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1902年(明治35)のブラスバンド・コンテストの写真から

 イギリスのブラスバンドの古い時代の写真を見ていて「これはなんだぁ」と思ったことを書きました。


日本であれば江戸時代にコンテストは始まっていたのです

 英国のブラスバンド・コンテストは、19世紀から盛んに開催されてきました。現在開催されている屋内開催のコンテストで最も歴史があるのは、ブリティッシュ・オープン(British Open Brass Band Championship)で1853年に第1回大会が開催されました。それに続くのは、1900年開始の全英選手権(National Brass Band Championship of Great Britain)です。なお、屋外開催のコンテストに、1884年には開始していたウィット・フライデー(Whit Friday Brass Band Contest)があります。
 ちなみに第1回ブリティッシュ・オープンが開催された1853年は、ペリーの黒船来航の年、なんと江戸時代の嘉永6年で、いわゆる幕末の始まりの年です。1884年は明治17年、埼玉県秩父地方の農民らが、負債の減免などを求めて、郡役所・警察・高利貸しなどを襲撃した「秩父事件」が起きた年です。また、1902年は明治35年で、日英同盟が調印された年です。

演奏配置は円陣か方陣です

 1902年の全英選手権は9月27日(土)にコールリッジ=テイラー作曲の「ハイアワサ」(C.ゴドフリー編曲)*0を課題曲にロンドンのクリスタル・パレスで19団体がエントリーして開催されました。G.T.セダン(G.T.Seddon)とR.スティド(R.Stead)の二人が審査にあたり、優勝ブラック・ダイク・ミルズ(Black Dyke Mills)、二位ワイク(Wyke)、三位ルトン・レッド・クロス(Luton Red Cross)という結果*00 でしたが、この年のコンテスト写真(団体不明)が残っています。

クリスタル・パレス全国大会に出場するバンド(1902年) *1

 1910年の全英選手権は10月1日(土)にW.リマー作曲の「シューベルトの宝石」を課題曲にロンドンのクリスタル・パレスで15団体がエントリーして開催されました。

 J.W.ベスウィック(J.W.Beswick)とJ.オド・ヒューム、R.スティド(R.Stead)の三人が審査にあたり、優勝フォーデンズ・モーター・ワークス(Fodens Morter Works)、二位アーウエル・スプリングス(Irwell Springs)、三位スペンサーズ・スティール・ワークス(Spencer's Steel Works)という結果でしたが、この年のコンテストのイラスト(審査の様子)が残っています。

An article in the Illustrated London News, of 8 October 1910, describes the 1910  *2

 1902年,1910年は室内(クリスタル・パレス)での、1920年,1926年,1929年は、屋外でのコンテストの写真・イラストです。この5つを見ると、コンテスト舞台上の楽器配置が現代と大きく異なることと全ての演奏者に椅子が用意されずに立っていること、そして打楽器が使われていないように見えることに気づきます。

 コンテストでは指揮者が舞台の中央に立ち、演奏メンバーが正方形(スクエア)あるいは円形(サークル)に指揮者を囲み立って演奏するというのが多くの1920年代までのブラスバンドコンテストの姿でした。

ハードラウ・ブラスバンドコンテスト 1920 *3
1926年6月12日のメイデンヘッド・タウン・バンドは、ヘンリー・オン・テムズ第1部門コンテストに参加し、W.リマー作曲「メロディアスな宝石」を演奏しています。 *4
Camborne Junior Band at Redruth Contest in 1929 (Photo: R C Toy courtesy Paddy Bradley, Redruth) 1929年のレッドルース・コンテストでのカムボーン・ジュニア・バンド *5
19世紀のブラスバンドコンテスト配置図

ブラスバンド・ニュース

 英国のライト&ラウンド社(Wright & Round)は、1875年に設立され「リバプール・ブラスバンド&吹奏楽ジャーナル(Liverpool Brass & Military Jornal)」として知られる楽譜月刊出版物と共に、ブラスバンドや吹奏楽用楽譜を出版しました。また、1881年から1956年の間には、通算895号の月刊紙「ブラスバンド・ニュース(Brass Band News)」を発行しました。その大部分は現在、サルフォード大学で公開されていて見ることができます。*6

