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【永】
短い時間だったけど
すれ違い 叶わぬ約束となったけども
貴方が遺したものと共に
これからも歩んでいきます
島袋真衣
2016年から2017年にかけた出来事なので
もう5年程前のこと。将来本気で書道家になる
べきか考え、色んなアーティスト、書道家さんをサーチして自身のあり方を模索していた時。
Facebookを通じて島袋真衣さんという
書道アーティストに出会いました。
https://www.facebook.com/official.mai.shimabukuro
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彼女の目を惹くビジュアルに加え、作品の
鮮やかな色使いと斬新でスタイリッシュな
デザインが私の中でとても新鮮だった。
センスを感じた。何より作品の世界観が好き
だった。
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中でも私が真衣さんの字を好きになった1番の
きっかけ、1番衝撃的だった字は、
畳に並べられた「夢」と書かれた色紙達。
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同じ字で、これだけ字の雰囲気をコントロール
できるのまじですごい。
強い敬意を抱いた。
彼女の実力を感じた。
アップされた作品を遡れば遡るほど、真衣さんの
字が好きになった。
時にはゆるく、飾らない言葉を残す姿にも親近感
が湧き、励みや戒めにもなっていた。
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永
真衣さんからのゆる募。
「ポジティブな意味が含まれている漢字を募集してます!」という趣旨の投稿。
何か作ることは容易に察しがついたので、
私も2,3個思いついた漢字をコメントに残す。
時間が経ちアイディアが形になった連絡が
流れてきた。
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これを作ってたのか~。
どこかのタイミングで真衣さんの作品は購入
しようと考えてました。
微力ながらアイディア出しに貢献したこと、
完成したデザインを見ると自分の本名「永誉」の
「永」の字が見切れてるけどトップに書かれて
いたことから、ご縁を感じて
「前向きな漢字沢山ドット柄」のハンカチを
購入しました。
最初で最期の手元にある真衣さんの作品。
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スタッズ
真衣ワールドとおっしゃる、スタッズを使った
作品。
https://www.facebook.com/official.mai.shimabukuro/posts/1282936868385495
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ロックだなー。
真衣さんこういうのが好きなんだ。
私はこういうのは作ること無いだろうなー
なんて思った。
アポ
真衣さんへの敬意は次第に1度会ってみたい、
会って話をしたいという気持ちに変わった。
500円で入れる簡易的なファンクラブのグループ
にも入ることにした。
https://www.facebook.com/groups/517635798400133
ファンクラブ入会希望と同時に、ダメ元で
会いたい気持ちを綴った。
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6年前の自分のメール、文体が若々しいな…
私の名前は字面で性別を判断されないタイプ
の名です。この時は自身が女性であることを
伝えたくて「女です」って入れた。
あと私の名前はどこに行っても幅広い文脈で
いじられてきたことが多く、私の中で
もはやネタ。笑いが出てしまいます。
メッセージを送るとマネージャーと名乗る方が
仲介して連絡をしてくれた。

やり取りさせていただく中で、1月に千葉で仕事が
あるからその際に会うのはどうかというご提案を
いただいた。

ただ残念ながらその後うまく連絡が取り合えず
断念。
幕張メッセって。
すごい近くに来てくれてたんじゃん。
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1469531479726032&id=1090994967579687&m_entstream_source=timeline
残念だな〜と思いつつ、引き続きやり取りを
させていただき、お会いする日は3月17日に
決定。
彼女は大阪在住なので、大阪に向かう予定が
できた。
今回は残念だったけど、ありがたいことに
お時間いただけたし、3月にゆっくりお話し
しよう。パフォーマンスの前後ってのも
お忙しいところ悪い気もするしね
訃報連絡
16日夜。
大阪行きの深夜バスに乗ろうとバスターミナルで
待っていたタイミング。
マネージャーさんからのメール。
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ん、なんだろーと思って電話をした。
「本当に申し訳ないけど、真衣と会うことが出来なくなってしまった。」「実は、13日に真衣が亡くなった。」「急なことで、自分も動揺している」「自分もこれから大阪に向かうところ」「彼女の家に行くところ」「連絡が遅くなって申し訳ない」「会う約束をしていたのに本当に申し訳ない」
「来てくれてももう会えないから判断は任せるけど、もしそれでも来てくれるのなら、自分が案内します」
たしかそんな内容。
私は今も昔も変わらず言語化に苦手意識を
持っています。この文章だってまとめあげるのに
どれだけの時間を費やしていることか。
馬鹿みたい。
まあ馬鹿なりに試行錯誤しながらやってる訳
なのだけれども。
訃報を知った時は誰に何をどう伝えるべきなのか
分からず、伝える必要があるものなのかも
分からず、ただ自分の中で何かとんでもなく
大きな想い、信じられない想いが宙吊りになって
感情の処理方法に困った覚えがある。
泣いたんだっけ。関東に帰ってからお姉ちゃんと
妹とお母さんにふわっと話したんだっけ。
でもちゃんと伝わった覚えがない。
伝える努力をしていたとも言えない。
真衣さんはキャバクラでの仕事経験もあった
こと、たまにその情報発信もしていたことも
恐らく関係していたのか、彼女に「書道」という
言葉を出し下心で近づいてくる人も多かった
そう。
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それもあってマネージャーさん曰く
「女の子が会いに来てくれるってこと、真衣もすごく楽しみにしてた」そう。
なんで死んじゃったの。
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私というフィルター越しに感じた彼女の魂を、
関東に戻って以来1度も持てずにいた形見を手に
生きた証を遺す。
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私には私の人生がある。
綺麗なものが好き。
物理的に輝きを放っているものとか好き。
光沢とか、繊細なものとかも好き。
人工的なものに割と肯定的。
好きな色は青って答えてる。
いろんな青を集めて研究してみたい。
彼女の様にとか彼女の為にとかが全ての源では
無い。
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こうして真衣さんが導いた主役不在の大阪1人旅
も、私の中で風化する事なく残る記憶の一つと
なりました。
つきましては再び感情整理の作業に勤しむことと
いたします。