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フォルケホイスコーレの生活は割とサバイバルだと思う|会社を休職してフォルケホイスコーレへ行ってみた

はじめまして。
去年会社員を休職してフォルケホイスコーレ留学をしました。
フォルケホイスコーレに興味を持つ方に向けて、このnoteで個人の体験談を発信できたらと思い始めてみました。

帰国してからフォルケホイスコーレの生活はどうだった?と聞かれる場面がまあまああるのですが
一言でいうと「なかなかにサバイバル」でした。
何がサバイバルかというと
「朝から夜までずっと誰かと一緒で一人の時間がない(しかも全部英語)」
というところです。

フォルケのことを調べると良い面の情報は出てくるのですが、大変とかネガティブな情報がなく
行く前のイメージと行ってみてから大きくギャップもあったので、
1日の流れを紹介しながらそこをお伝えできたらと思います!

ーフォルケホイスコーレの一日の流れー

朝7時半 起床

朝8時~ 掃除
フォルケでは自分たちで教室や寮を掃除するルールがあり、朝におこなう人が多いです。ここは眠いけどまあ普通です。

朝9時~ 朝食
フォルケのサバイバルポイント①はごはんの時間です。
私の学校は食堂に大きな長机があり、先着順に詰めて座っていって食事をとりました。
来た順にランダムに座っていくので、毎回隣や目の前の人が変わるので、毎回話題を考えるのが大変です(笑)
ただでさえよく知らない人と30分間ごはんを食べながら会話を繋ぐってまあまあ大変だとは思うのですが、それを英語でやらないといけないのです。
さらにデンマークの生徒達はとても英語が流暢です。なので最初の頃は聞き取るのにとても苦労しました…
せっかく話しかけてくれても、あるいはこちらが質問しても、咄嗟に理解できず何度も聞くのも申し訳ないなと思ったりしました。

あと人によりますが、デンマークの学生も自分からガンガン気さくに話しかけてくれるわけではないです。
なんとなく日本人よりも欧米人とかのがオープンで気さくに話しかけてくれるんじゃないかみたいなイメージを持ったりもするかもしれませんが
デンマークの若者も日本人と同じで空気に敏感だったりナイーブな部分があるのかなと思いました。
ごはんのテーブルで誰も話題出す人がいない状況だと微妙な空気が流れます(笑)

あと私の英語力は1:1だとまあ話せるのですが、流暢なデンマーク人複数人に囲まれるとついていくのが難しいということがありました。
そうやってついていけなくなるとやがて空気となり、最悪の場合デンマーク語での会話に切り替えられます。これはかなりきついです(笑)
これを防ぐにはとにかく自分から話題を出していって、つないでいくということが大事だなと思いました。
話題を出す人は重宝されますし、デンマーク人のペースで進んでいってしまうととてもついていけなくなるので、ゆっくりでも拙くてもいいから、なんでも話す!を心掛けました。

ちなみに最初の1.2か月は大変なのですが、後半になってくると食事を一緒にする仲良い友達も固定化してきて大分楽になりました。

朝9時半 朝集会
ごはんのあとは毎日30分間の朝集会があります。
先生が何かのテーマでプレゼンしたり、生徒が出し物をしたり、たまにみんなでダンスしたりと毎回形は異なるのですが
英語を30分間聞き続けると途中で集中力が切れます。
まあ聞いていなくても特に問題にはならないのですが、
ちゃんと聞くとこれも結構エネルギーを使います

10時~12時半 午前授業(サイドサブジェクト)
フォルケでの授業はただ座って授業を受けるのではなく、生徒も主体的に参加するようなスタイルで、フィールドワークだったりディスカッション主体の授業も多いです。
フィールドワークはまだ良いのですが、
このディスカッション形式の授業というのがサバイバルポイント②です。

私はアイデンティティという、ジェンダーやマイノリティについて考える授業をとっていたのですが、
毎回先生のテーマに沿ってペアになって意見を交換したり、みんなの前で発表があります。
例えば「あなたがジェンダーマイノリティを感じた経験はありますか?」とか「ミソジニーについてどう思いますか?」とかそういうことを聞かれるのですが、これをその場でペアの子と意見交換しないといけません。
前者の質問だと自分の経験談からまだなんとかしぼりだせるのですが、後者の知らない単語とか出てくるものだと(ミソジニーは外国人嫌悪という意味ですが)
その知識を持ち合わせていないので、その場で何か考えて回答しないといけません。それも英語で。

日本語でもあまり考えたことのない難しいテーマを英語でその場で回答する、というのが大変で、この科目の授業の前は毎回気合が必要でした(笑)

