あらすじと魅力|サマータイムレンダを理系オタクがフカンしてみた #02
こんにちは。
理系オタクのフナギと申します。
少年ジャンプ+の作品、「サマータイムレンダ(以下、サマレン)」の魅力を広めて、作品を応援するために記事を書いています。
今回は、サマレンのあらすじと魅力をご紹介します!
あらすじ
主人公の網代慎平(あじろしんぺい)は、幼馴染の小舟潮(こふねうしお)の葬儀に参列するため、故郷である、和歌山県の紀淡海峡に浮かぶ小さな離島、日都ヶ島(ひとがしま)に2年ぶりに帰ってきます。
慎平は幼少期に両親を亡くし、小舟家に引き取られ育ったため、潮は幼馴染であると同時に、大事な家族でした。
そんな潮は、海で溺れた小学生、小早川しおり(こばやかわしおり)を助けようとした結果、自分が流されてしまい、命を落としたといいます。
しかし葬儀の晩、親友の菱形窓(ひしがたそう)は、潮の死には不審な点があり、事故ではなく、他殺の可能性があることを慎平に告げます。
翌日、潮が命懸けで救った小早川しおりの一家が、突然消えてしまう事件が発生。
事態が飲み込めずにいた慎平に、潮の妹である小舟澪(こふねみお)は、しおりから最近、「自分にそっくりな女の子を見た」という話を聞いたことを打ち明けます。その時、通りかかったひとりの老人が、それは「影の病」という、島に伝わる風土病であると主張します。
「影を見た者は死ぬ 影に殺されるんや」
迷信だと受け流す慎平に対して澪は、潮が亡くなる3日前に、自分も潮の影を目撃したと言い出します。
さらに深まる、潮の死の謎。
和歌山の離島で、慎平たちの時をかける戦いが始まります。
「影」と「タイムループ」が存在する世界
サマレンの世界には「影」と「タイムループ」の2つの現象が存在し、これが私たちが住む世界との違いです。
上記のあらすじの通り、「影」は日都ヶ島に伝わる、自分とそっくりなドッペルゲンガーです。
また、主人公の慎平はどういうわけか、夏の3日間を「タイムループ」で繰り返すことになります。
この2つを意識すれば、他は私たちの世界と同じなので、作品の世界観を理解しやすいと思います。
なお、物語が進むにつれて、「影」と「タイムループ」の関連性が明らかになりますが、ここではネタバレは控えます。
さて、ここからは、僕が考えるサマレンの魅力を3つに分けてご紹介します。
魅力1:タイムループの制限と欠点
サマレンを「タイムループ作品」と捉えたときに、他の作品との違いは「制限」と「欠点」の2つになります。
まず、タイムループの「制限」は、ループ回数に限度があることです。
主人公の慎平は、自身の死によってタイムループが発動し、過去に戻ることができます。
そして、過去をやり直すことによって、「最悪の未来」を回避しようと奮闘します。
ただし、ループするごとに、戻れる時刻が遅くなってしまいます。
これだけでは分かりにくいと思うので、以下の図で説明します。
図のように、慎平は死ぬたびに、過去のある地点に戻って復活しますが、2周目の復活地点よりも、3周目の復活地点の方が時間的に遅くなります。
復活地点よりも前の出来事は確定した事実になってしまいますので、ループを繰り返せば、いずれは過去のやり直しができなくなってしまいます。
他のタイムループ作品で多いのは、ループ回数に制限が無く、過去を何度も繰り返せるパターンです。そのため、「どうせループすればやり直せる」という安心感があったりするのですが、サマレンではこの制限のおかげで、常に緊張感が生まれるわけです。
次に、タイムループの「欠点」は、ループが必ずしも有利とは限らないことです。
タイムループを発動できるのは主人公の慎平のみで、これだけ聞くと、敵側は不利に思えます。
しかし、せっかく倒した敵でも、ループで過去に戻ることによって、復活してしまう場合があります。
さらに、敵側はループ前の世界の出来事を知ることができるので、前の世界で敵を倒した戦法は、ループ後の世界ではバレており、2度は使えません。
このように、慎平たちだけでなく、敵側もループを利用して対策してくるのが、サマレンの面白いところです。
魅力2:張り巡らされた伏線とその回収
サマレンには、推理小説顔負けの謎解き要素があります。
影の謎、タイムループの謎、潮の死の謎、日都ヶ島の謎などの多くの謎が、慎平と読者の前に立ちはだかりますが、タイムループを繰り返して情報を集める中で、点と点が線で繋がり、真実が明らかになっていきます。
そして、謎を解く手がかりとして、作中には、至る所に伏線が張り巡らされています。
例えば、サマレンでは、本編中に慎平たちが入手したアイテムなどが、番外編である「記録」にて読者に公開されるのですが、これが本編の伏線になっている場合があります。
以下は、記録のひとつである、慎平たちが廃病院を探索中に見つけた古い銀塩写真です。
この写真の中に、大きな秘密が隠されていると、一体誰が想像したでしょうか。
この伏線が回収された時、僕は、大きな鳥肌とともに、しばらく言葉を失いました。
ぜひ皆さんも、漫画を読んで、自身の目で真実をお確かめください!
