VJ初現場から1年記念 使っているソフトやコントローラーの紹介
はじめに
こんばんは。
都内を中心にアニソンやサブカル系のクラブイベントでVJ活動をやっております、nagatea(@nagatea_p)です。
2023年11月11日でVJ現場デビューしてから1年が経ちました🎉
(記事サムネは初現場で起こった事件です)
おかげさまでアニソン原曲系イベントを中心に様々なイベントに呼んでいただき、2日に1日はVJをやらせていただける生活を送っています。
スケジュール空いてたらやらせていただく、くらいのフットワークの軽さでやってますのでこれからも軽率に呼んでいただければと思います。
さて、VJを始めてからいろいろなブログ記事を参考にしたり、いろんなソフトや機材を買って試行錯誤したりと自分のスタイルを確立するまでにいろいろなことをやってきました。
その結果、他の(アニソン)VJさんと使ってるソフト・コントローラー・手法などかなり違ってて、記事化することに意義があるなと感じたので、せっかくなのでこんな感じでやってるよというのを共有しようかなと思います。
他の記事で紹介されてるようなアニクラスタンダードな手法ではないですし、映像出すだけならもっと簡潔で良いのですが、いろいろ組み合わせることで表現の幅も増えますし、いろいろ試行錯誤してみるのも楽しいのでこれもひとつのスタイル案だよくらいに捉えていただければと思います。
自分がMacbook使いなので、Macでしか動かないソフトを紹介しています。Windowsの方もたぶん似たようなことができるソフトはあるかと思います。(VJソフト以外…)
あと、アニソンVJの†闇†に触れる部分は意図的に書いてないです。
一応こっちも独学でスタイル確立しているので仲良くなってお酒で気持ちよくさせて聞いてくれればたぶん答えます。
使っているソフトについて
ざっくり書くと、
映像出しにVDMX(画面全体)とdjay Pro(左中央上)
映像検索にEagle(左中央下)
調べ物用にブラウザ(右下)
補助のソフトとしてDisplay Menu・BetterDisplay・beat link trigger
あたりを使っています。
VDMX
Mac向けのVJソフト。
このソフトを最終的なアウトプットにして映像を送出しています。
通常349ドルのところ、去年のブラックフライデーのセール+飢えたアーティスト割(記事書くやつ)で99ドルで買ったらしい。実は併用できます。
メリットはカスタマイズ性の高さで、レイアウトを自由に決められて思いついた機能や表現は頑張ればだいたい実現できます。
自分は映像専用のプログラミングソフトだと思って接してます。
エフェクトも自作できるので自分は2レイヤーの4画面分割の機能をISFで書いてたりします。(既存のエフェクトのコードの見よう見まねなので全然理解してない)
デメリットはカスタマイズ性の高さで、とにかく使いこなすのが難しいです。
他のVDMX使いのVJさんの画面見てもなにやってるか分かりませんし、機能が豊富すぎて1年向き合ってきた自分でもいまだに全然理解できていません。
また、思いついた機能は実現できると言っても全部1から組まないといけない上に、汎用性を持たせようとすると設計から考えないといけないので大変です。いまだにプロジェクト完成したと思っていない…。
正直アニソンVJやるならいらないし、あっても最低限汎用映像出せるようにするくらいで良いと思います。
自分はアニソンリミックス系のイベントのVJでバチっとハマる映像を出すのが目標なので、アニメ映像も出しつつクラブっぽい演出もできるようないい塩梅のバランスになるようにプロジェクトを育ててます。
まだ納得いく映像表現ができないのでいろんなエフェクトを模索したりイベント遊びに行って他のVJさんの映像見て勉強している段階です。
djay Pro
いろんなプラットフォームで動くDJソフト。
DJソフトですがビデオ再生機能があって、音声の波形を見ながら映像を流すことが可能です。
そのため、DJさんが流している曲にぴったり合うように映像を出すいわゆる"リップシンク"がやりやすいソフトです。
VDMXだけでも8割の精度でできるリップシンクを9割に引き上げるために最近導入しました。
djayからの映像はVDMXに取り込んで出しています。(後述)
