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その裏金で楽器を買ってください

娘は中学生になり吹奏楽部に入部した。

入部して一週間が経った頃
帰宅した娘がただいまより先に興奮気味に私に言った。

「ママ、楽器を買って!30万以上の!」

「えっ?何言ってんの?」

楽器なら学校にあるはず。

「楽器が買えないんだったら、他の部活に移動してって言われたの。
私はどうしてもサックスがやりたいの!」

興奮気味の娘におやつを食べさせてひとまず落ち着かせた。
話をよくよく聞いていると

学校にあるものはメンテナンスも行き届いていない古いものがほとんど
コンクールに出るなら、おもちゃみたいなものではなくて
30万以上の楽器を買って欲しい
購入できないのであれば、他の部活に移動かパーカッション担当になる。

と、外部講師が言っていたということだった。

例えば、テニス部でもシューズやラケットの購入は必須。
ただ、楽器となると桁がひとつ違うけれど・・・

娘にはやりたいことをさせてあげたい。
義両親に相談すると「援助するよ!」と有難い言葉。
義両親がいてくれてよかった。

親の経済状況によって、部活が限られるのもおかしな話。
本来なら自治体が楽器購入をするべきなのに。
モヤモヤした。

モヤモヤするいちばんの原因は、、
保護者に何の説明もなく、高額な楽器を
しかも30万以上のものを購入しろという外部講師だ。

4月下旬にあった学校公開日に部活動の説明会で
購入に関しての何らかの説明があるはずと期待した。

顧問の若い女性の先生は購入に関して
「学校にも新しくはないですけれど楽器はあります。
購入に関しては無理には勧めません」だった。

外部講師と言っていることが違うではないか。

はっとして振り返る。
教室の後ろに立っていたその講師は俯いてモジモジしている。
歳は20代後半くらいで色白でぽっちゃりした印象。
正直、私の苦手なタイプだ。

楽器の購入について保護者が納得するような理由を言えばいいのに。
如何にも自信なさげに突っ立っている講師が腹立たしかった。
講師に苛ついても仕方ない。

日本は教育にお金をかけない国になっているのがそもそもの問題。
教育への投資は、中長期的な成長を担保するもの。
このままの状態が続く様なら
日本経済の低迷は半永久的になる可能性だってある。
この国に未来はあるのかとさえ考えてしまう。

何十億円の裏金や献金で何台の楽器やタブレットが買えるのだろうね・・・

娘のサックスは
その外部講師の勤め先の楽器店ではなく別のお店で購入した。
総額約60万円でした、とさ・・・









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