このような番外編の記録や、本編中の出来事・発言などから真実を推理することが、サマレンの醍醐味のひとつだと言えます。
魅力3:ジャンルの枠に囚われないストーリー
知人に、「サマータイムレンダって、どのジャンルの作品?」と聞かれた時、いつも説明に困ってしまいます。
なぜならサマレンは、ボーイミーツガールであり、SFであり、ミステリーであり、ホラーであり、バトルアクションであり、ジャンルに囚われない作品だからです。
これを言うと、「詰め込みすぎだろ!」というツッコミが聞こえてきそうですが、サマレンのすごいところは、これらの多要素が相殺し合うのではなく、絶妙に絡み合い、相乗効果を生み出している点です。
以下では、それぞれのジャンルに対し、サマレンの側面を当てはめて魅力を説明します。
ボーイミーツガール
少年ジャンプ作品らしい、美しい青春模様が描かれています。幼馴染だからこその慎平と潮の距離感がとても良いです。SF
影、タイムループなどのSF要素が壮大なのですが、SFと地方の離島というミスマッチが、作品独自の味を出しています。ミステリー
魅力2で述べたように、謎解きのクオリティが非常に高く、タイムループによる複雑さが推理の難易度を高めている点も素晴らしいです。ホラー
隣人がいつ影(ドッペルゲンガー)に入れ替わっているのか分からない恐怖感だけでなく、和歌山の離島という辺境の閉鎖的な環境・島に伝わる民俗信仰が、作品の不気味な雰囲気を演出しています。また、廃病院、洞窟、夜の学校などを探索するので、ホラーゲームをプレイしている時のように、怖いもの見たさの感情が刺激されます。バトルアクション
キャラクターの息遣いが聞こえるほどの、ライブ感のあるバトルシーンが描写されます。特に、8巻「ライツ カメラ アクション」で繰り広げられる戦いの迫力とテンポは必見です。
このように、ジャンルの枠に囚われない、新規性・独創性の高さが、サマレンの優れた点です。
作品を無料で読む方法
ここまで記事を読んでくださり、「作品をぜひ読んでみたい!」と思われた方もいらっしゃると思います。
ただ、できれば、お金は払いたく無いと思います。
実は、少年ジャンプ+の公式サイト、または公式アプリでは、3話まで試し読みができます。
さらに、アプリ内でポイントをためると、全話無料で読むことも可能です。
おすすめとしては、まずは騙されたと思って、2巻(20話)まで読んでほしいです。
なぜなら、本作品は1、2巻がプロローグと言えるため、作中の世界観をこの2巻で掴むことができるためです。
そこまで読んで、自分には合っていないと感じた方は3巻以降は読まなくて良いですし、逆に僕のように「ヤバイ」と感じた方は、3巻以降もぜひ読んでください!
まとめ
今回はサマータイムレンダの魅力として、「タイムループの制限と欠点」、「張り巡らされた伏線とその回収」、「ジャンルの枠に囚われないストーリー」の3点を紹介しました。
本記事では紹介しきれない魅力もたくさんあるので、ぜひ一度、作品を手に取っていただきたいです!
次回は、本作品のキャラクターの魅力をフカンしようと思いますので、ぜひお読みください!