R７ 名古屋大学情報学部自然情報学科第３年次編入 合格体験記
はじめに
こんにちは、令和7年度名古屋大学情報学部自然情報学科の3年次編入試験に合格したHです。
私の通っている高専は進学率が低く、編入に関する情報がほとんどありませんでした。名古屋大学に関しては二年前の工学部募集要項があった程度…
編入対策を進める中で、先輩方の編入体験記にすごく助けられたので、今回は自分の体験をシェアしようと思います。
高専生だけでなく、大学生で編入を目指している方にも、有益な情報をお伝えできればと考えています。少しでも皆さんの助けになれたら嬉しいです。
プロフィール
所属
南島の高専 情報学科成績
１年：３位
２年：４位
３年：４位
４年：１０位
GPA：３．５５/４．００TOEIC
８８０点（L：455, R：425）受験校
金沢大学融合学域先導学類 合格
地元の国立大学工学部情報学科 合格
名古屋大学情報学部自然情報学科 合格
勉強スケジュール
１年～３年
なんとなく編入したいなと考えていたのですがバイト、バイク、ギターばっかりしてました。
定期テストは、一週間くらい前から詰め込んで何とかしてました。数学と英語のテストは90点切ったことはなかったですが、短期記憶で乗り切っていただけなので、編入対策する頃にはほとんど忘れてました。
３年の後期に学校で受けさせられたTOEIC IPテストが450点くらいだったと思います。
４年前期（4月～9月）
１日の勉強時間：２～３時間
普通高校に進学した友達が、大学進学のために一日10時間勉強していたと聞いて、焦りを感じ4月からTOEICの勉強を始めました。6月に初めてTOEIC L&R公開テストを受け650点。9月に再挑戦し795点を取ることができました。
４年後期 (10月～１月)
一日の勉強時間：3～４時間
最初は、筑波大学情報学群を目指していたためTOEICの勉強を終わり、数学の勉強を始めました。（筑波はTOEICが730点で満点換算らしいので）
しかし、数学が楽しくなかったのと名古屋大学を第一志望に変えたので、数学の勉強を一か月で中断し、11月と12月はTOEICの勉強だけしてました。12月に受けたテストで880点取得できたので、さすがにTOEICの勉強は終わりました。
1月は、１～３年のころ使っていた教科書で高校数学の復習をしていました。
５年春休み（2月~3月）
１日の勉強時間：６~８時間
1月でバイトをやめたのもあって集中して勉強できてました。この時期が一番勉強してたと思います。
数学は、マセマと徹底研究で基礎固めです。マセマは2週、徹底研究は章末問題以外を３週しました。
筑波対策として情報の勉強もやっていたので、数学に充てられた時間は１日3~4時間ぐらい。
５年前期（4月～８月）
１日の勉強時間：４～５時間
この時期はいろいろやったので月別に分けて書きます。
４月
春休みが終わってすぐに、名古屋大学の数学の過去問を5年分, 筑波大学の数学と情報の過去問を3年分解きました。筑波の情報が全然解けなかったのと名古屋大学へのモチベーションが上がってたので、筑波を受験校から外しました。名古屋大学は、微積が6割、線形代数は9割ほど取れていました。
過去問特訓のAB問題を3週しました。５月
大学編入のための数学問題集のAB問題を2週しました。
金沢大学融合学域の試験対策として小論文の勉強を始めました。６月
金沢大学と地元の国立大学の編入試験や学校の中間試験などで忙しかったため、名古屋大学に向けた対策はあまり進められませんでした。７月
大学編入のための数学問題集C問題と徹底研究の章末問題をそれぞれ３周しました。金沢大学に合格してたので勉強のモチベが減りあまり勉強できませんでした。反省です…８月
復習と苦手分野の補強
小論文対策
参考書
TOEIC
TOEIC用の単語帳です。単語帳で迷ってるならこれ買っとけば間違いないです。リスニングでしっかり聞き取れるように、単語帳は毎回音声を聞きながら覚えてました。最終的には30週近くやったと思います。
795点取得後、学校の図書館にあったのを使いました。金フレの一つ上のレベルの単語帳で相当難しい単語が載っています。金のフレーズを完璧に覚えた後余裕があれば挑戦してみてもいいと思います。私は6割程度しか覚えられませんでした。
