Day20「書く習慣1ヶ月チャレンジ」これまでで1番の後悔
夜、爪を切ると親の死に目に会えない
そんな言い伝えってありませんでしたか?
わたしは子供のころからそれをずっと忘れずにいて、きちんと守ってきました
守ってきたと言えども切るのは夜なんです
お風呂から出たあとは爪がまだやわらかいから…
でも必ず「馬の爪、牛の爪…」と言いながら切るんです
切り終えるまでずっと
それを何十年と守ってきました
それなのに父親の死に目に会えませんでした
息を引き取ったのが朝5:08でした
病院から兄に連絡がいき、兄から電話をもらい…
まだ4時台だったのでわたしは布団の中でした
起きて着替えて身なりを整えて…
いよいよこのときがきたのか…
不安だし、変な緊張感と恐怖心もあって勝手に手がふるえました
病院に向かう途中、姉からLINEで「もうあかんだでゆっくりおいで」と…
言葉にならない想いがぶわ~っとあふれてきて、流れる涙と込み上げてくる気持ちが大き過ぎて心が痛かったことを覚えています
だけど逆にもう、苦しむ姿を見なくてもいい安堵感に包まれました
生きていて欲しいんだけど辛さから解放された瞬間の、あたたかみさえ感じる不思議な気持ち
矛盾しているなって思う
ただびっくりしたのは、義父のときに比べたらものすごく小さいものでした
赤信号を赤信号と把握しているのかどうかわからない状況で、曲がるべき道を通り過ぎてしまってからハッと我に返りました
いつもと心持ちの違う自分
今度は病室に行くのが嫌になっていきました
息をしていない父に会うこわさ
それと身内がそろっている中わたし一人だけがそこに行き、泣く姿を見られるのが…
父のことを大好きと思ったことはなかった
だけど大工で職人気質なところは好きでした
頑固なところ、几帳面なところ
わたしはしっかりと引き継いだよ
父に言えなかった言葉
「47年間、ありがとう」
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