だんだん風の動きが見えるようになってきます。(私はそうでした)

是非、普段から眺めてみてください。
等圧線のアニメーションを付けるのがおすすめです。↓



因みにもっと慣れてくると、登山中の天気図の変化もわかるようになってきます。
電波がない、複数日に渡る登山の時に役立つ!


3. 地形や摩擦


数値予報モデルでの風予報は、ざっくりな風予報です。

地面との摩擦や、山・建物などの地形によっても、風の方向が変わります。

なので、厳密な風の条件を狙っている時は、最終的にはそれを踏まえて風を予想しないといけません。
細かい風予想が必要とされていない条件の時は、気圧傾度力とコリオリ力を考えればokです。

摩擦→地面に近いほど摩擦が強く、風は弱くなって方向も変わりやすくなります。
地形→山や建物があると、風はそれを避けて回り込むように吹きます。


例えば…
街中ではビルの間をすり抜ける風が発生することがあります。
今の時期の、ビル風は冷たくて強くて、本当に辛いです。(私は平日都民)
ビル風が辛いから、早く冬が終わってほしい、、、。

また、山の近くでは風が山を登ったり、回り込んだりします。
ホワイトアウトの原因や滝雲の要因だったりになります。

摩擦や地形の風向きについては、私もまだまだ経験値が低く、勉強中です。
天気図だけではわからないので、予想して、現地観測を繰り返すのみ‼︎



まとめ:風の動きの全体像

風は 「高気圧 → 低気圧」 の方向に吹きますが、北半球の場合はコリオリ力 の影響で
高気圧では、空気が 時計回り に外に向かって吹き出します。
低気圧では、空気が 反時計回り に内側に向かって吹き込みます。

また、地形 や 摩擦 の影響でさらに複雑な風向きになります。



次回は、これを利用した例を書きたい…けど、これから撮影行くから来週かな⁇
ってことで、三連休は冬山楽しんできます!


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