気分に任せた日曜日。

薄く冷房をきかせた部屋の中にいると、外の日差しが別の世界のようだ。
くっきりとした影を見ているだけでもうだるような暑さだということはわかるし、締め切った8畳の部屋を出ればむっとした空気が覆いかぶさる。


昼間は読みかけの数冊の本を少しずつ読み進めた。

今読んでいるのは、夏目漱石『坊っちゃん』、池上彰『何のために学ぶのか』、山田ズーニー『伝わる・揺さぶる 文章を書く』、有川浩『イマジン?』。
どれも誰かのnoteで紹介されていたり、人から勧められたりした本たちだ。

2人掛けのソファーの上で、気になる本を開く。集中が逸れたり別のことに興味が向いたらほかの本の中から気分に合うものを選ぶ。調べたい言葉があったら、先日買った『新明解国語辞典』をめくる。ぱらぱらと言葉を探しながらめくると、近い場所にあるほかの言葉に目が留まってもともと探していた言葉を忘れることもある。

自粛期間中は「一日一読」に取り組んでいた。一冊を決めてその日のうちに読み終わる。遅読なのでしんどさもあったけれど着実に読書が進んで、身についたものもそれなりにあった気がする。

決めこまずに気分に任せて読んでいる今は、楽だけれどスピードは遅くなる。集中を強要しないと「何となく」読んでしまっている感じもする。ノルマのようにこなしていた頃とは両極端だ。私にしっくりくる読書スタイルはまだ見つけられていない。


集中が完全に途切れたらYouTubeを開く。最近はオリラジのあっちゃんのYouTube大学から面白い本を見つけることが多いのだけれど、その流れでオリラジチャンネルも見始めてしまった。

「武勇伝」の頃は小学生で、親の意向でバラエティ番組はほとんど見てこなかったのに、最近になって気になる芸人さんになった。ネタをするでもなく企画を立てるでもなく、ただ喋る。お互いに楽しんで、信頼し合っている感じが伝わってくる。見ていて楽しいのは、憧れなのか羨望なのか。


午後になって、surface laptopでWordを開く。最近書き始めた長い文章を書き進める。

3900字くらいだった字数が、休み休み書き進めて10589字になった。全体像は見えていないけれど、4分の1くらいだろうか。これまで書いた中で一番長い文章は卒業論文で、3万字くらいだった。完成したらそれより長い文章になるのだと思う。もっとも、文献やインタビューを参照しながら書き上げた卒業論文に比べれば、自分の中にあるものを掘り起こして書いている今の文章は「産みの苦しさ」としては大したことはない。それに、文章は長ければ良いということではない。

書きたい目的に沿って、過不足のない内容と分量を。書き始めるとどうしても「あれも、これも」と入れ込みたいことを思い出して長くなる。だけど村上春樹さんのエッセイなどは脱線した内容だけで1ページも使ってしまうようなことがあるし、それでも読んでいて面白いのだから、脱線が悪とも言い切れない。

この文章は来月までに書き上げる予定だ。


「先読みしないこと」を意識し始めたら、日曜の時間は前より気楽に楽しめている気がする。

明日からはまた平日。8月も後半戦だ。
たっぷりと人にまみれて、笑ったりイライラしたりしながら働こう。

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