TOEFLとかIELTS等で、あるテーマについてお題が出されてその場で数分口頭で回答するみたいなテストがあるかと思うのですが、
2時間半のずっとIELTSみたいな感じです。毎回クタクタになります。

またペアの人同士と話すだけでなく、全員の前で挙手して意見を発表することもあるのですが、
デンマークの生徒達はとても積極的手を挙げていろいろ発言していくので、ここで手を挙げないと存在感がなくなります(笑)
なので授業中知らない単語を調べたり、メモをとりながら1授業で一回は最低発表しようと決めて臨んでいました。

12時半 お昼ご飯・休憩時間
授業のあと、再び先着順に座っていくランチタイムがあり、午後の授業まで30分ほど休憩時間があります。
2時間半IELTSさながら授業の後で疲れているところ、30分くらいは一人でゆっくり休みたい…とか私は思ったのですが
みんなここで誰かと話したり、ゲームをして遊んだりと休み時間も社交的です。
学校内は一人でいれるところもあまりないので、歩いて1分の寮の自分の部屋に戻ることもできるのですが
「あいつ毎回部屋に戻ってるな」みたいに見られなくもないです。

13時半~16時 午後授業 メインサブジェクト
週3回あるメインサブジェクトで私はDesignという、工房でものづくりをするような授業を取っていました。
デザインの授業は基本的には一人ないしチームで椅子をつくったりといった木工作業でしたが、
この授業が学校生活の中での唯一の回復の時間だったので、選択して本当に助かったと思いました。
この朝から夜まで永遠集団生活のフォルケの中で、黙々と作業に集中できる時間はかなり貴重です。
しかもデザインの授業をとっている生徒は他科目の中でも一番少なく最初たったの4人だったので、そのくらい少人数だと仲良くなりやすかったです。

16時-18時 フリータイム
ここでようやく夜ご飯までまとまった休憩になります。
16時になった瞬間、今日も終わった~~と安心した記憶があります。
放課後はみんな各々、リビングで団欒したり、サッカーをする子もいたり、授業の課題の続きをしたり、部屋でのんびりと思い思い過ごしていました。
ただこうやって一度休憩モードに入ると、18時からの夜ご飯のあの先着順形式に行くのがめんどくさくなったりするんですよね…。
朝ごはんとランチは授業の流れでそのまま食べるから良いのですが。
夜ご飯は他と比べると人が少なかった気がします。

19時以降 自由時間orイベント
フォルケは授業時間外も生徒達が自主的にイベントを企画していくのが特徴です。
前半2か月くらいは毎日のように放課後何かしらのイベントがありました。
入学したはじめは学校主体のレクリエーション企画があったり、それ以降は生徒が自発的にみんなで映画を見ようとか、ゲームをしようなど、いろんな企画をしていました。
また毎週金曜日は学校がクラブのようになりパーティーがおこなわれます。
この放課後のイベント関係も楽しい反面、大変です!
唯一の自由時間がなくなってしまうので。
さらにフォルケの中には、この放課後イベントも参加した方が良いという雰囲気が流れているので、あまりイベントをサボると少し非社交的な人という見られ方がしないでもないです。

会社で働いていた身としては「就業時間外くらいは自分の好きなように過ごしたい」と思っていました。
会社の飲み会に参加しないといけない雰囲気がある…しかも毎日、みたいな感じです。しかもイベントは土曜日にもあります。
私はフォルケにいる間にいろいろ勉強したいなと思っていたのもあり、
割り切ってイベントへの参加はたまにとしていました。

1日の流れはこのくらいなのですが、
もう一つ大きなサバイバルポイント③は共同部屋です。
ここに関しては私はシングルルームにしていたので問題なかったのですが、
基本的に2人部屋か3人部屋で、他の子を見てるとなかなか結構大変そうでした。
ただでさえ学校生活一人の時間がなくて、疲れて部屋に戻ってきても人がいるという状況は結構大変だと思います。
一人部屋は羨ましがられていました(笑)
特に3人部屋は部屋もそこまで広くないので、余計にきつそうでした。
ここはルームメイトとの相性にもよるかと思うのですが…。

以上、フォルケホイスコーレでの1日の流れとサバイバルポイントでした。
私はもともと在宅勤務多めの仕事をしていたので、フォルケに来て突然朝から夜まで誰かと共同生活(しかも全部英語)となって
そのギャップがすごかったというのもあります。
でも大変な分、友達はできやすいし、語学も伸びるしと良い面もたくさんあります!
むしろそれを求めてフォルケに入ったので濃い体験ができて良かったです。

私の学校の一例ですが、参考になればと思います。
それでは!


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