VF3tbOnline回顧録②(序盤~ミカド5on5直前まで)
システムや環境に対する不満
喜んでVF3tbOnlineを楽しむプレイヤーがいる反面、不満を持ったり、オンラインはやらないと宣言するプレイヤーも一定数いた。
ラグ
何より大きいのはラグだろう。オンライン対戦である以上ラグは付きものだが、
・VF3tbがラグの影響がかなり大きいゲーム性だった
・ラグがあることを前提にデザインされたゲームでは無い
・ゲーセンの通信環境により、一般家庭よりラグが大きい場合がある
このあたりの事情により、一部プレイヤーにとっては耐えがたいストレスになっていた。
起き蹴りをガードしても投げが入らない。確反打撃が間に合わない。実機ならほとんどガードできる技が全くガードできない。こういった現象はザラで、代表格であるジャッキーのパンチロースピンなどはガード不能技の如き強技となっている。
たまにガードされると驚くとかいうぐらいにヒット率が高いため、実機での対戦でも思わず使ってしまい、普通にガードされて反撃されるプレイヤーもいるほどだ。私ですが何か?
このラグに耐えられずにオンラインを去るプレーヤーもいた。しかしVF3tbで全国対戦できるだけで十分と考えるプレイヤーと、ある意味で別のゲームとして楽しむプレイヤーがメインとなりプレイされていった。
ちなみに私はというと、元々が自他共に認める極めて反応が悪いプレイヤーなので、ラグのせいなのか反応が悪いせいなのか区別が付かず、特に不満なくプレイしていた。
マッチング処理
なかなか相手とマッチングしない事も不満として聞かれる。近いレベル同士がCPU戦をしているのに5分以上マッチしなかったり、レベル差が15以上もある組み合わせがマッチしたりすることがある。
2024/12/14のアップデートで多少改善された気もするが、さらに良くなることを期待したい。
なぜ「ゲームセンター限定の」オンライン対戦なのか
これが最も意見の多い不満点だろう。不満と言うよりは「家庭用で出て欲しい」という切実な願いと言うべきか。
・家でのんびりやりたい
・近くにAPM3筐体を置いているゲーセンがない
・家の方がむしろ通信環境が良い
など、色々な理由で家庭用は熱望されている。
家庭用リリースよりもAPM3でのリリースの方がかなりコストが安いのではないかと思われるが、それがAPM3でリリースされた理由でなのではないかと予想している。しかし、ということはもっともっとプレイヤーが増えれば家庭用のリリースに繋がる可能性もあるので、その将来が来ることを祈ろう。
勝手に10先
このころから登場してきたVF3tbOnlineの独自の風習が「勝手に10先」。
対戦の双方が再戦を希望すれば何度でも再戦できる仕様のため、特に申し合わせをしていなくても、いつの間にか10試合先取するまで続けることが定着していった。
X(Twitter)で結果の一部を報告するケースも多く、ランキング・レベルを上げることと共に10先を勝つことがVF3tbOnlineプレイヤーの楽しみの1つとなっていた。
現在でもこの文化は続いており、勝手に5先などバリエーションもあるが、「勝手に」の呼び名の通り明文化もされていないし申し合わせもしていない風習ため、1試合で抜けることも9敗してから抜けることも普通にある。
10先をしないことが決してマナー違反ではないので誤解はしないで欲しい。
当時のライバル
爆発うるぴょん
現役時代は何度かチームを組んで大会にも出ていた盟友。
いまVF2.1はPS3やXBOXなど家庭用の通信対戦がメインだが、間違いなく最高ティアに入る超強豪。
VF3tbOnlineはランキングトップクラスの常連でもあり、X(Twitter)での発進も多くVF3tbOnline人気の立役者のひとり。
何より凄いのはやりこみ回数で、今日(2024/4/26)現在の総合勝利数1位。
1位と2位が飛び抜けすぎていて、私があまりやっていないようにすら感じる(現在1231勝)。
私との勝手に10先の回数も多い、というか最近ほとんど負けている。
私は勝手に10先の文化を生んだのはひょっとしたら彼ではないかと予想している。
キャロJ
現役時は関わることが少なかったため、お互いそんなに認識をしていなかったプレイヤー。
しかしVF3tbOnlineではその強さ、やりこみ(現在の通算勝利数2位)、オンラインに甘えない技術と、それと同時にオンラインの特性を最大限生かした立ち回りを平行して繰り出す猛者。
