崇拝する悪魔を逆に勧誘しようの巻

 【悲報】にじフェス落選

 それがどうしたお気持ち表明か?? という前にちょっと聞いてほしい。

 でびる様は映画やアニメ、漫画や小説など幅広くご覧になっている。自身の配信の中で語っていることもあれば、自身のnoteなどで纏めていることもある。またアニメ、映画の同時視聴などもされているため、契約者たちであれば、でびる様の好みの方向性がわかってくる。

 そして色んなものに対してうだうだと壁に向かって語り続ける私のようなタイプの人間は、たいてい好きな作品を人に勧めようとする。なので「にじフェス」にて謁見が許されるならば、でびる様に作品でも勧めてくるかとぼんやり思い浮かべていた。

 しかし結果は落選。夢ここで潰える。

 なのでここでやることにしました。「でびる様見たって言ってたわ」というものがあったらそっと教えて。

「プリティーリズム・レインボーライブ」
人間の衝突がやべー女児アニメ(?)

 お前いっつもその話しているな。

 一般浸透率で言うとおそらくスピンオフ、というか続編の「KING OF PRIZM」通称「キンプリ」の方が有名かもしれない。
 聞いたことはあるくらいの人からすると「全裸の分身がハグで観客を脱がす」「ケツからハチミツ」「腹筋と勇者の剣は相打ち」など意味不明な謎単語のイメージがあるかもしれない。我々はただ起きたことを言っただけなんです。信じてください。

 ただ今回はそちらの話ではない。その前作の「プリティーリズム・レインボーライブ」(以下RL)の話です。
 「プリティーリズム」シリーズの三作品のうち最後の一つで、前作とはキャラクター等も一新されている。「ひぐらし」と「うみねこ」くらいの距離感という認識で多分いいと思う。
 前二つも面白いけど、古めかしい女児アニメ(偽装)への耐性がないと死ぬかもしれない。あと前二つはガッツリつながってるので全視聴を強いられる。気合があるなら全部見て。

 RLの話に戻ります。
 アイドルとアイススケートの間みたいな「プリズムショー」というスポーツが流行していてナウなヤングにバカ受けという世界観。
 主人公の彩瀬なるは、新しいファッションデザインショップ「プリズムストーン」が中学生店長オーディションに参加するも、選考項目に未経験のプリズムショーがあることに当日気が付く。
 ぶっつけ本番で挑戦した彼女は突如謎の技「プリズムライブ」を発動。さらにそこに謎の少女が乱入。わけもわからない中で合格し、店長となったなるはそこからプリズムショーの世界へと進んでいく……という話。

 既に何のこっちゃって気はするんですが、まあ一話なので「これから私、どうなっちゃうのー?」、起承転結の起なのでまあそんな感じです。

 お勧めポイントは大きく分けて三つの項目。
①スポーツもの、特にダンス系の作品としての完成度
②壮大な伏線と回収
③尋常じゃない人間関係


スポーツもの、特にダンス系の作品としての完成度
 作中でプリズムショーの在り方について深く描かれていて、大スター、新技が爆発的に登場したスポーツにおける周りの流れが特に丁寧である。視聴していた際は「イナバウアー」周りの話を特に思い出した。
 また「ダンスに点数をつける」ということにも深く切り込んでいて、ストリートで集まりプリズムショーをするプレイヤー、大会で勝つことを目指すプレイヤー、みんなと一緒にやることそのものを楽しむプレイヤーなど「ガチ勢、カジュアル勢」などの話も包括している。

 やや余談。フィリップ・キャンデロロって選手がおりまして。
 彼の長野五輪での演目「ダルタニアン」を観ると、「剣が見える!!!」という楽しみ方ができます。RLの補助線としてもとても良いですが、めちゃくちゃ良い氷上演劇としてお勧めです。
 余談終了。

壮大な伏線と回収
 一話での情報量がすごいっていう話をしたが、その1話の「よくわからん」要素を説明しろと言われたらできます。「まあこれはそういうものだから」って言わなきゃいけないものはプリズムジャンプそのものとか。ジャンプしたらめちゃくちゃエフェクト出るのはまあわからんと言われたらそう。
 ただこの作品、だいたいのことに理由がちゃんとある。表面的な行動に対して裏であった発端、内面での動機が必ずある。こわい。

尋常じゃない人間関係
 でびる様おすすめポイントは特にここ。
 例えばキャラ同士の軋轢みたいなのがあるじゃないですか。さらにヘビーな事情が裏にあったりすると絶対引けないじゃないですか。だいたいそんなやつしかいません。
 メインキャラが男女含めて10人いて、そのうち2人くらいしか普通の生活を送っていない。そんな中でそれぞれ強く生きていく。そんなアニメです。
 そんな中で恋愛模様みたいなのもやるわけですが、そこが一番「さては監督には人の心がない?」ポイントです。ここは本当に作品のキモなのでマジで話せないので君の眼で確かみてみろ。