似たソフトにアニソンVJのデファクトスタンダードなVirtualDJがありますが、
djay Proの値段が"年"5400円 (VirtualDJは月3200円)
映像が終わった後の自動ループが可能など、必要最低限欲しい機能はある
カスタマイズ可能な範囲のレイアウトが自分の理想に近かった
という理由で半分お金ない故の妥協みたいな感じで導入しています。(機材と映像素材と音源購入でお金が…)
流石にVirtualDJの機能性には勝てないですし、理想のレイアウトや使い勝手を求めてそのうちVirtualDJに鞍替えしてると思いますが、とりあえずアニソンVJやってみたい!と思っている方にはdjayは普通にアリな選択肢なのではと個人的には思っています。
(追記: Windows版のdjay Proにはビデオ機能が存在しないようです…やはりVirtualDJが最強か…)
BetterDisplay
仮想ディスプレイを作成できるソフト。
djayのアウトプット映像をVDMXに取り込むために使用しています。
作成した仮想ディスプレイをdjayの出力先として選択
仮想ディスプレイをVDMXのDisplay Inputsから選択し、仮想ディスプレイごとミラーリングする
という手法でVDMXに取り込み可能です。
これ使わずにHDMIダミープラグとかを使った方が負荷は軽い気もします。(未検証)(本当は直接NDIで映像飛ばしたい)
Eagle
Win/Mac両方動くデザイナー向け素材管理ソフト。買い切り29.95ドル。
主に画像収取を目的とした素材管理ソフトですが、映像ファイルも管理できます。
他に使ってるVJさんを見たことがないんですが、なんで使ってないんだろうって思ってるくらいには有用なアプリケーションです。
映像の検索が爆速
サムネイルが表示されてカーソルオンでプレビュー再生が可能
ショートカットで最前面表示&検索欄入力がすぐできる
素材管理アプリなので映像の整理が容易
等々…とにかくアニソンVJ向けなソフトです。(フォルダ構造が破壊されるデメリットに目を背けつつ)
汎用映像素材もこのソフトで管理しています。
詳しくは別な紹介記事を書いているのでそちらを見ていただければと思います。
beat-link-trigger
CDJとVJ側のPCを同じネットワークで接続することで、DJが流している曲の情報をVJ側のPCから確認できるソフト。
Pro DJ Link接続やUSBメモリでDJをしている場合限定ですが、曲名を毎回見に行かなくてよくなり、現在の再生位置や再生速度が分かるのでリップシンクの精度が格段に上がります。
特にDJブースとVJブースが離れている現場でだいぶ重宝します。
自分はVJ用PCとは別にbeat-link-trigger専用のPCを立てることが多いです。
また、CDJから送られてきた情報を加工することも可能で、使い方次第ではだいぶ面白いことができるソフトです。
自分がやったことあるのはCDJのBPMとVDMXのBPMを同期させたり。
欠点はCDJと同じネットワークに繋ぐ関係上、このソフトを使おうとしたことが由来の事故が万一起こった時に言い逃れできないこと…
まだ笑って許してくれそうな現場にしか出たことありません。
Display Menu
Macの解像度を変更できるソフトです。
解像度変更はシステム環境設定からもできますが、こちらのほうが指定が簡単なので重宝しています。
自分はこれで14インチMacbook Proで出せる最大解像度まで引き上げてます。
他のVJさんに画面の文字ちっさ!ってドン引かれる要因。
それに合わせて、マウスのカーソルのサイズは最大にしています。
カーソルを見失うと映像を表示している拡張画面のほうにいったりして悲惨なことに…。
Google Chrome
書くほどでもないかと思ったけど一応。
曲名見てもどのコンテンツの曲か分からん…ってなった時に調べる用に常駐させてます。
ググったりアニソンデータベースでコンテンツ情報を調べたりしていますが、Youtubeの検索が優秀で曲名だけで関連情報をサジェストしてくれたりするので重宝してます。
余談ですが、rekordboxのコメント欄等で再生する曲のコンテンツ情報を書いてくれているアニソンDJさんは神です。この一手間に救われるVJがいます…。
