エモーショナルなデザインの脇役。
今回は、簡単な自己紹介も兼ねて、これからどんなことを書いていこうと考えているのか、少しお話してみようかと思います。
雑食的なデザイナー。
いままで「デザイン」をキーワードに、様々なお仕事をしてきました。
ジャンルとしては空間系〜グラフィック系、メーカー→デザイン事務所→ベンチャーインハウス所属の後、現在はフリーランスとして活動しています。
また、役割としてもデザイナーをやっていたかと思えば、時々ディレクターになってみたり。
一般的に「デザイナー」という肩書きを持つ人たちの中では、恐らくかなり雑食的なタイプで、なかなかひとつのことを突き詰め続けられないところが自分でも悩みです。いつも自分が何者なのか、自分でもうまく説明できない…。笑
主役は張れない。
でも、そんな経歴の中でも特にフォーカスして携わってきたものが2つあります。
それが、空間デザインにおける「照明(光)」と「植物」。
ちなみに、空間のデザインにおいて、この2つは正直どちらも主役を張れる要素ではありません。(そういう意味では私自身も主役を張れるタイプではありません。残念ながら。笑)
どちらかといえば、最後の味付け的な要素。予算の都合上、後回しにされることもしばしば。そこにとことんこだわれる機会というのはそう多くありません。
そんな脇役2人を私のキャリアにおける主役にわざわざ選んだのには、いくつか理由と経緯があるのですが…、私が一番惹きつけられて止まない最大の魅力は、どちらもとても「エモーショナル」な要素だということ。
感情にダイレクトに作用する。
最近「エモい」というワードが一般的になったこともあり、「エモーショナル」という言葉も日本人にとって少し馴染みのあるものになってきました。
改めて「エモーショナル(emotional)」の意味を紐解いてみると…
古来から、私たち「人」が生きてきた世界(自然界)には、いつも光と植物が存在してきました。
雨上がりの空に浮かび上がる虹に見惚れて誰もが空を見上げている瞬間、満開の桜の下を多くの人が顔を綻ばせながら歩く瞬間。こういう情景に出会ったとき、「光」と「植物」の織りなす世界が持つ人の感情への引力は絶対的で、根源的でDNAに刻まれた現象なんだな、と実感します。
実際に、デザインの現場においても、特にとても心理的作用が強く、感情を動かす力のある要素だと私は考えています。
また、どちらも完全に人がコントロールし切れない曖昧さや不安定さを持っています。その余白というか、予測不能でアンコントローラブルな領域に、人は魅了し心動かされるのかも知れません。その分これらをデザインすることは、時にとても骨の折れる仕事になりますが…(泣)。
これから。
エモーショナルな脇役2人は、一見地味な存在かも知れません。
デザインや設計、インテリアに関わる機会の無い方にとっては、もはやその存在を全く意識すらすることさえ無いかも知れません。
でも、そんな脇役こそが、「フィーリングッド」な場、時間、体験をそこに発生させられるかどうかにとても深く関係していると思うんです。
…ということで、「照明」と「植物」にデザインを通して付き合ってきた私Nagi-nag.の主観的かつ独断的視点から、「フィーリングッド」を科学していこうと考えています。
それがいつか、誰かの"わたし"が感じる「フィーリングッド」を探すヒントやきっかけになってくれたら、うれしい限りです。
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