TOEIC用の文法問題集です。パート5形式の問題が1000問以上掲載されており、リーディングパートが苦手な方におすすめです。第5文型も理解しないまま感覚で英語の問題を解いていた私ですが、この本を通じて文法の基礎をしっかり固めることができました。
こちらもリーディングパート用の参考書で、でる1000問終了後取り組みました。この本には、解答速度を上げるための解法や考え方が詳しく記載されています。
5,8,9,10の４冊やりました。リスニングパートは1.25倍速で出来るようになるまでシャドーイング、リーディングパートはわからない単語や文法がなくなるまで使い込みました。金フレとでる1000で基礎を固めた後は、これをひたすら回した方がいいと思います。
参考書ではないですが、abceedというアプリを使っていました。上記の参考書の音声が聞けるので、単語帳や公式問題集のシャドーイングで使ってました。有料プランに入っていましたが無料版でも十分だと思います。
数学
推薦度：★☆☆☆☆
難易度：★★☆☆☆
学校で配布された数学の教科書です。1だけ挙げていますが同シリーズの2と3もやりました。数学対策として最初に取り組みましたが、編入試験の範囲をすべてカバーできていないのに加え解説も少なめなので、次に紹介するマセマなどほかの教科書を使うことをお勧めします。
推薦度：★★★★★
難易度：★★☆☆☆
大学数学の基礎が丁寧に解説されていおり、数学が苦手な方でも取り組みやすい内容になっています。少し難しい部分もありますが、そういった箇所は最初は無理に深追いせず飛ばしても大丈夫だと思います。
推薦度：★★★★★
難易度：★★★☆☆（章末問題は★４つ）
編入数学のバイブルとも言える一冊です。幅広い範囲の典型問題が掲載されており、これを仕上げれば地方国公立レベルの編入試験には十分対応できると思います。章末問題はかなり難しいので、最初は飛ばして進めても大丈夫です。名古屋大学の出題範囲は1～7章と9～13章に該当します。
推薦度：★★★★☆
難易度：Aは★３つ、Bは★４つ、Cは★５つ
様々な大学の過去問が多く掲載されており、演習に最適な問題集だと思います。問題は難易度がABCに分けられており、私はB問題までを完璧に仕上げました。C問題は難易度が高かったため私はあきらめました。名古屋大学の試験難易度的にBまで解けるようになれば十分だと思います。
推薦度：★★★★★
難易度：Aは★３つ、Bは★４つ、Cは★５つ
この本は、上の二つの問題集とは異なるタイプで、高校数学風な問題が多く掲載されています。名古屋大学の問題に一番似ていると感じました。
小論文
小論文って何？って所から勉強を始めたので、書き方や考え方が丁寧に解説されていてるこの本は非常に参考になりました。
私はchapter4までやりましたが、今年の問題を考慮するとchapter5までやった方がいいと思います。
志望理由書
私は高専生でありながらハッカソンやプロコンなどに出場したことがなく遊んでばっかだったので、志望理由書の作成がすごく大変でした。４年次に参加したオンラインインターンシップや卒研などを何とかネタにして作成しました。早いうちにネタ作りをしておくことをお勧めします。
あくまで私の推測ですが、志望理由書は採点され面接の点数に反映されていると思います。私は時間が足りず添削を受けることができませんでしたが、できれば信頼できる人に添削をお願いし完成度を高めましょう。
私の将来の夢は、社会全体の持続的発展に貢献できるデータサイエンティストになることです。具体的には、シンクタンクやコンサルティング業界に就職し、情報学を用いて様々な業界の課題を解決したいと考えています。 私は、--高専でプログラミングやメディアコンテンツ、論理回路など情報工学に関する幅広い知識を学んできました。また、インターンシップにも参加し、web系、アプリ開発系、ネットワーク系など様々な業界に触れてきました。これらの経験を通じて、様々な分野でデータサイエンスが売上の向上や業務効率化などに活用されていることに気付き、データサイエンスの重要性とその広範な応用可能性に強く魅了され、この分野でのキャリアを追求する決意を固めました。