 1923年10月に発行された通算No.505号の「ブラス・バンド・ニュース」には、ブラスバンド・コンサートでの舞台配置についての記事が掲載されました。

コンテストでの舞台配置についての記事


Wright & Round's Brass Band News OCTOBER 1, 1923.  No.505 *7

 「ブラスバンドの円陣配置はもうすぐ過去のものになるだろうから、B.B.N.紙*8に、コンサート演奏のための半円形で24人の楽器奏者が配置された図を示してくれないか。」と、ある指揮者から手紙が来ました。
 私たちは、「コンサート・フォーメーション」が可能な場合にはいつでもその配置にしますが、屋外条件下では円陣やその他の演奏配置にすることもあります。記憶している限りでは、「コンサート・フォーメーション」は新しいものではありません。必ずしもそれが可能であるとは限りませんが30年以上前からバンドはそうしてきました。それでも、グラスゴー、ロンドン、ハリファックスで行われているように、コンテストの主催者は、スペースと条件が許すときには、いつでもその配置で演奏できるようにしておくべきです。
 ブラスバンドが演奏するときに座るべきか立つべきかには、議論の余地があります。合唱団は、どんなに上品なコンサートでも、呼吸と呼吸コントロールを最も効果的にするために、必ず立ち上がって歌います。金管楽器奏者も技術的には同じで、呼吸と呼吸コントロールが重要です。この点は弦楽器には当てはまりません。合唱団のように、バンドが実際に演奏するときに立って演奏したり、曲間に座って演奏することを選択しても、雑音や混乱はありません。それは気を使うことや注意することで可能なことです。合唱団員たちは、カワード博士*9が合図をするだけで、一斉に音もなく、慌てることもなく立ち上がり、合図をすればすぐに席に座ります。座って演奏することについては、友人からの手紙の執筆依頼によるものではなく、書いているうちに思いついた検討するのに価値あることです。
 「コンサート・フォーメーション」は、聴衆全員がバンドの前にいるという前提に基づいています。その意図は、どの楽器も過度に強調されて聴こえたりしないということです。強い音の楽器もあれば弱い音の楽器(比較的)、上向きや前向きベルの楽器のアンサンブルが、聴衆全員に最も効果的に聴こえるバランスとブレンドになるようにバンドを配置するためです。
 これは、聴衆全員がバンドに対して同じ位置にいるか、ほぼ同じ位置にいる場合にのみ可能です。観客がバンドを取り囲んでいる場合は、バンドメンバーなら誰もが知っているように、どの聴衆にも同じように聞こえるようにバンドを配置することは明らかに不可能です。
 条件が整うのであれば、これはコンサートを行うバンドにとって最も一般的に好まれる「配置」です。この図は、ソロコルネット4本、セカンドコルネット2本、ユーフォニアム2本を想定しています。(1)は指揮台上の指揮者で、台の側面と背壁面は木材や布で覆われるべきです。指揮者は指揮のために立っていますが、指揮者譜面台は、曲演奏中にフルスコア見開き2ページを置くために十分な広さでなければなりません。
 配置は次のようになっています。

 当然、トロンボーン側の奏者は少なくなりますが、ユーフォニアムとバリトンは大きな楽器なので、そちら側は十分に埋まっているように見えます。編成に "バランスのとれた "外観を与えるために必要な場合があるので、プレイヤーは、少しスペースを空ける必要があります。
 このようなプレイヤーの配置は、いくつかの変更が可能であることは明らかですが、それは大きく配置を変更するはありませんが例えば、E♭バスとB♭バスの場所を変える場合はあります。あるバンドは、ソプラノが最も舞台奥のソロ・コルネットに並び、ソロ・ホルンはソプラノの隣に配置され、2, 7, 8, 9 のように配置しています。
 この配置の主な利点の一つは、指揮者の前に演奏者全員がいることです。どの譜面台も演奏者を隠さないように配置すると、指揮者はすべての演奏者が自分を見ることができ、すべての演奏者に対し個人的に、あるいは集団的に、音楽的指示をすることができると確信します。そこでは、演奏者が密集しすぎず、拍子だけでなく指揮者の目を見るためにも必要に応じて間隔をあけて演奏する必要があります。良い指揮者は、音楽をコントロールするために指揮棒だけに頼っているわけではありません。時には演奏者への視線が指揮者の要求を雄弁に表していることもあります。
 「玉座は熾烈な光にさらされるものである。」舞台の上では、自分の一挙手一投足が聴衆から批判的な目で見られていることに気づくべきです。各奏者がこの事実を認識すれば、これまで見かけたような、優れた演奏を台無しにするような心無い(あるいはもっと悪い)行動は起こりません。私たちは、コンサートの舞台上で演奏者が行った面白いことよりも悪いことを見てきましたが、それはずっと昔のことだと言ってもいいでしょう。それでも、すべての人は、演奏者のすべての動きやしぐさが聴衆に見えていることを常に覚えておくべきです。演奏者の愚かな行動は、聴衆が演奏者と一緒に笑うのではなく、演奏者に向かって笑うことになります。


