4人で歌う「夜よ踊れ」を聞いた
タイトル通りです。
お久しぶりです。四部作の感想文を完走してからいつの間にか2ヶ月が経ってました。はやすぎる。その間にNEWSさんは周年を迎えたりドーム公演が発表されたりニューシングルのリリースが決定したりと嬉しいこと続きでもうありがたいですね。あれからわたしも人生初のファンクラブに入ったり新しいCDを買ったりとオタクライフをメチャクチャ楽しんでいました。NEWSのアルバムって名盤しかないのか……??noteを書くなら次はEXPOの話でもしようかと考えていたのですが、どうしてもこの曲に触れずにはいられなかったのでこの記事ができました。
初めてこの曲を聞いたのはEXPOのBEST盤でした。CDにもメトロック円盤にも収録されているということは相当な曲なのでは……!?と相当な期待をして聞いたところその期待を簡単に超えてきたな……というのが最初の感想でした。どこを切り取っても強い。音も歌詞も歌声もパフォーマンスもどれも強い。NEWSの曲に興味を持ち始めたときから頻繁にタイトルを見かけた曲なので相当ハードルを上げて聞いたつもりだったのですが、これがNEWSの最強曲か〜〜〜〜〜!!!と""理解""らせられちゃった……だって強すぎるよこんなの……
と同時にこの夜よ踊れ、四部作を聞いていくなかでたまに出会っていた歌割り適材適所曲のひとつなのでは……?ということに気づき最強夜よ踊れの最強の歌割りを聞いてみたくなったのでEPCOTIAアンコール公演を購入しました。今さらだけどこの円盤を買った動機が多すぎる。宇宙というテーマが好きだし、恋する惑星の振り付けが気になったし、何よりEPCOTIAは映像で見てみたい曲しかなかったんですよね。結果生バンド夜よ踊れが強すぎたので音源も聞いてみたくなって「BLUE」も買ってしまいました。ついに聞くことができた最強夜よ踊れの最強歌割りのCD音源で見つけた好きポイントが多すぎるので書きます。4人の夜よ踊れは強かった……
このツイート2か月前で笑っちゃった。noteを書き上げるのに時間がかかりすぎでは……?感想を溜めすぎて全然まとまらなかったのがようやく文章になったおかげでメチャクチャ時間が経ってました。おかしいね。
もうこれまでにオタクの皆さんが5000万回擦ってきたことしか書いてないと思うけど書くよ!
まず、音が強い。
ブラスやピアノがメチャクチャオシャレで大人っぽい仕上がりになっているのはもちろん、歌詞に合わせてその音の表情まで変わって聞こえるのがすごく好き。例えばサビ前の幕が開くかのようなピアノ、小山さんの「You'd have definitely vaporize〜」から始まるラップパートでは急にピアノの音程が激しく上下して曲の展開が変わっていく様が感じ取れるし、手越さんの「微笑みのマリアに〜」では瞬くような細かいピアノの音、加藤さんの「Feel your pulse!〜」からはさらに細かく跳ねるような軽い音になり、増田さんの「はっちゃけないともったいNOW〜」からはブラスの音が強くなって低音のピアノが聞こえてくる……といろいろ挙げることができます。なんか歌詞の展開もそうだけどおのおのの歌声にも合った音使いだなあとも思える気がする。
オフボーカル版が入っていて助かりました。歌声が聞こえなくてもわかるサビの「音の洪水」感。楽器以外にも何かが割れる音や巻き戻している音が効果的に使われているのがよくわかります。このへんの話はまたあとで。
そして歌詞が強い。
夜よ踊れの歌詞のいちばんの強みは「語感の良さ」だと思います。一回聞くだけでわかるこの歌詞の気持ちよさ、すごいですよね。自分で口に出してみるとよりわかりやすいと思います。メロディーに乗せなくても歌詞を読み上げるだけでも楽しい。聞いても歌っても言葉の並べ方が気持ちいいのすっげ〜〜〜!!
ラップパートが韻を踏んでいて計算されている言葉の並べ方なのはもう当たり前です。夜よ踊れはラップパートでなくても語感の良さを感じさせる作りになってますよね。特にこの曲で唯一2回繰り返されるメロディーであるサビに使われている「天井桟敷のダンスホール」が本当に良い。わたしはなかでも「てんじょうさじき」の太字の部分の発音が好きです。個人的に「し」と「ち」ってメチャクチャ色気のある音だよな……と常々思っているのでこのワンフレーズでものすごく楽しめます。他にも「裏切り者のチークダンス」とか良いですよね……"chi"の発音が本当に好き。「ダンスホール」の部分も太字で伸ばすことによって空間が感じられてメチャクチャ良いと思う……ワンフレーズだけでこんなに楽しい……夜よ踊れ楽しい!!
