吹奏楽編成標準化の定着
吹奏楽コンクール課題曲、バンドジャーナル、ニューサウンズ・イン・ブラスの楽器編成を見てくると1971年(昭和46)頃にそれまで散見されていたホルン(アルト・メロホン)inE♭の楽譜が徐々に消えていったことがわかります。これはニッカン(ヤマハ)のフレンチホルンが各団体に導入され、メロホン(アルト)が使われなくなっていったことと深く関わっていると思われます。それとほぼ同時期に全国各地に毎月およそ10万冊の付録楽譜を配布していたバンドジャーナルの「パート譜のページ数を少なくする」必要性から編成の標準化が押し進められることとなりました。
なお、バリトン(ユーフォニアム)の高音部記号は、共同音楽出版社が1990年頃まで、ミュージックエイト社が2006年までに全て低音部記号のユーフォニアムとなりました。
ただし、現在は少子化の進行により標準的な編成に対応できる人員を確保している団体(特に学校団体)は、極少数となっています。そのため、少人数編成に対応する楽譜の出版が数多くなされるようになっています。
writer Hiraide Hisashi