しかし、--高専にはデータサイエンスやデータマイニングに関する講義が無いため、eラーニングサービスを使用して学校外部のデータサイエンス講義を受講しています。また、卒業研究ではマルチエージェントシミュレーションを用いて人口市場に関する研究を行っています。これらの活動を通じて、データサイエンティストに関する理解を深めながら、シミュレーションやデータ分析のスキルを磨いていますが、同時にこの分野に関する未熟さを強く実感しています。特に、データを効率的に処理分析するデータサイエンス力と、分析結果から最適な解決策を導くために必要な人文社会科学系の知見の２つが不足していると感じています。
そこで、私が名古屋大学情報学部自然情報学科を志望した理由は２つあります。1つ目は、データサイエンスを学ぶための環境として最適であると感じたからです。貴学では、データマイニングやシミュレーションサイエンスなどの充実した講義を通して体系的にデータサイエンスを学べます。また、北栄輔先生の研究室では、ベイジアンネットワークやマルチエージェントシミュレーションなど、私が追求したいデータサイエンスの手法を用いて、株価指数の予測やリスク分析、レコメンデーションなどの研究を行っています。これらの研究は、データサイエンスを応用する力を養うことができ、私の思い描く仕事に活かすことができると確信しています。
2つ目は、貴学の先進的な文理融合カリキュラムです。情報工学に関する知識に加え、人文社会科学系の知見も習得できる点が非常に魅力的です。貴学のマネジメントや意思決定、充実したPBLの講義は、コミュニケーション能力や最適な解決策の見つけ方など、--高専では学ぶことの出来なかった新しい知見の獲得に非常に効果的だと考えています。 学部卒業後は、より専門的な知識と技術を身に着けるため、貴学の大学院に進学し修士号を取得したいです。
試験当日
筆記試験
オフィスカジュアル風のきれいめ私服で行きました。スーツより私服のほうが多かったと思います。
電子機器は使用禁止で、本などはOKって感じでした。
試験の出来は、小論文5割 数学9割ぐらいだと思います。
元から小論文は苦手だったのですが、今年は小論文の傾向が変わり本当にひどかったです。それでも合格できたので、他の受験生も同様に苦戦していたのだと思います。
面接
10:30頃にホームページに二次選考対象者が発表されたので、受験番号があることを確認し名古屋大学に向かいました。小論文の出来が悪すぎたため落ちたと思ってました。面接にはみんなスーツで来てました。
質問内容
名前と受験番号
高専で何学んでいるか
志望理由
併願校と受かったらどっち行くか
テストの出来について
すごく優しく穏やかな雰囲気で行われ、時間は10分ほどでした。志望理由に関してかなり深掘りされたので、事前にしっかり準備しておくことが大事です。面接を想定して志望理由書を作成し、その内容をきちんと読み込んでおけば大丈夫だと思います。
最後に
私の編入試験成功の鍵は、TOEICと情報収集だと考えています。TOEICの対策を早めに終わらせたことで、残りの時間を受験当日に必要な科目に集中でき、精神的な支えにもなりました。最近は、高専生もTOEICのスコアをしっかり取ってきます。実際、私の所属する研究室には、私よりも高いスコアを持つ人が2人いました。大変かもしれませんが、800点越えを目指して頑張ってください！
また、参考にさせていただいた体験記のリンクを貼っておきます。特に「編入合格マニュアル」は、9名もの先輩方の志望理由書や勉強スケジュール、過去問題など、非常に充実した内容が詰まっています。有料ですが、金額以上の価値はあると思います。ぜひ、チェックしてみてください！
編入試験は孤独で不安が大きいと思いますが、あまり自分を追い込みすぎないでくださいね！応援しています！
R7年度試験問題
いろいろ事情があり有料にしました。すみません。
今年の自然情報学科の試験問題（小論文・数学）です。
数学に関しては私の回答も載せてます。
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