それともうひとつ、夜よ踊れは歌詞を解釈すればそのまま一夜限りの危険な恋愛に堕ちていく男女の歌と読むことができる一方で、この曲はあえて歌詞を解釈せずに語感の気持ちいい言葉を並べて、歌割りが4人にぴったりの気持ちいい歌声をオシャレな音と共に楽しむ曲として聞くこともできるなあとも思いました。なんか夜よ踊れをNEWSお得意の女抱きエロソングとだけ受け取ってしまうのは損な気がするんですよね。
なぜならこの曲、「君の、君の美貌が僕を狂わせた」以外で一人称も二人称も出てこない(ラップパートの英語に"You"は出てくる)。「愛に浸る者たち」「微笑みのマリア」「慣れない二人のダンス」という「君」や「僕」に値するであろうワードや「照明落としてキスをしようよ」という具体的な行動を示す歌詞があるものの、エロさを感じさせるというよりタイトルの「夜」やジャジーな音を楽しませるための抽象的な表現なんじゃないかと思える気がするんですよね。「夜」に関連する抽象的なワードを散りばめて具体的に誰が何をしたのか説明しないことで聞いている側に誰かが行動する映像よりも夜景や暗い空間を想像させ、そのBGM的な存在としてブラスやピアノが効いたオシャレな音が効果的に刺さってくるのかなあと……きっと夜よ踊れを聞いた人が脳内で再生した光景ってみんな同じなんじゃないかなと思います。だからこそ誰にでも刺さるし、曲の良さがダイレクトに伝わるし、人気も高いんだろうな……夜よ踊れの強さってこういう部分ですよね。
最後に歌割りが強すぎる〜〜!!!!
NEWSの歌割り適材適所曲どれも大好きなのですが、夜よ踊れと他の曲との最大の違いは「常に誰かが主役」な曲である点だと思います。目まぐるしく変わる曲調に高音も低音もラップもフェイクもシャウトもセリフも乗せてNEWSの4人が持つ多彩な歌声をなんでも楽しめるよくばりセットな構成が贅沢すぎる。最初から最後まで1ミリも気が抜けないので聞くたびに毎回体感が5秒。本当に3分43秒もあるのか……?嘘だろ……
増田さんといえばラップ。他の歌割り適材適所曲では増田さんだけがラップを担当することがほとんどですが、夜よ踊れでは小山さんと掛け合うように交互にラップする歌割りになっているのが好きです。増田さんのラップの特徴といえば発音が英語のように滑らかなことですよね。「今日イチのbrilliant choice」の巻き舌とかその良さがメチャクチャ出てる。ここ絶対みんな好きでしょ。「この瞬間を徹底HACK」の裏返り具合も良い。この後一瞬のブレイクを挟んで加藤さんのセリフへと繋げる直前の一番激しくなるシャウトに差し掛かるこのパート、感情剥き出しなラップが本当に良い……
でも夜よ踊れにおける増田さんが強い理由は色気だと思います。「裂けたドレス〜」のパートではほの暗い色気、「宵を待つ傍ら〜」では前よりも温度が下がっているというか、少し正気に戻っている感じ。最後の増田さんパートのこの絶妙な色気の表現のおかげでこの後の小山さんとの対比が出来上がっていてほんと良すぎる。増田さんの歌声の幅の広さほんとにすごいよ……
小山さんも増田さんと同じくラップを多く担当していますが、増田さんとの違いは発音がはっきりしていて聞き取りやすいことだと思います。増田さんが滑らかなラップなら、小山さんは韻を踏んでいる部分をわかりやすく強調しているラップ、という感じですよね。SNOW EXPRESSとかがわかりやすい。一人だけメチャクチャ聞き取りやすくて小山さんのラップ好きだな〜〜〜と思えました。夜よ踊れで言えば「その場だけで巡らせて悪知恵」が特に好きです。短い時間にかなり言葉が詰め込まれているのにこんなに一音一音がきちんと聞き取れるのすごくないですか?滑舌が良いからなんですかね……?メンバーイチ喋る機会が多い立場なだけある、すげ〜〜〜
ここまで小山さんと増田さんの歌い方の違いについて語ってきたんですが、夜よ踊れはNEWSの使い方が上手すぎるな〜〜〜!!と思った最大の理由「コヤマスとテゴシゲで歌声を組み合わせている」点についても語らせてください。マジでこれ。NEWSの曲を聞き始めてからずっと思っていました。コヤマスとテゴシゲって声の相性が良すぎない!?
