![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/101484891/rectangle_large_type_2_a99c0a620c56647ccad9f8f44567c7e2.jpeg?width=1200)
3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その3
インターネットを通して各国のブラスバンド選手権等の課題曲を知ることができる時代になり、3th・4thセクションの課題曲となる曲の中にも、小学生がコンクール自由曲に演奏することが可能な曲があることに気づきました。
そこで、「3th4thセクションバンド演奏曲その1,その2」の各国コンテスト課題曲の3th4thセクションをそれぞれ過去に辿りその課題曲を整理しました。(イギリスは1977年のデータから、ノルウェーは2001年から、フランスは2004年から、スイスは2005年から、オランダは2010年から、オーストラリア・ベルギー・ニュージーランド・北アイルランド・北アメリカは2011年から、デンマークは2014年から、ドイツは2018年からのデータを利用)
最も課題曲として選ばれた回数が多いのは、「月の湖(ケビン・ホーベン)」(Lake of the Moon / Kevin Houben)が10大会、「祝典のための音楽(フィリップ・スパーク)」(Music for a Festival / Philip Sparke)は9大会、そして「サン・サーンス・ヴァリエーション(フィリップ・スパーク)」 (Saint-Saëns Variations / Philip Sparke) の8大会です。以上の3曲は北海道の吹奏楽コンクールでの小学生演奏実績があります。
10大会で課題曲
月の湖(ケビン・ホーベン)
Lake of the Moon (Kevin Houben 1977-)
アステカ族が「月の湖」と呼んでいたテスココ湖に関わる伝説にインスピレーションを得て、ベルギーのヴリムメレンにある王立ファンファーレ・ブラスバンド「デ・ケンペンガルム」の委嘱作品として作曲されました。
9大会で課題曲
祝典の音楽(フィリップ・スパーク)
Music for a Festival (Philip Sparke 1951-)
1985年に開催された全英ブラスバンド選手権のユース・セクション・ファイナルのために書かれました。
8大会で課題曲
サン・サーンス・ヴァリエーション(フィリップ・スパーク)
Saint-Saëns Variations(Philip Sparke 1951-)
2006年ネバダ州ラスベガスのシエラビスタ高校吹奏楽部から依頼され、『サン・サーンス「交響曲第3番」の主題による交響的変容』(Symphonic Metamorphosis on Themes from Saint-Saëns)が作曲されました。2009年に吹奏楽版をブラスバンドのために簡略・短縮、そしてより親しみやすく書き直されました。
7大会で課題曲
ザ・グレース・オブ・ラブ(オリバー・ウェスピ)
The Graces of Love (Oliver Waespi 1971-)
「ザ・グレース・オブ・ラブ」はチェーザレ・ネグリによって1602年に出版された曲集のタイトルです。2013年にその中の3曲を元にして3楽章形式のこの作品が出版されました。
6大会で課題曲
ディメンションズ(ピーター・グレイアム)
Dimensions (Peter Graham 1958-)
ディメンションが1983年に出版されることでグレイアムが広く知られることとなりました。
ザ・ダークサイド・オブ・ザ・ムーン(ポール・ロヴァット=クーパー)
The Dark Side of the Moon (Paul Lovatt-Cooper 1976-)
ブラックダイクバンドとニコラス・チャイルズの依頼で作曲され2007年1月に開催された国際ロータリー大会で初演、8月に出版されました。
トリプティク(フィリップ・スパーク)
Triptych for Brass Band (Philip Sparke 1951-)
スイスバンド連盟が第16回スイスブラスバンド選手権大会(1990年)の第2セクションの課題曲として委嘱しました。
5大会で課題曲
ラウダーテ・ドミヌムによる変奏曲(エドワード・グレグソン)
Variations on Laudate Dominum (Edward Gregson)
グレグソンの弟が指揮をしている救世軍バンドの1976年開催の演奏会のために委嘱されました。
ザ・キング・オブ・ドラゴン(フィリップ・ハーパー)
The Kingdom of Dragons (Philip Harper 1945-)
2010年にグウェント・ユース・ブラスバンドの創立50周年を記念して委嘱されました。
パーセル・ヴァリエーション(ケニス・ダウニー)
Purcell Variations (Kenneth Downie 1946-)
パーセル没後100年になる1995年に作曲されました。ダウニーが救世軍から独立して出版し、広く一般で使用されること意図した最初の作品です。
「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その0」
・筆者がコンクールで選んだ曲
「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その1」
・全英・オランダ・ドイツ・ノルウェーのブラスバンド選手権課題曲
「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その 2」
・スイス・フランス・ベルギー・オーストラリア・オーストリア・デンマーク・スウェーデン・北アイルランド・北アメリカ・ニュージーランド・イタリアのブラスバンド選手権課題曲
「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その3」
・各国コンテスト課題曲の3th4thセクションをそれぞれ過去に辿り、課題曲になったトータル回数を数えました。10大会〜5大会で課題曲となった曲
「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲その4」
・4大会で課題曲となった9曲
「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その5」
・3大会で課題曲となった20曲
「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その6」
・2大会で課題曲となった37曲
「3rd4thセクションのコンテストで課題曲とされた曲 その7」
・1大会のみで課題曲となった146曲
writer Hiraide Hisashi