毎回いじめられているよなと思いながら書いていたが、よくよく思い出すと彼との勝手に10先は1度も勝てていない気がする。ライバルの項目で書いてはいけない相手かもしれないが、私が勝手にライバル視しているのでまあ良しとしよう。
他のプレイヤー
他にもたくさんのプレイヤーと対戦してきた。いつもボコられるのでライバルの項目に入れられないプレイヤーも数人。
みんな家庭は大丈夫なのかなと心配になるほどプレイしているが、それはVF3tbOnlineが面白いから、これに尽きるのだろう。
ミカド5on5への流れ
ゲーセンミカド
現在のアーケードゲームの聖地と言って良いだろう。置いてあるタイトルの数、イベントの数、クオリティ、影響力。どれをとっても最強のゲーセンと言って異論は出ないはず。
ここにはVF3tbの実機があり、いまでも強豪プレイヤーが集っている。毎月の月例大会はもちろん、世界大会やチームバトルも行うなど、VF3tbのイベントとしては最大の注目を集めるゲーセンである。
でんで
VF2.1でもVF3tbでもサラを使うプレイヤー。実機もプレイするが、主戦場はオンラインのイメージ。
私とは一度PS3版VF2.1のオンライン5on5大会でチームメイトとして参加したことはあったが、それ以外ではPS3版VF2.1の配信中にコメントの形で行った会話や、X(Twitter)の中での絡みぐらいで、この時点では実際に会ったことがなかった。
優しそうに見えるが熱いハートを隠し持つナイスガイ。
不用意な発言から
それは私・ウルぴょん・でんでの3人がX(Twitter)のリプライで会話していたときのこと。
このとき、約1ヶ月後の2024/2/11にミカドでは5on5が予定されており、その話題を冗談交じりで交わしていた。
この時点では大会に出る気はあまり(おそらくは全くぐらい)無かったであろうでんで氏の不用意な発言に、私が出場する方向のリプライをしたところから全ては始まった。
でんで氏がこの発言をしていなかったら、いまのオンラインとオフラインが混ざり合ったVF3tb熱の再燃は無かっただろうから、現状を形作った重要人物と言える。
今だから言おう、ナイス失言。
当時まだ「でんでさん」と呼んでいるあたり、あまり交流が無かったことが伺える。ひょっとすると断り切れなかっただけで本当は嫌だったのかもしれないと今さら思い始めたので、今度会った時に真相を聞いてみよう。
そんな私に押される形でスタートした5on5出場計画。
残念ながらウルぴょんは遠出をするのが環境的に難しいとのことで出場できないことになったが、私の勢いが衰えないために「VF3tbOnline勢をメインでチームを組もう」という流れになった。
ここで登場するのが、今後ずっとお世話になる功労者ミヤウチ氏。
ミヤウチ
現役プレイヤーの中でトップクラスの実力を持つカゲ使い。
私とは同じ山形出身ということで、何度かチームを組んで大会に出場したことがあった。
東京に出てきてからは強豪+ナイスガイということもあり、人の繋がりが非常に多い。彼の繋がりのおかげでチームが組めたのは間違いない。
メンバー集め
いまほど私が繋がりを持っていなかったため、ミヤウチ氏がチーム作りに奔走してくれることになった。
ゲーセンで実機で遊べる環境にあるプレイヤーにとっては、VF3tbOnlineはラグなどのストレスがあることから両刀のプレイヤーは少数だったため、VF3tbOnlineをプレイしていて、かつミカドの大会にも出てくれるプレイヤーを探すのは難航するかと思われた。
しかし早いタイミングで真っ先に参加承諾をもらってきたのが、当時も今もVF3tbOnline界最強のジャッキー使い、キャロJ氏だったことは驚いたし、チーム力的にもめちゃめちゃ喜んだことを覚えている。
5人集合
ミヤウチ氏の尽力のおかげで、無事5人のチームが完成した。
・でんで(サラ)
・投げハメ友の会 会長(ジャッキー)
・キャロJ(ジャッキー)
・不動(鷹嵐)
・薄着のお兄さん(鷹嵐)
※ 参加決定順
ミヤウチ氏がいなかったら、そしてミヤウチを経由していろいろなプレイヤーがメンバー探しに協力してくれなかったら、絶対に参加は実現しなかったと思う。
いまでも本当にありがたいと思っている。直接お礼を言えていないみなさん、ありがとうございました。
不動
最強クラスの鷹嵐使い。恵まれた体躯(本人)から繰り出される繊細な立ち回りと知識は必見。私を面白くディスることで場を盛り上げるのが彼の持ち芸。