テゴシゲは手越さんの透明な高音と加藤さんのざらついた声が組み合わさると唯一無二のユニゾンになるのが好き。でもシリウスやORIHIMEで聞ける手越に被せる加藤さんの上ハモも好きです。
コヤマスは声が似ていて、囁き系のセリフだったり裏声だったりすると結構判別が難しいレベルに声が近い(ORIHIMEの囁きとかアン・ドゥ・トロワの大サビ前の裏声とか)のですが、夜よ踊れはコヤマスのパートを連続させまくっているのが本当に良い。歌割りが上手すぎる。上でも書いたようにこの2人は正反対なタイプのラップをするので脳みそがこんがらがりそうになります。でもそれが良い。
「照明落としてキスをしようよ〜」のオクターブユニゾンも良いですよね。声が似ているからこその綺麗な溶け合い方をしていて、加藤さんのセリフで最高潮に盛り上がった後一気に静かな空気になるポジションのパートにぴったりな歌声に仕上がっていると思います。
増田さんの「宵を待つ傍ら〜」で空気の温度が下がった後、小山さんの「微かに残ったあの夜のナンバー」で一気に現実に帰ってくるこの対比もすごく好きです。小山さんが歌っているうしろで何かが巻き戻されるような音がして、歌い終わるときには伴奏の音も消えている。最後小山さんの囁くような息が多めの声だけが残って、まるで狐につままれたような、自分だけが残されて今までのことは全て夢だったのではないかと思えるこの終わり方、ほんと大好き。NEWSの歌割り適材適所曲で小山さんが任されるのはほぼ低音パートなのであまり歌で目立つポジションに立つことはなかったけれど、夜よ踊れのおかげで小山さんの歌の良さが存分に味わえました。ありがとう……
手越さんといえばやっぱり突き抜ける高音ですよね。夜よ踊れでもその良さが発揮されているのですが、夜よ踊れにおけるいちばん好きな手越さんはイントロのフェイクです。あの湿度が高めで気だるげな声から始まるのがほんと好き。「じれったい熱帯夜のよう」という歌詞がありますが、そこに辿り着く前からわかるじめっとした空気感を作り出しているあのフェイク、メチャクチャ良いですよね……最初ピアノが響いて真っ暗な映像に空間が現れて、手越さんのフェイクが湿度を感じさせてくれる、夜よ踊れってイントロからもう強すぎでは……?
でもやっぱり手越さんの代名詞である突き抜ける高音も大好き。手越さんは他のメンバーと比べて女性的な印象を与える要素が多くて、それが歌声にも現れているのですが、「微笑みのマリア」「聖母なんていやしない」という美しい女性を連想させるワードを歌わせているこの采配良いよな〜〜と聞くたびに思います。この後曲の展開が激しくなっていく、そのギアを入れる「お楽しみはこれからじゃない?」の超高音も色気というより女性っぽさを感じる高音だなあと思ったりします。何が言いたいかというと歌い出しパート以外の手越さんの歌声がメチャクチャかわいいということです。かわいい……かわいくない?
最後に加藤さんの声の話をします。
突然の自分語りをしますがわたしがNEWSの曲に興味を持ったきっかけは加藤さんの歌声でした。加藤さん以外の3人の声は温度も湿度も高い、透明度の高い声をしているのに対して加藤さんの声はカラッと乾いているのが特徴的で、でもしっかりと色気は感じられるなんとも不思議な声に興味を持ってNEWSに出会うことができました。加藤さんの声がなかったら夜よ踊れにも出会えてなかったんだから大感謝ですありがとう!!