現代の一般的な配置

 1920年代にブラスバンドの演奏配置は、確立しました。100年経た現在もその形を大きく変えずに、バンドによる個性やコンサートの目的、そして曲の特徴を活かすために楽器配置場所を変更することがあっても、U型・馬蹄形・台形などに配置されています。
 できる限り椅子と椅子の間を密着させるように置いてあることやソロ・2nd・3rdコルネットが譜面台を共有することなども配置の特徴で、これは各演奏者の音をバンドの中心に集めるように演奏し、楽器の生音が聴衆に直接届かないようにして間接音を響かせるようにするためです。
 ブラスバンドでは、多彩な音色表現を実現するためにバスパートを含めミュートも多用しますが、時には、通常の座奏時と異なる位置にコルネットやトロンボーンパートが立って演奏することで、バンドの音色を大きく変化させることもあります。

全ての演奏者が立って演奏する

 1800年代前半の小規模なコンテストから始まるブラスバンド・コンテストの長い歴史を見ると、その多くは長く、野外での行進や立奏による地域イベントであったことがわかります。
 今も続く伝統的な野外コンテストの一つに、毎年6月の中旬の金曜日に開催される「ウィット・フライデー・ブラスバンド・コンテスト」 (1884年には創立)があります。*10いくつものコンテストが同時に開催(2019年には22箇所)され、100を超えるブラスバンドが参加しています。地元のバンド、青少年バンド、外国のバンドなどがブラック・ダイク、グライムソープ・コリアリー、ブリッグハウス&ラストリック、フォーデンズ・ブラスバンドなどの有名なバンドと平等に競い合っています。なお、ウィット・フライデーで立ち止まって演奏するコンテストの場面では打楽器の使用が許されていません。
 このような野外コンテストが他にも数多く開催されていて、その発展形として屋内でのコンテストは立奏で行うことが当然のことと考えられていました。写真(1902年)やイラスト(1910年)のように、クリスタル・パレスホールを会場に開催されていた全英選手権も、当日の屋外で数カ所に分かれて第 2 部門、第 3 部門、第 4 部門が開催されていことからか、立奏で実施されていました。
 このことが大きく変わるきっかけを1924年のブリティッシュ・オープンの優勝バンドが起こしました。そのバンドは、遠くオーストラリアからコンテストに参加したニューカッスル製鉄所バンドです。バンドメンバーはそれぞれの椅子を持ち舞台に上がり、椅子を現代の演奏会での配置と同様に並べ座って演奏したのです。(全英選手権にも参加3位)この日以降、多くのブラスバンド・コンテスト出場バンドは、室内開催のコンテストで椅子に座って演奏するようになりました。*11

打楽器が使われていない

 ブラスバンド・コンテストが始まった19世紀中頃の広く音楽における打楽器の役割は、ティンパニだけがオーケストラの中で主音と属音を補強する役割を持っていましたが、大太鼓や小太鼓そしてシンバルは、多くの場合、安定したリズムの補強の役割を担っていました。

 ブラスバンドでの、野外行進の場面では、リズムを刻むために大太鼓や小太鼓・シンバルが日常的に使われていましたが、初期コンテストで演奏された曲では打楽器の使用は、ほとんどありませんでした。それは、当時の選曲が打楽器をほとんど使用していないオペラ、オラトリオなどの様々なオーケストラ音楽を編曲したものが中心となっていたからです。その後、ロマン派の作曲家も打楽器の使用は控えめで、「打楽器の効果は使用量に反比例する。」*12という考えが一般的でした。
 また、コンテストに参加するブラスバンドのほとんどがティンパニのセットを所持していないため、原曲にティンパニが含まれていてもブラスバンドの出版譜では省かれていることが長く普通のことでした。例えばD.ライト編曲の1931年版ブラームスの「アカデミック・フェスティバル序曲」では、ティンパニのパートが省略されていて、ソロ・ロールの部分はE♭バスが演奏することになっていました。ティンパニの重要なパートを含む編曲をそのまま出版することができなかったということです。
 一方、ウィット・フライデーのような伝統的なコンテストの中には、大太鼓・小太鼓・シンバルの使用を認めないということや、それ以外の打楽器の使用を認めないという規定が長く続いているという場合もあります。それは打楽器の音やリズムが金管楽器の技術的な欠陥や演奏の音楽的な要素を覆い隠してしまうことを防ぐためと考えられていたからと思われます。
 それが時代を追うに従って、オーケストラ、吹奏楽、その他の大編成のアンサンブルがそうであるように、ブラスバンドにも様々な種類の打楽器が受け入れられ、時には必要不可欠な要素となってきました。ブラスバンドにおいて複数の打楽器奏者の存在は、この40年の間に起こった現象ですが、そのことはバンドに豊かな色彩と多様性を加えてきました。


コンテストのルール

「ブラスバンド・コンテストのルールと規定」より *13

クリスタルパレス・バンド・コンテスト(1902年9月)

 7. バルブトロンボーンやドラムの使用は認めない
 10. 第 1 部バンドのコンテストは、通常通り 12 時にコンサートルームで開始する。第 2 部、第 3 部、第 4 部は、敷地内の便利な場所(つまり野外)に設けられたスタンドで同時に演奏を開始する。
 
