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焦らなくとも。【短編】

5、6分でサクっと読めます!
もしよかったら読んでいってください(´∀`)


一人の男がベンチに座っているー。
彼は少し寂しそうにスマートフォンを見た。
そこには、可愛いらしい女の子が映っていた。

居酒屋にてー
真司「美香ちゃん、写真撮って良い?」

美香「嫌です。写真嫌いなんで。」

真司「えー、そんな。良いじゃん。可愛いのに。」

美香「高木さんて誰にでもそう言ってますよね?」

真司「そんな事ないよ!美香ちゃんだって結構言われるでしょ。」

美香「そんなに言われませんよ。。。」

パシャ!

美香「あっ!やめてくださいよ〜」

美香「もう一緒に飲みに行きません。」

真司「え!嫌だ。ごめん、消すよ。」

美香「もう遅いです。今日はお開きで。」

真司「ごめん!ごめん!もうしないからっ!ねっ?」

美香「さようなら。」

美香は店をあとにした。

店員の一人が真司に声をかける。

昂「女の子、帰っちゃったじゃん。」

真司「あーあ、結構良い感じだったのになぁ。」

昂「この間も違う女連れてたろ。」

真司「まあな。」

昂「あんまり遊び過ぎんなよ。誰も近寄ってこなくなるぞ。」

真司「ふん、言われなくても分かってるわ。」

真司と昴は同じ大学の3年生。
もうすぐ就活が始まる。
美香は真司と同じサークルの一つ下の後輩で、真司が狙っている女の子の一人だった。
少し良い感じだったが、まあ先程のやり取りで嫌われたのは間違いない。

次の日、大学にてー
昴「あ、明里。」

明里「よっ。真司は?」

昴    「もうすぐくるよ。」

明里「そっか。昴は今日もバイトだよね?」

昴   「うん。」

明里「、、じゃあ、終わったら、ね。」

昴 「、、、わかった。」

真司「おっつー。おーっ明里じゃん!」 

明里「よっ。真司は、今日どの女の子と遊ぶの?」

真司「お前な、人が毎日遊び歩いてると思ってんのか?」

明里「違うの?」

真司「今日は課題やんの!明日提出のやつ。」

明里「あぁ、まだ終わってなかったの。」

真司「えっ、もう終わったん?昴も?」

昴「もう出したよ。」

明里「たぶん真司だけじゃない?出してないの。」 

真司「えぇ!昴、頼む。今日教えて、、!」

昴「すまん、今日バイトだ。」

真司「バイト終わってからは?!」

昴「普通に無理。」

真司「薄情ものやん!明里は?教えてくれ!」

明里「しょうがないな。今から図書室行くなら。」

真司「有難う!神様!明里様!終わったら奢ります!」

明里「おっ、じゃあ久々に昴のバイト先行く?」

真司「もちろん!どこでも行きます!」

昴 「連チャンかよ。金あんの?」

真司「へっ、任せとけ!じゃあ後でな!」

明里「晩飯タダ、ラッキー♪」

真司と明里は課題をする為に図書室で向かった。
明里と真司と昴は同級生で、たまたま最初の講義で近くに座ったのがきっかけで良くつるんでいた。

昴は最近実家から引っ越して、住み始めたアパートの近くの居酒屋でバイトしている。

居酒屋にてー
真司・明里「かんぱーい!」

真司「いやー助かったわ!明里様有難う御座います!」

明里「さてさて何食べようかな〜。昴一番高いの何?」

昴「近江牛の鉄板焼きステーキだな。200g5000円。」

明里「ひゃー美味しそう!じゃあ、、」

真司「いや、加減して、、串盛りで良いでしょ、、」

明里「仕方ないなぁ。じゃあ生と串盛りで〜」

真司「あぶねー。あと給料日まで20日もあるのに金欠になるところだったぜ。」

しばらく飲みましてー
明里「ったく。世の中良い男には見事に相手がいますよねー!!」

真司「うーわ、今日悪酔いデーかよ。そろそろ水飲め。」

明里「おい!昴!お前は彼女とどうなんだよ!」

昴「別に、普通だけど。」

昴には大学に入ってからすぐ付き合った彼女がいる。可愛くて、頭良いので有名だった。昴もクールで長身なので、かなり女子からはかなり人気だ。

明里「はーうらやまし。ったく、どいつもこいつも。」

真司「、、明里は最近いないのか?」

明里「ふん、いねーよ!」

明里は普通に可愛い。
性格も良いし、長身でスタイルも良い。
結構告白もされてると聞くが、理想が高いのか、あまり相手がいない。
前回の彼氏もモデルの男だった。
まあ、浮気されて別れたのだが。

真司「そっか。じゃあ俺はどう?」

明里「はっ!全然無理!今のタイミングもないわ〜。私を誰だと思ってんの?」

真司「だよなぁ笑 まあそろそろ帰るぞ。昴、会計。」

昴「はいよ。」

明里「私、もう少し休んでく。」

真司「えっ?終電なくなるぞ?」

明里「大丈夫。」

真司「、、、そっか、じゃあ先行くわ。またな。」

明里「あーい、ご馳走様。」

しばらくしてー
昴「終わったよ。」
明里「、、、うん。」
二人は昴の家に向かった。

真司は電車を降りて、家の近くの公園のベンチに座った。
スマホを開いて、明里の写っている画像を見ている。
真司「、、やっぱ俺じゃダメかぁ。」
真司は悔しそうに、寂しそうにポツリと呟いた。
今は21歳の秋。
焦らなくても、まだまだ大丈夫。

長月 暁人











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