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私はここが好き。【短編】

5、6分でサクっと読めます!
良かったら見て行ってください(´∀`)

ーお疲れ様でした。ー

一人のシゴデキな雰囲気の女性が会社を後する。

彼女の名前は美優。33歳。現在彼氏なし。

彼女はモテる。顔も性格も良く、スタイルも良い。

彼女の周りには必ず彼女に言いよる男がいた。

そして彼女は根っからの恋愛体質で、いつでも会える男をそばに置いていた。

美優「今日は敦くんとお祭りか。」

敦という男は、美優が最近よく遊ぶ男の一人だ。
歳は34歳。美優はこの男にアプローチされている。

♪〜 =スマホが鳴る=
敦からだ。 

美優「もしもーし!ごめんね遅くなって、今終わって!」

敦「全然いいよ!あ、いた!」

美優「えっ?」

美優の前の方から敦が歩いてきた。

敦「お疲れ!美優ちゃん!ごめん、きちゃった!」

美優「えぇ!ここまできてくれたの?敦くん逆方向じゃん。」

敦「うん、早く会いたかったし、俺仕事早く終わったからさ!」

敦「やっぱ迷惑だった、、、かな、?」

美優「ううん、嬉しいよ!じゃあお祭り行こっか!」

敦「良かった!行こ行こ!」

二人は仕事終わりの服のまま、祭りへ向かった。
美優は色んな祭りに行き慣れているが、敦は人混みがあまり得意ではなかったので、祭りに行く事が久しぶりだった。

祭り会場にてー
敦「うわー、やっぱりすごい人だね。」

美優「そうだね。あ、りんご飴!」

敦「りんご飴好きなの?俺食べた事ないから食べてみよっかな!」

美優「うん!好き!美味しいから一つ買って一緒に食べよ!」

敦がりんご飴を一つだけ買って美優を渡す。

美優「うん、美味し!はいっ!」

敦も一口食べる。

敦「おぉ、りんご!」

美優「何そのコメントw 当たり前じゃんw」

敦「想像してたより美味しかった!」

しばらく談笑しながら食べ歩きして、1時間ほどたった。

敦「美優ちゃん、明日早いの?」

美優「ううん、いつも通りだからまだ大丈夫だよ。」

敦「おっけ!じゃあ美優ちゃんの最寄りで少し飲もっか。」

美優「そうしよ!」

二人は美優の最寄り駅まで向かい、二人でよく行く「八」という居酒屋へ入った。

大将「おう、美優ちゃん、いらっしゃい!敦も!」

もう大将とも顔馴染みになっている。
大将はなかなかのイケメンで、今年45歳らしい。
奥さんは3年前に若くして他界していて、子供はいない。
ちょうど3年前、美優がこの辺りに一人暮らしするようになってから美優はここに行くようになり、もうすっかり常連だ。

美優「最近会社変えようと思ってるんだよね。」

敦「そうなの?なんか嫌な事あったの?」

美優「うん〜、、、」

敦は美優の会社の愚痴を聞いていた。

すると居酒屋の大将が何か持ってきた。

大将「ほれ、サービスの豚串。」

美優「えー!有難う!」

敦「いつもすいません。」

美優は鶏肉が食べられない。
大将はその事を知っていて、いつも豚串をサービスしてくれる。

大将「まあ、いつも来てくれるしな!もう二人とも付き合ってんだろ?!」

美優「なーに言ってんの、この方はまだ彼氏ではないんです。」

敦「ははっ、残念ながらまだ俺の努力不足でして、、、」

大将「そうなのか!?今までで一番良い雰囲気だったから、、、つい!」

美優「大将!余計な事言わない!」

大将「へいへい。まあごゆっくり〜」
大将は戻って行った。

大将にそう言われた敦は少し嬉しそうだった。
しかし美優の顔を見るとその想いは少し違う方向へ行っているのに気が付いた。
美優は戻っていく大将の後ろ姿を見つめていた。
敦にはその美優の姿が、その視線が、少し特別なものなのだと感じてしまった。

敦「美優ちゃん、、、?」

美優「ん?あぁ、豚串食べよっか!」

敦「う、うん。」

敦「美優ちゃんて、どのくらい彼氏いないんだっけ?」

美優「半年ぐらいだよ。最近長続きしないんだよね。」

敦「それは仕事が忙しくてすれ違ったりするから?」

美優「まあ、それもあるし、なんか冷めちゃうんだよね〜。」

敦「そうなのか。歳上の方が好きなんだっけ?」

美優「うん。年下は1回付き合ったけど、全然だった。1ヶ月で振った。」

敦「そうなのかー。」

美優「珍しいね、過去の恋愛話聞くなんて。あまりそうゆう話しないから気にしない人だと思った。」

敦「ちょっと聞いてみたくなって。俺ってどんな感じ?会って3ヶ月ぐらい経つけど。」

美優「ん?良いお兄さんて感じかなー。好きだよ。」

敦「す、!その好きはどんな好き?」

美優「いや、普通に。男として。」

敦「えっ!じゃあ、、、」

美優「でもまだ付き合うまでは行けないかなぁ。」

敦「う、、、」

美優「もうちょっと敦くんの事を知りたい。」

敦「わ、、、わかった。」

敦「俺も美優ちゃんの事もっと知りたいから。まだこのままの関係でいさせてください。」

美優「うん、有難う。」

美優と敦は少し話して終電が近づいてきたので、お開きにした。

大将「まいど!また来いよ!」

美優「たぶん2日後とかにくるわw」

大将「お前は来過ぎw 敦ちょっと!」

敦「?」

大将は敦を呼んだ。
大将「お前、美優ちゃんの事好きなんだよな?」

敦「、、まだ分かんないです。」

大将「そうか。まああいつの事、これからも頼むよ。最近あいつ楽しそうだからよ。また来てくれや。」

敦「、、はい。」

美優と敦は店を後にした。

敦「美優ちゃん。」

美優「ん?」

敦「この街って良いところだよね。」

美優「うん、私はここが好き。」

敦「うん。」

美優「しばらくは離れたくないかな。」

敦「うん。そうだよね。良いところだもん。今日は有難う。また遊ぼうね。」

美優「うん!有難う。じゃあね!」

敦は美優と別れて、少しの敗北感とこれからの期待を共に駅へ向かった。

美優は一人家に帰った。
美優「今日も大将に会えたなぁ、、、」
美優は満足そうに化粧を落とし、寝る準備をした。

長月 暁人







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