 そんな感じでめちゃくちゃ書きましたが、それだけしっかり練られているため「すべてのキャラに対してファンがいる」仕上がりとなっています。だからこそ男性キャラでのスピンオフができるとも言う。
 もちろんわかりやすく面白い勢い部分のために「キンプリ」から見てみる、というのもなくはない。映画一本で見やすいし。
 しかしながら、でびる様のような慧眼、鋭い考察力を持ち合わせた崇高な悪魔であればこそ、バックボーン、経緯、感情の揺れ動きを深く感じることのできるレインボーライブを視聴されることを強くお勧めしたいと考えております。


「兄の嫁と暮らしています。」義理の姉妹は家族か他人か

 こちらヤングガンガンにて連載中の作品です。これを書いている段階では9巻発売間近(12/24発売)といったところです。一応ガンガンオンラインで回復するチケット方式で一話ずつ読むこともできます。

「両親は昔 死んで 兄も半年前に死んで
 今は 兄の嫁と 暮らしています
 ただ それだけの話です」

 一話からの引用です。本当に言葉にするとそれだけの話ですが、どえれえ重さの作品です。

 主人公の岸辺志乃は高校生。両親は小さいころに亡くなっていて、兄と暮らしていた。が、その兄も亡くなってしまう。そして残された彼女は兄とともに一年だけ一緒に暮らしていた兄の嫁である岸辺希と二人で生きていくことにする。

 みたいなところから始まる日常の話です。いや重。
 じゃあずっと重苦しい展開で進むのかと言われると否。二人とも普通に日々を過ごしています。学校にも行くし仕事にも行く。家でテレビも見るしゲームもする。しかしふとした瞬間に刺してくる。そんな作品。

 これもざっくりまとめると次の三つ。
①二人の関係性の名前
②二人と「兄の死」に対する違い
③辛くても続いてく普通の日常

①二人の関係性の名前
 タイトルでも書いたように、「家族」には満たず、「他人」には足りないが「友達」でもない。そういう距離感が少しずつボタンの掛け違いを生んで我々の視点に胃痛をお届けしてくる。
 独り立ちしようとする妹、まだ小さい子を守ろうとする姉の構図ではあるものの、ここに「家族だから」が含まれていないと途端に背筋が寒くなってまいります。そんな繊細な部分が丁寧に描かれております。
 共依存に見えなくもないが、他人だから依存できないといったお互いの距離の取り方がもっとややこしくしている節がある。
 外から「姉or妹がいるんだからこうすればいいじゃん」みたいなことを言われるまで思いもつかない。なぜなら二人の関係は……みたいな。怖。

②二人と「兄の死」に対する違い
 この二人は一緒に暮らしているものの、血縁関係は一切ない。彼女らを繋ぐものは「兄」の一点となっている。
 志乃からの希は「兄が好きだった人で唯一の親族」
 希からの志乃は「最愛の人の忘れ形見」となる。
 近いように見えて明確にズレが生じています。そしてお互いを通して「兄」の姿を見ている状態です。こんな恐ろしいことがあるか。
 その状態の二人が「兄の死」を一緒に同じように乗り越えられる……わけもなく。いろいろな事件が積み重なっていくこととなります。
 詳細は省きますが、相手のためにしたことが逆に悪化させたりしたとき、僕はあまりに怖すぎて笑い出しました。最近は更新分を読むたびに笑ってます。

③辛くても続いてく普通の日常
 とまあこんだけホラー(?)要素ばっかり書いたんですけど、基本的には彼女らの日常生活を描いているためそこが割と見所です。それぞれがどんな事情を抱えてたとしても日常は進んでいく、というような感じ。
 普通の日常が繰り広げられて、たまに嫌なこともあるけど痛みに気づかなかった振りをして、今まで通り日常が進む。
 逆にすごく日常感があふれていて「良い」と思いませんか。
 また、登場人物同士の会話のテンポというか、キャッチボールの雰囲気がとても良いのでそのあたりも楽しめるかと思います。

 
 また、勧めたいと思った理由としまして、最近でびる様が百合に関して語っている中で「最近さけのんでるとぜ~んぶ百合にしちゃいそうになる」(原文ママ)という発言を拝見しました。
 一方で私は、この「兄の嫁と暮らしています。」を百合と述べるのはありえんとキレるタイプのオタクです。作品も怖けりゃ読者も怖いね。
「この作品を百合にする奴を全員斬る私 VS 全部百合にするでびる様」
という矛盾バトルをしたいな、というのが半分くらいです。 
 ぜひ読んだ上でのご感想をお聞かせください。


あとがき

 そんな感じで2タイトル挙げさせてもらいました。実際に現地にいたら多分このあたりのデッキを持参してでびる様との対面をしていただろうなと思います。
 ほかにもいくつか候補はありましたが、でびる様がハマりそうとかの観点でちゃんと絞っています。信じて。
 このあたりの作品に関して、でびる様の言及があったら僕は踊ります。ご検討ください。
 もちろんでびる様に限らず、この作品を見てくれる方がいたらいるだけ僕は喜びます。ぜひご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?