結構知ってるね。
〇だいたい2500文字ぐらいで5、6分でサクっと読めます!是非読んで行ってください!
〜八月のある日〜
歩「あーあ、今日も喋れなかった。」
咲「あー、華奈ちゃんね。しょーがないよ。てかそろそろ諦めたら?職場なんだと思ってんの。」
歩「仕事はちゃんとやってます。好きになったんだからしょうがないでしょ。」
咲「今日もミスって怒られてるくせによく言う〜」
歩「今日も鳥貴行くかぁ。」
咲「奢りなら付き合うよっ!」
歩「この前も奢っただろ〜。ちょっとは出せよ。」
咲「仕方ないなぁ。じゃあ話聞いてやるよ笑」
歩(あゆむ)と咲(さき)は、同じ会社に同期入社で5年目になる。
同じ部署に配属で、別々の社宅に住んでいるが、場所が近い。
元々は会議や飲み会で話す程度だったが、
半年前に咲には3年付き合っていた彼氏がいたが、別れてしまい、その時に咲は仕事でも不調で、気を利かせて話しかけたのが歩だった。その頃から良く話すようになったのだ。
まあ歩も上司から言われて話かけたのがきっかけだったが。
ー鳥貴族にてー
歩「で、お前はどうなんだ、最近。マッチングでマッチしてんのか?」
咲「何回か会ってご飯食べたりしたみたけど、ヤリ目が多くて〜。結構難しいもんだね。」
歩「なんでヤリ目って分かんの?」
咲「会話で大体分かるじゃん。一方的に褒めちぎられたり〜あと飲み方。こっちにやたら強いの飲ませてくる。時間の話とかもだね。その日の内になんとかしたい感がこっちから分かるわけ。」
歩「え、褒めすぎって良くないの?」
咲「そうだな〜。難しいんだけど、結局は人によるかな。」
歩「人による、、、?人によっちゃ良いんかい!」
咲「そりゃ好きな人に褒められたら嬉しいでしょ。」
歩「言ってる事がわかりませんね。もっとロジカルに。」
咲「佐々木(上司)さんのマネすんな!笑」
まあこんな感じで最近はよく2人で恋愛や仕事の話を繰り広げてから家に帰る。
咲「明日は喋れると良いね。」
歩「今日奢った分サポートくれ。」
咲「分かった分かった。 じゃあね。」
咲の方が降りる駅が早い。
歩は咲を見送ってから帰路に着く。
歩は一人になると耳にAirPodsをセットし、Silent Sirenの「八月の夜」を聞いていた。
歩(いやー染みるなぁ。)
ートントンー
歩「ん?」
華奈「坂口さん、お疲れ様です!」
歩「!!華奈ちゃん!」
なんと同じ車両に華奈がいた。
華奈(かな)は歩と同じ配属先で2年目の子。
容姿も良く、気も使えて、仕事もできる。
歩は華奈が1年目の時に教育担当をやっており、その時から惚れていた。
なんとか自制を効かせて一年頑張って教育をやりきり、華奈が2年目なると教育係を晴れて卒業し、残念ながらなかなか話す機会が減ってしまっていたのだ。
華奈「鈴木(咲)さんと飲んでたんですか?」
歩「あ、うん。そうだよ。方向同じだからたまにね。」
華奈「いいですね!私も行きたかったです。。。」
歩「えっ?!そうなの?」
華奈「是非次は声かけてください!」
歩「そっか、一応教育期間だったし、あんまり個人的に飲みに誘った事なかったね。てゆうか、華奈ちゃんこっち方面だったんだね?入社した時は逆方面だった気が、、」
華奈「最近引っ越したんですよ。あの社宅が嫌で。」
歩「そうなんだ!なんかあったの?」
華奈「あまり関わりたくない人が近くにいて。会社の社宅って疲れますね。」
歩「あ、そうだよね。(さっきの誘ってくださいもリップサービスかな。あんまり間に受けない方が良さそうだな。)」
華奈「坂口さん、次ですよね。」
歩「そうだよ。言ったっけ?」
華奈「入ったばっかりの時に教えてくれたじゃないですか笑 」
歩「そっか。華奈ちゃんは?(あ、ヤベ、ハラかも、、)」
歩「答えたくなかっ、、」
華奈「私も次なんですよ。あ、着きましたね。降りましょ。」
歩「お、おう。」
歩と華奈は改札を出た。
季節は8月が終わる頃、夜は少し涼しい。
歩「じゃあ俺ローソン寄って帰るからここで。(もうお別れ、、、(´-`).。oO)」
華奈「あ、私も寄りたいです。一緒に行きましょう!」
歩「う、うん!(ラッキー!(*゚▽゚*))」
ーローソンにてー
歩(甘い物食って帰ろ〜。アイスアイス。)
歩がソフトクリームを手に取る。
華奈「坂口さん、そのアイス好きですよね!私もそれ好きです。」
歩「そうなんだよ〜。飲んだ後食べながら帰るのが最高で笑 華奈ちゃんもいる?」
華奈「えっ?良いんですか?」
歩「元部下だしね、買ってあげる。」
華奈「有難う御座います!嬉しいです!」
歩(可愛い、、、)
歩はデレデレだった。
二人でコンビニを出てアイスを食べながら帰る。
華奈「美味しーですね!」
歩「美味いよねー!この季節が丁度良い。」
華奈「坂口さん、最近鈴木さんと一緒にいますよね。」
歩「うん、ちょっとしたキッカケでよく飲むようになった。」
華奈「そうなんですね。私はそうゆう人がいないので、お二人を見てて羨ましかったです。」
歩「そうかな?(いつも奢らされてるだけだけど) 華奈ちゃんはあんまり同期と飲みに行ったりしないの?」
華奈「たまにするんですけど、あまりちゃんと話せる人がいなくて。」
歩「華奈ちゃんが話せないってよっぽどじゃ笑」
他愛もない会話をしながら帰路を歩いた。
華奈「アイス食べ終わっちゃった。」
歩「ゴミもらうよ。」
歩がゴミ袋を差し出す。
華奈「いえ!先輩に捨てて頂くなんて申し訳ないです!ちゃんと持って帰ります!」
歩「いーの、気にしないで。俺家もうすぐだし。」
華奈「あ、そっか。〇〇の辺りですよね。じゃあ、申し訳ないですが、、、」
歩「素直でよろしい。じゃあまた明日ね。(幸せだった、、( ´ ▽ ` ))」
華奈「アイスご馳走でした!お疲れ様です。」
歩は速攻で帰り、咲に電話をかけた。
咲「寝るとこだったんだけど!」
歩「わりぃ!さっきさ!、、!」
先ほどの出来事を興奮気味に話す。
歩「いやー今日お前と飲んで良かったよ!」
咲「そうだね。次は何奢ってもらおうかな。」
歩「まあ次は華奈ちゃんも誘うから奮発しちゃお。」
咲「そうしてくれ笑 てかさぁ。」
歩「ん?」
咲「華奈ちゃん、歩の事、結構知ってるね。」
歩は身体にアルコールがまだ残っており、テンションも上がっていて、この時の咲の一言の意味が良く分かっていなかった。
長月 暁人
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