過去の自分がメチャクチャわかりやすいツイートをしてくれています。わかりやすいけどキモオタ文章すぎる。
繰り返しになりますが、夜よ踊れは一人だけ全く違う温度感の声を持っている加藤さんをアクセントとして使っていて最高。セリフパート(ラップ以外の音程のないパート)が圧倒的に多いですよね。「やけっぱちでbeat on」「Feel your pulse!〜」歌詞カードにはないですが大サビの「You ready!」、どれも加藤さんの""声""そのものを存分に使ってやろう、活かしてやろうという意図を感じ取れます。わかる。加藤さんはその声だけで強い印象を与えることができるんだ……
そしてみんな大好き「君の、君の美貌が僕を狂わせた」ほんと最高〜〜〜〜!!はっきりとセリフっぽく言うのではなく、口を小さく動かして息のようにこのセリフを吐いているところが好き。不意にこぼれてしまった本音感がある。君の、で一度詰まってしまっているのもほんと好き。このセリフを冷静に言っているのか、それとも焦っていて余裕のないセリフなのか意見がわかれてそうですがわたしは余裕ない派です。このセリフの直後の音が何かが割れた音に聞こえるんですよね。理性の崩壊を表しているのかなあとか考えてました。その音の意味がどうであれ、セリフを境目に状況は変わってそう。
パフォーマンスの話になりますが加藤さんのパートはセリフが多いので、ここまで歌いつないでいたら加藤さんのパートで一回止まる、みたいな感じがするんですよね。例えばメンバーそれぞれの最高潮パートが「お楽しみはこれからじゃない?」「ハッタリかましてMOVE ON」「爆音容赦無しスピーカー完全解放ROAR!!!!」という伸ばす、叫ぶことによる表現なのに対して加藤さんの最高潮は無音で聞く吐息のような「君の、君の美貌が僕を狂わせた」というセリフなんですよ。思わず加藤シゲアキの顔面と声だけに集中してしまう造り。加藤さんのパートはビジュアルを楽しみ放題でほんと助かります。わたしは加藤さんの声そのものも好きですが「あのビジュアルからこの声が出ている」という事実にマ〜〜ジで興奮するのでほんと助かっています。もうメチャクチャ狂えます、ありがとうございます!!
またツイートがキモオタ風味!でもわかるよ。
じゃあ加藤さんがメロディーに乗せて歌う声は好きじゃないのかと言われれば全くそんなことはないです。加藤さんの高音ほんと好き。加藤さんのざらざらしている声質が裏声になると鈴が鳴っているかのような綺麗な声に変わるのがすごいですよね。夜よ踊れで言えば「飾られた虚構〜」パートでこの現象を楽しませてもらってます。加藤さんの高音はこの声質のせいなのか余裕のなさがあって、その要素が上手く色気を引き立てているのが最高。ここ色気たっぷりで大好き。結局夜よ踊れの加藤さんパート全部好きですね……
夜よ踊れが隅々まで技工が凝らされていて複雑な曲なのにアイドルの曲としてきちんと成立しているのはこの適材適所な歌割りのおかげだと思います。しかも誰かが主役なのではなく全員が主役。常に目まぐるしく展開が変わり、その度に誰かが得意なパートを歌って、また次へとつないでいく。曲を使って自分を魅せるアイドルだからこそ作り出せる四者四様の華やかさが夜よ踊れのいちばんの魅力なのだろうと思います。歌唱におけるNEWSの最強曲が夜よ踊れなのも納得です。4人全員が自分の持てる魅力を全て出し切れる曲として作られてるんだからそりゃ強すぎるに決まってる。4人で歌う夜よ踊れは強かった……
ここからは本格的にNEWSのオタクになってから2ヶ月も経ってないようなカスが喋っていると思って聞いてください。
3人の夜よ踊れを聞いてから4人の夜よ踊れを聞いて、上でも書いたように手越さんの持つ女性的な要素はNEWSというグループの色に強く影響を与えていたんだなあと気付きました。手越さんがいることによって、NEWSは中性的な美しさを醸し出していた一方で、どうしても男性的な、ワイルドな部分は出しにくかったように見えるんですよね。EMMAのような曲はあるけれど、そのワイルドさは曲のテーマである血や死といった目を惹く要素の方が強くて、NEWSから出ていた色気はそこまで男らしくはないというか……NEWSに女性に強く出られない男性視点の恋愛曲が多いのもそういうことだったんじゃないかな、とか……
3人の夜よ踊れってなんか……色気が""男""じゃないですか?夜よ踊れがリリースされてから5年も経ったから、その加齢による色気なのでは?と言われたらそうなのかもしれないですがなんかそれだけでは片付けられないものを感じます。「BURN」「ReBorn」といった泥臭い、力強い曲をシングルの表題曲として何度もリリースしているのも、手越さんがいることによって抑えられていた部分、男らしい強さを出せるようになったからなんじゃないかな……と考えてしまいました。
長くなりましたが最後に結論を出します。
3人で歌う「夜よ踊れ」がエロすぎる。
以上です。