別な用途として、イベント終わりの演者紹介の時間にTwiplaのページを画面共有したり(画面出してる間に次のイベントの画面の用意をするために2つ立ててる)、あとはVJ中にTwitter見たり。
使っているコントローラーについて
今メインで使用しているVJ用途のMIDIコントローラーを紹介します。
これに至るまでに買っては合わなくてお蔵入りしたコントローラーもいっぱいありますし、将来的に導入したいコントローラーもあるので暫定なやつです。
KORG nanoKONTROL2
ほとんどのVJが触ったことあるんじゃないかってくらい定番のやつ。
これ以上にフェーダー、つまみ、ボタンがこの個数付いててさらにコンパクトなMIDIコントローラーを見たことがないです。
自分はフェーダーを映像のレイヤー、つまみをレイヤーやエフェクトの操作、ボタンをエフェクトのON/OFFや映像の頭出しなどの操作に割り当てていて、このコントローラー1つでとりあえず一通りのVJはできるというコンセプトで割り当ててます。
最近酷使しすぎて左から2番目、3番目、8番目のフェーダーがたまにチャタるので買い替えたい…
あとほぼすべてのMIDIコンの信号とバッティングするので、買ったらいろいろいじる前に管理ソフトでMIDIの信号を書き換えましょう。(遺言)
DJ2GO2 Touch
ほとんどのアニソンVJが触ったことあるんじゃないかってくらい定番のDJコントローラー。djayを操作する用に使用してます。
nanoKONTROL2と同じコンパクトさで映像の操作ができる優れもの。
余談ですが、ダイソーに売っているヘアアイロンケース(引っ掛けタイプ)がこのDJ2GO2 Touchがちょうど入る大きさです。
いい感じのケースがない&高いと困ってるVJさんをたまに見かけるので、こちらおすすめです。
なぜか常に自分のカバンの中に新品のストックがあってたまに配ってるので声かけてください。
AKAI LPD8
こちらもnanokontrol2と同じくらいのコンパクトさのMIDIコントローラー。
使ってる人は見たことないです…。
8個のパッドと8個のつまみが付いています。
パッドが大きくて押し心地が良いのがお気に入り。(つまみはちょっと微妙…)
VDMXのみでVJをやる時やVDMXに直接入れた映像の速度調整(リップシンク)の用途で使ってます。つまみは汎用映像の速度調整やエフェクトの強弱調整用です。
Novation Launch Pad mini MK3
コンパクトな上にパッドが80個もついているMIDIコントローラー。
パッドの押し心地がしっかり押した感のある作りになってて操作しててわかりやすいです。
主にエフェクトのON/OFFやその他いろいろな操作のトリガーにしています。
全部のボタン使い切るのが目標。(たぶん30個くらいしかまだ使ってない)
デフォルトだと64個しか信号が送れないのですが、プログラマーモードという特定の操作で入れる裏モード的なのを使うと80個フルで信号を送ることができるというのを最近知りました。
コントローラーは以上の4つをメインに使っていて、イベントや現場のブースの広さに合わせて使う組み合わせを選択しています。
例:
アニソン原曲系ならnanoKONTROL2 + DJ2GO2 Touch + LPD8
アニソンリミックス系ならnanoKONTROL2 + LPD8 + Launch Pad mini MK3
VJブースが狭かったらnanoKONTROL2 + LPD8のみ
また、DJ2GO2 Touch以外はVDMXのControl Surfaceで仮想コントローラーを用意し、コントローラーがなくてもPC上で操作が可能なようにしています。
おわりに
現場デビュー1年記念という節目だったのもありますが、ブラックフライデーが近くなってきて、周りやTLにVJ始めてみようかなと考えるかたが増えてきたのもあったのでこの記事を書きました。
おそらく自分しか使ってないみたいなソフトやコントローラーもありますが、これも1つの選択肢だよくらいの参考になればと思います。
皆さんもいろいろなソフトや機材を試して、自分に合う合わないを選択して自分だけのVJスタイルを模索していただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!