・ベル・ヴュー・バンド・コンテスト(1907年9月)
 13. スライドトロンボーンに限る。

全英選手権大会(1989年1月)

 8. 選手権大会は、以下の条件を満たすブラスバンドが参加する。
  (a) 最大25名の奏者(および打楽器奏者)
  (b) 打楽器奏者の最大人数は3名とする。
  (c) 金管楽器奏者が複数の金管楽器を演奏することは認められない。


全英選手権全国ルール (2019年1月) *14

7.  a) コンテストは、最大25名の金管楽器奏者と打楽器奏者からなるブラスバンドのみを対象とします。ブラスバンドの楽器は、以下のリストの中から選択します。
  Ebソプラノコルネット、Bbコルネット、Bbフリューゲルホルン、
  Ebテナーホルン、Bbバリトン、Bbユーフォニアム、
  スライドトロンボーン、EbとEEbベース、BbとBBbベース。
  金管楽器奏者は、楽譜に記載されている場合を除き、一つの金管楽器のみを演奏することができる。
  b) 腕の動きが制限されているトロンボーン奏者のために、バルブ・トロンボーンを演奏することができるが、コンテスト前にコンテスト管理者の承認を得なければならない。
9. c) 打楽器の提供は、コンテスト管理者の判断による。この規定の詳細は、バンドに事前に通知される。
 
  ・打楽器奏者の人数規定なし


ヨーロッパ・ブラスバンド選手権大会規則 (2017年) *15

 6) チャンピオンシップは、打楽器奏者を含む最大 35 名の奏者で構成されるブラスバンドのみが対象となる。


*0  Hiawatha - Samuel Coleridge-Taylor / Charles Godfrey Jnr
*00  

National Championship of Great Britain 1902

*1 https://ibewbrass.files.wordpress.com/2020/04/cp1902.jpg?w=380&h=255
*2 https://ibewbrass.files.wordpress.com/2020/04/judgescp1910.jpg?w=640
*3 https://scontent-lax3-2.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/143204541_10157735817851961_3722387622872118345_o.jpg?_nc_cat=111&ccb=3&_nc_sid=dbeb18&_nc_ohc=_PsWTYAb9fwAX97LFiL&_nc_ht=scontent-lax3-2.xx&oh=789adf25650f5b2e402bed8f29ac9b20&oe=6048FDCE
*4 https://ibewbrass.files.wordpress.com/2020/09/mt2.jpg?w=1024
*5 http://cornishstory.com/wp-content/uploads/2018/07/1929-Camborne-Junior-Band-1024x505.jpg
*6 サルフォード大学 R.ニユーサム・ブラスバンド・ニュース・アーカイブ
*7 http://usir.salford.ac.uk/id/eprint/45711/?template=journal_bbn
*8 ブラス・バンド・ニュース紙
*9 イギリスの有名合唱指揮者 Henry Coward(1849 - 1944)
*10 https://en.wikipedia.org/wiki/Whit_Friday#Brass_band_contests
*11 https://www.chrishelme-brighouse.org.uk/index.php/sunday-bandstand/bandstand-memories/item/229-the-newcastle-steelworks-band-from-australia-and-its-1924-visit-to-the-uk
*12 http://www.musicweb-international.com/ButterworthWrites/Percussion.htm
*13 http://www.open.ac.uk/Arts/cultures-of-brass/british-brass-band/contest_rules.pdf
*14 http://www.bbpregistry.com/uploads/2/1/7/5/21754772/rule_book_2019_master__1_.pdf
*15 https://www.ebba.eu.com/about-ebba/rules




*1 クリスタル・パレス全国大会に出場するバンド(1902年)
*2 1910年の全英選手権イラスト
*3 ハードラウ・ブラスバンドコンテスト 1920
*4 1926年6月12日のメイデンヘッド・タウン・バンド
*5 1929年のレッドルース・コンテストでのカムボーン・ジュニア・バンド
*6 サルフォード大学 R.ニユーサム・ブラスバンド・ニュース・アーカイブ
*7 Wright & Round's Brass Band News OCTOBER 1, 1923.  No.505
*8 B.B.N紙は、ブラス・バンド・ニュース紙のこと
*9 イギリスの有名合唱指揮者 Henry Coward(1849 - 1944)
*10 ウィット・フライデー・ブラスバンド・コンテスト
*11 椅子に座って演奏するようになりました
*12 打楽器の効果は使用量に反比例する
*13 ブラスバンド・コンテストのルールと規定
*14 全英選手権全国ルール (2019年1月)
*15 ヨーロッパ・ブラスバンド選手権大会規則 (2017年)

              writer Hiraide Hisashi  2021年2月11日 版


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