私が現役だった当時はファミレス影と呼ばれていたため、メンバーが決まる時点では 不動=ファミレス影 ということすら知らなかった。
それぐらい久々のコンタクトだったのに、「今回なんで大会に出ることにしたと思う?会長が出るからだよ」って言ってもらったのは嬉しかったなあ。
薄着のお兄さん
VF5の強豪プレイヤー。ミカドのVFGP 2023-24シーズンの総合チャンピョン。
ここのところはVF3tbをほぼやっていなかったのに、ミヤウチの呼びかけに応えて大阪から参戦してくれた優しいお兄さん。
ちなみに大会当日は普通にダウンジャケットを着ていた記憶。
初ミカド
チームは決まったものの、まだ実機でプレイしたことがない私は24年ぶりぐらいに実機版VF3tbをプレイするために、仕事の出張に合わせ2024/1/27にミカドに行き、超々久々の実機VF3tb対戦をすることになった。
「オンとオフは全然違う」という言葉は聞いていたし、ミカド勢が強い事は重々承知していたが、現役時代もそれなりには勝っていたこと、VF3tbOnlineでも上位をキープしていたことから、「最初はアジャストできなくて苦労しても最終的には勝てるだろう」ぐらいの甘い気持ちで臨んでいた。
しかし現実は厳しかった。強い弱いの前に技が出ない!ラグが無い ⇒ 有るの流れなら技が間に合わないことも理解できるけれど、ラグ有り ⇒ 無しでここまで技が出ないのかと心底驚いた。
おかげで連戦連敗。最初に1勝するまで20プレイぐらいかかったはず。
その後も大事なところで技が出ないことが多発。そしてVF3tbOnlineにはない、相手が誰か分からない環境で戦う事にも慣れず、惨憺たる戦績で初ミカドは幕を閉じた。
あまりに負けたので、少しでも実機環境に近い=ラグが無いVF3tbをするために、当時発売されたばかりの龍が如く8を購入し、オマケのVF3tbをすることを決意した。
このときはミカドの現役勢に「オンライン勢の上位って言っても、しょせんこんなもんか」って思われてそうで、悔しかったな。
神戸ゲームセンターえくる
関西最強のVF3tb梁山泊。毎週土曜日にはフリープレイの対戦会を開催。
さまざまな大会があり、月1ペースではVF3tbの大会を開催している。
2023年に開催されたミカド5on5の前回大会ではえくる勢がワンツーフィニッシュをしたほどの猛者揃い。
小さなゲーセンだが、毎日のようにイベントを行っており、そのたびに数台の基板を入れ替えてイベントを行う熱量溢れるゲーセン。VF3tbは基本的に土曜日のみプレイできる。
初えくる
傷心&闘争心に火が付いた私は、少しでも実機環境に慣れようと翌週の2024/2/3にえくるで開催されるVF3tbの個人戦大会「キテレツ杯」に無予告で突撃。
1週間前にミカドで実機を触ったのですぐ慣れるのではと、またしても甘い考えを持っていたが、全く勝てず。ミカドと同じように初勝利には時間がかかった。
大会はラッキーな勝ち方もあり、予選を2位通過。しかり各グループ2位で行われるプレーオフはこれ以上無い完敗で、ここでも悔しい思いをした。
ただしこの時点ではえくるのプレイヤーのヤバさを知っていなかったのでかなり落ち込んだけど、いま考えると「単にえくる勢が強すぎただけでは?」とも思う。
オンラインでしか関わりの無かった私が突然大会に突撃し、リングネームは「投げハメ友の会 会長」。しかも私は常に着物を着ているため「突然徳島からやって来た頭のおかしい名前の、なぜか着物を着ているヤバそうな人」というポジションだったので、周りからの距離感を感じる1日だった。最初は「みんな人見知りなのかな」と思ったけど、違う理由だよね。
いまでは仲良しの朱雀太郎氏もこの日はよそよそしかったし、ヨドリバジャッキー氏もぎこちなかった気がする。唯一ぐらいたくさん話し相手をしてくれたアルマジロ弟氏には救われました。
VF3tbOnline勢への情報発信
2回の実機体験で痛感した、オフとオンのあまりの違いは強烈で、他のVF3tbOnlineプレイヤーが実機を触ったときに心が折れてしまわないように8分割の長文を投稿した。
この一連のポストは、いよいよ明日に迫ったEVO Japanのサイドトーナメントと明後日のミカド3on3に参加するVF3tbOnline勢にはぜひ再読してもらいたい。
回顧録②全体が、VF3tbOnline勢が実機で受ける洗礼の先行体験記みたいなものなので、私の痛い経験をみんなには生かして欲しい。
そして少しでもみんなが勝ち進み、なにより楽しく対戦できますように。
今回はここまで。